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売れる仕組みをどう作るか

2018.04.07 公開 ツイート

現場の「コレやりたい!」が「売上」につながる超高速トライ&エラーのすすめ 永井孝尚

Rawpixel/iStock

「現状維持は破滅」「事実は神」「失敗は学びという財産」……衰退パターンに陥った人や組織を、成長パターンに変えるには? 4月5日(木)発売『売れる仕組みをどう作るか トルネード式仮説検証』(永井孝尚著)から、そのエッセンスを抜粋してお届けします。

もっとワガママかつ合理的に仕事をすれば、売上はついてくる

 たった20年間で、日本経済は1/3に縮小してしまった。

 日本のビジネスパーソンは、誰もが真面目で誠実。日々忙しく仕事しているのに、日本経済は低迷している。最近は現場でムリを重ねた結果、次々と不祥事も出てくる始末だ。

 仕事の現場でも、「なかなか売れない」「行き詰まっている」「失敗が許されない」「閉塞感がある」「仕事が辛(つら)い」と苦しむビジネスパーソンも多い。

 なぜこうなってしまうのか?

 それは日本の多くの組織が「衰退パターン」に陥り、判断停止しているからだ。

 正論が通らない、危機意識なき仲良し組織になっている。そして成果が挙がらないことを一生懸命やっている。

 一方で海外や日本には「成長パターン」で元気な組織も少なくない。

 彼らは常に危機感を持ち、「解決すべき問題」が明確だ。そして合理的に考え、最短距離で問題解決を図っている。個人の想(おも)いも大切にし、そこで働く人たちもやりがいを持って仕事をしている。

トルネード(竜巻)のように上昇できる考え方と仕組みを、第一線のコンサルタントが伝授。

 本書の提案は、「『衰退パターン』から『成長パターン』に変わろう」ということだ。

 海外から学ぶ一方、すべてを海外流にするのではなく、日本ならではの良さも活(い)かす。

 そのきっかけは、身近にある。

 一人一人の行動。まずは「あなた自身」だ。

 他人を変えるのは難しい。組織だとなおさらだ。

 しかしあなた自身の行動は、あなたの考え次第で変えられる。

 まずあなた自身の行動を変えることが、結果的にあなたの組織を変えることにつながる。

 そこで私が提案したいのが「トルネード式 仮説検証」だ。私が自分の経験やお客様企業との協業を通じて得た学びや経験をもとにまとめた、新商品の立ち上げなどの新しいことに挑戦することで「成長パターン」を実現するための方法論だ。

 想定読者は、「仕事でもっと成果を出したい」と考える人たちだ。主に30~40代のチームリーダーやマネージャーだが、20代の若手やシニアで「もっと成果を挙げたい」という人も対象だ。

 単なる「仮説検証」ではない。あなた自身が心の底に持つ「コレやりたい!」という想いを原動力に、極力ムダなことはせず、ムリなガマンもせず、スピーディに「あるべき姿」を実現していく考え方だ。

 しかし「仮説検証」というと、「なんだ。よく聞くあのPDCAか……」と思われることが多いかもしれない(PDCAとはPlan〔計画〕、Do〔実行〕、Check〔確認〕、Action〔改善〕の頭文字を取ったものだ)。

 PDCAの問題は、ともすると、何を目指すのかというヴィジョン=「あるべき姿」がないまま、ひたすら愚直に改善に邁進(まいしん)してしまうことにある。日本人は、改善努力を積み重ねることを重視する。その努力自体は尊い。しかし「頑張って徹底的に改善努力をしました。でも売れませんでした」では残念だ。そんな組織は「衰退パターン」に陥っていることも多い。

「トルネード式仮説検証」は「そもそも何を目指すのか?」という方向性を決めた上で、PDCAを大幅に簡略化し、さらにビジネスの現場で実践できる具体的な方法論として体系化したものだ。その出発点は、個々のビジネスパーソンだ。

 ビジネスパーソン一人一人が「コレやりたい!」という強い想いを持って仕事に取り組み、日々の仕事で仮説検証を正しく実行すれば、組織は「成長パターン」になる。正しく勉強すれば、結果としてテストで良い点が取れるのと同じように、「成長パターン」になれば、結果として売上が上がる。

 逆にただ手段を選ばずに売上だけを追いかけると、勉強せずにテストで良い点を取ろうとするのと同じで、必ず行き詰まる。中にはカンニングする者が出るように、不祥事に手を染める会社も出てくる。そんな仕事にやりがいを感じる人はいないだろう。

「あるべき姿」を追い求め、仮説検証を正しく実行することで、仕事を「成長パターン」に変えよう。そうやって取り組む仕事は、結果的に売上も上がり、かつ、面白くやりがいがあるものになる。

 この「トルネード式仮説検証」の本質は、「失敗からの学び」だ。

「コレやりたい!」という新しいことに挑戦し、失敗から学び続ければ、成長していく。

「トルネード式仮説検証」に取り組むと、「失敗の考え方が変わった」という人が多い。

「以前は仕事を辛く感じていましたし、失敗すると『ヤバい』と思っていました。今は失敗しても、『よし。成功までのステップの一つだ』と考えが前向きになりました。仕事もどんどん面白くなってきました」

 私の周りでは、このように変わっていく人が増え続けている。

 多くの日本人は、個人がやりたいと思うことを抑えて、組織の論理に真面目に従っている。しかし世の中の変化が激しくなった今、これでは衰退が加速する一方だ。

 もっと自分本位に、ワガママで合理的に仕事に取り組むことが求められる時代になった。

 そしてムダなことをせずにスピーディに「コレやりたい!」を実現すべきだ。

 その方法が「トルネード式仮説検証」なのだ。

 もっとワガママかつ合理的に仕事をすれば、必ず日本の組織は良くなる。

 

 本書は4章構成になっている。

 第1章はトルネード式仮説検証の背景。「今すぐトルネード式仮説検証の方法を知りたい」という人は、第1章は飛ばしても構わない。

 第2章が本書のエッセンス。トルネード式仮説検証の具体的な進め方だ。

 第3章は成長企業3社へのインタビュー。まったく異なる3社がいずれも個人の想いと現場を重視し、常に事実に基づき、仮説検証で学び続けていることがわかるはずだ。

 第4章は問題と対応策。職場でトルネード式仮説検証を行おうとすると様々な壁に直面するが、それらは克服可能だ。現実に即して説明する。

 では第1章「衰退する組織、成長する組織」からはじめよう。

 

※次回は「トルネード式 仮説検証」のエッセンスをご紹介します。

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永井孝尚 マーケティング戦略コンサルタント

慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャー、人材育成責任者として同社ソフトウェア事業の成長を支える。2013年に退社しウォンツアンドバリュー株式会社を設立。毎年2000人以上に講演や研修を提供しマーケティング戦略の面白さを伝え続けている。2021年からは完全オンラインの「永井経営塾」を主宰。
多摩大学大学院MBA修了。多摩大学大学院客員教授を担当。
著書はシリーズ60万部の『100円のコーラを1000円で売る方法』、10万部『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』(KADOKAWA)、10万部『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』(ソフトバンク新書)など、累計100万部を超える。最新著は『世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた』(KADOKAWA)

永井孝尚オフィシャル・サイト

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