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ゴルフは名言でうまくなる

2019.04.14 更新

第87回

「いいスコアをマークするためには練習を重ねてショットの精度を高めなければならないと、世の多くのゴルファーが考えているのは、誤解していると思う」――中部銀次郎岡上貞夫

つい多くを願いすぎてしまう一般ゴルファー

この名言は、銀次郎さんの著書『悠々として急げ』(ちくま文庫)に出てくるものだ。続けて、次のようにその意味を説いている。

「ドライバーのショットは、曲げずにかなりの飛距離を出さなければならない。アイアンでグリーンを狙えばピンの近くに乗せなければならない。グリーン近くのアプローチは、必ずOKの距離に寄せなければならない。パッティングも打ち損なってはいけない……。その通りには違いないが、ろくに練習する時間もないゴルファーが、どうしてそういう願いを実現できるだろう? わたしに言わせれば、それが誤解なのだ」

「ゴルフは、いいスコアで回りたければ、確率の高い方法を採るべきだ」と銀次郎さんは繰り返し言っている。しかし、それに異を唱える人もいたらしい。

一部の人は、白球を飛ばしながら緑のフェアウェイを闊歩するだけで楽しいからと、スコアカードを持たず、スコアさえ数えないのだそうだ。それはそれで、素晴らしいゴルフの楽しみ方だと思う。むしろスコアをつけずにプレーするほうが、ミスを気にせず、思い切ったゴルフが楽しめるだろう。

しかし、大多数のゴルファーは、やはりスコアの向上を密かに目指しているものだ。まずはダブルボギー平均の108あたりを目指し、その後は100切りを念願する。90台でラウンドできるようになれば、80台を出してみたいと思うだろうし、コンスタントに80台が出るようになれば、夢の70台に憧れないはずがない。

ゴルファーにとって、自己最高を更新するスコアを出せたときほど嬉しいことはない。そして、さらにさらにと上を目指すものなのである。

ぶっつけ本番で自己最高スコアを出せるはずがない

では、どうすれば自己最高スコアを更新し、向上し続けることができるのだろうか? その答えはとても難しい。多くの一般ゴルファーには本業があり、余暇のなかでしか練習したりラウンドしたりできないからだ。

学生のように時間が比較的自由に使えるならば、多くの球数を打ってショットの精度を高め、コースでもアプローチやパッティングの練習をして技術を磨くことができる。しかし、一般ゴルファーは週1回程度も練習場へ通うことができず、クラブを握るのは前回コースへ行って以来……という人が多いだろう。

そういう状況なのに、コースへ行けばやはり自己最高スコアを出したいと願う。それは、ゴルファーの性(さが)であり本能であるから、責められるものではない。

だが、練習場でのショット練習もせず、いつもぶっつけ本番でラウンドして自己最高スコアを出せることはまずない。願うことは否定しないが、現実的とは言えないのだ。

ほどほどにボールを打つ技術が身についているゴルファーでも、「調子がいいと80台が出ることもあるけど、体調や天候次第では110も打ってしまう」という人は多いと思う。このレベルのゴルファーがショットの精度を一段上げようとすると、その志を達成するには相当な練習量が必要となる。

ゴルフの練習は、週2~3回など定期的かつ継続的に実行しても、やればやるだけ確実に成果が現れるというものではない。一所懸命に練習を続けているのに、なかなかスコアにはつながらず、「自分には才能がないに違いない」と投げ出してしまう人もいる。せっかく一生楽しめる素晴らしいゲームに出会えたのに、もったいないことである。

それでも、しつこく練習を続けたゴルファーには、あるとき不意に一段レベルが高くなることがある。これは、階段を一段ずつ上がっていくような上達ではなく、踊り場から次の踊り場までポンと飛んでしまうような上達の仕方なのである。

