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パリごはん

2010.01.15 更新 ツイート

雨宮塔子の食事日記40雨宮塔子

12月12日

 怒涛の師走がやってきた。これから年始にかけてイベントも盛り沢山だから、胃腸もろとも健やかじゃないと、思いっきり楽しめないのでありんす。
 そのイベント連投の口火を切るのが、今夜の忘年会。いつもの仲間、子供も合わせて総勢30名近くに及ぶ友人たちとの忘年会は、なんと、北マレ界隈の某アパルトマンの最上階に構えるサロンを借り切るという大がかりなもの。
 ドレスコードは結局「レッドカーペット」に落ち着いた。途中、片仮名に弱いノリノリ(お向かいに住む関西人マダム)が誤って「レッドカーテン」と皆にメールしてしまい、(テーマは「エロ」なのか!?)と皆を震撼させる一幕もあったけれど、つき合いも長くなると、何をどう間違えたかも一瞬でわかるようになってしまうのが恐ろしい。
「レッドカーペット」とはいっても、そこはただのドレスアップに終わらず、どこかひねりを加えてくるのが我等流。例えばテーマは「タカラジェンヌ」だと聞いていたはっちゃん(この忘年会隊長)は、深くスリットの入った総スパンコールの青のドレスに、わざと「うわさの姫子」(すいません、年がわかりますね)的にカットして、手を入れた金髪のヅラをかぶっていた。多分にジェンヌさんに失礼であるような気はしたが、自分を落として“アホ”に徹してまで盛り上げるのが彼女だ。

 料理も皆の共同作業。忘年会だし、パーッといこうと、前菜には結構な高級食材を買い求めておいた。“BYZANCE”のイベリコハムやサラミ、「Kマート」のお刺身の盛り合わせ、イタリア惣菜店のモッツァレラにプチトマトetc.……。シャンパンと白ワインはダース買いしてあるし、赤ワインも各自で1本ずつ、持参することになっている。

 あとはうずらの卵や野菜、エリンギなどを串揚げにして、締めにパスタを数種類食べて、デザートへ。いつもながら料理の仕込み隊長はノリノリ。アフロのヅラをかぶり(元モデルのこの人も、必ず“きれい”なだけじゃ終わらない)、黙々と串揚げを揚げるその後ろ姿は、なかなか鬼気迫るものがあった。

 

 もっと“ふつう”でいいのかもしれない。どこかレストランを借り切るなりして、ゆっくり食事を楽しんだり……。でも、皆で楽しむためには、持ちうる労力を惜しむことなく注ぎ込むのがこの仲間たちなのだ。このままどんどんエスカレートしていくのかしらん?
 子供たちには賞品つきのビンゴゲームを用意し、プロのカメラマンであるトムがひとりひとりを撮影してくれるといった豪華な企画もありで、大いに盛り上がった。カメラの前では皆ウケを狙いすぎて、本当にテーマが「レッドカーテン」になっていったことを、一応告白しておこう。

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パリごはん

パリでパティシエの夫とふたりの子どもと暮らす雨宮塔子さんが、日々のおいしい食事、パリでの日常を綴る日記エッセイ。
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雨宮塔子

1970年生まれ。東京都出身。 成城大学文芸学部卒業後、東京放送(TBS)に入社。 「どうぶつ奇想天外!」「チューボーですよ!」」等の人気番組を担当する。 99年3月TBSを退社し、単身パリに遊学。フランス語、西洋美術史を学ぶ。 02年パティスリー・サダハル・アオキ・パリのオーナーシェフ、 青木定治氏と結婚、03年長女を、05年長男を出産する。 現在はフリーキャスター、リポーター、エッセイストとして活躍。 著書に『金曜日のパリ』(小学館)『それからのパリ』(祥電社) 『小さなパリジェンヌ』(小学館)がある。 http://www.puntolinea.jp/amemiya.html

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