とはいえ、それがいつ現れるかはわからないし、ずっと現れないかもしれない。そこが厄介なのだ。

だから、練習場へ行く時間が割けないような一般ゴルファーが、ショットの精度を高めようと努力しても、成果が現れないまま時が過ぎるだけで無益なのではないだろうか。

練習場に行く時間がなくてもできること

それでは、一般ゴルファーはスコアを上げていくことができないのかというと、そうではない。技は2割で心が8割なのだ。練習場に行かなくてもできることはある。

銀次郎さんほどの名手であっても、ショットに関しては自分にできることと、できないことを厳しく分けていたと言っている。できないことは決してやらないと決めていたのだそうだ。

ところが、一般ゴルファーは練習もできていないし、技術力も高くないのに、難しいショットやきわどいショットを狙ってしまっていることがいかに多いことか。ドライバーで曲がり角のギリギリをショートカットしようとしたり、狭いエリアのピンすじをデッドに狙ってみたり……などなどである。

こういうショットに臨むとき、自問自答してみるといい。「このショットを自分が打って、成功する確率は何パーセントぐらいだろうか?」と。考えれば誰にでもわかることで、成功確率は10~20%程度、10回に1回か2回しかないはずだ。そんなショットは、やらないと決めるべきなのだ。

これに対し、ドライバーでは広いほうのエリアを狙う、アイアンではグリーンの一番大きいエリアを狙う、というように考えを変えることは、練習場へ行かなくてもできることだ。

これが、「いいスコアで回りたければ、確率の高い方法を採るべきだ」と銀次郎さんが繰り返し言っていることなのである。

ハンディ18の人ならば、「ボギーが楽に取れて、あわよくばパーも狙える」というショットを狙うのではなく、ボギーが取れる確率が高くなるショットを選択し、悪くともダブルボギーで済み、大たたきはしない方法を採用するべきなのだ。

「練習場へ行く時間も割けない、ラウンドもたまにしか行けない」という大多数の一般ゴルファーがスコアの向上を望むなら、家でもできる素振り練習・チップショットのアプローチ練習・パッティング練習を継続的にすることも効果は高い。

しかし、自分は不精でそれもなかなかできないというのならば、確率第一ですべてのショット・パットをマネジメントするよう、心がけの練習をすればいい

よく当たるクラブを多用することも、確率を高める方法のひとつ。ハンディによってはティーショットでドライバーに固執しないことや、グリーンに届かなくても、あえてアイアンの得意な番手を選択するのも効果が大きい。チョロ・テンプラ・ザックリなどで、思った飛距離の30%以下しか進めないよりも、70~80%前進できたほうがスコアを確保できる可能性が高いからだ。

それで、ハンディどおりのスコアが出せるようになったら、使うクラブを考え直す。

こういう考え方でスコアアップを目指すことができる人は、実際にスコアアップを実現し進歩することができる。それが、ゴルフという厄介で知的なゲームだと私は思っている。

今回のまとめ

1. アベレージゴルファーがショットの精度を高めてスコアアップするには、相当な練習量が必要だ

2. 練習場へ行く時間が割けない人は、家でできる素振り・チップ・パットなどの練習を継続的にすることが成果につながる

3. 練習場での練習も、家での練習もできないならば、すべてのショット・パットにおいて確率第一でクラブ選択とコースマネジメントを考える

 

参考資料:中部銀次郎『悠々として急げ』ちくま文庫、2013年

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ゴルフは名言でうまくなる

スコアアップへの近道は、名ゴルファーの金言に学ぶ。シングルハンディの現役サラリーマンが解説する、知的シングルゴルファーになるためのヒント。

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岡上貞夫

1954年生まれ。慶應義塾大学で体育会ゴルフ部へ入部、本格的にゴルフを始める。卒業後はサラリーマンとして月イチゴルファーとなるも、名言から得られる閃きを生かしシングルハンディを維持。そんな経験やヒントを伝えることで、多くのゴルフ仲間に恵まれた。 現在も定年後再雇用のフルタイムサラリーマンながら、鎌ヶ谷CCにてハンディキャップ7。若い人たちにゴルフのさまざまな魅力を伝えていきたいとの思いで、ゴルフ仲間の輪を拡大中。今回が初連載。

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