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2016.11.01

ドラマ「真田丸」をもっと楽しむ解説8

ドラマ・真田丸で戦国マニアを“激アツ!”にした、三谷幸喜さんによる“歴史の脚色”シーンはどこ?

房野 史典〔ブロードキャスト!!〕

ドラマ・真田丸で戦国マニアを“激アツ!”にした、三谷幸喜さんによる“歴史の脚色”シーンはどこ?

ああ! もう! ドラマはクライマックスに向って一直線です。
今回の放送も、心を揺さぶられるシーンがたくさんありました。
史実に残っていることを三谷幸喜さんが見事に解釈して、たいへんドラマチックなシーンになっている!と感激しまくる房野さん。ふつうに観ている人も感動していますが、どうやら、史実について詳しい戦国マニアには、特別たまらない感慨深さがあるようです。
いったい、どこの、どのシーンが、「思いつかないぞ!こんな脚本! この盛り上げ方!!」だったのでしょうか!? これを聞いたら、ドラマが2倍おもしろくなりますよ!

*   *   *

幻冬舎plusをご覧のみなさん、こんにちは。
こちらで「東大生も唸った! 超現代語訳・戦国時代」という連載をさせていただいている、房野史典と申します。

さて、さっそくですが、ここからは、NHKの人気絶頂の大河ドラマ「真田丸」のお話です。
最新回のタイトルは「軍議」でした。
”軍議”というのは、その名の通り、軍事に関する会議です。軍議で決定した方針で、その後の戦いを進めていくという、アレです。
今は、豊臣をぶっ潰しに、徳川軍が攻めてきている状況です(いろんな経緯があってこうなったんですが、それは前回までの記事を、是非ご覧ください。こちらをクリック)。
迎え撃つ側として、まず決めなければならないのが、”籠城(お城にたてこもって戦う)”か、”野戦(外に出て戦う)”かということです。
ドラマでも、散々「籠城だ!」という主張が飛び交いましたが、籠城するには、敵の数があまりに多い。一般的にそういう場合(この時は、豊臣およそ10万に対して、徳川およそ20万です)には、籠城するのが定石とされていました。相手からしてみれば、いくら大人数で攻めても、お城にこもって防御態勢をとられれば、攻め落とすのが困難になるからです(豊臣秀吉や、その部下の黒田官兵衛は、城攻めの名手といわれていました。それは、単なる正面突破ではなく、いろいろな奇策を使ったからですが……。詳しくは、この記事の「黒田官兵衛」シリーズをご覧ください!)。
しかも、豊臣軍がたてこもろうとしているのは、豊臣秀吉が、当時の最先端の技術を駆使して造り上げた、超テッペキのお城、大坂城(当時は”坂”だよ)。これらの条件から見ても、“籠城”という作戦をとるのが普通だったのです。
しかし、みんなの意見が籠城でまとまりかけたその時、待ったをかける人物がいました。このドラマの主人公・真田幸村(堺雅人さん)です。

真田幸村「ここは、撃って出るべきでしょう」

なんと、幸村だけが、野戦を主張します。
京都を含めた近畿地方全域を戦場とすることで、徳川の兵力を分断して、その力を削いでしまおうという作戦を主張したのでした。勝つために。
籠城というのは、言わば”負けないための戦い”です。ものによっては何年も続く場合があります。
ずっと耐えていれば、いずれ敵の兵糧(戦いのときの食料)がなくなって、退散してくれる。ずっと待っていれば、援軍が来てくれる(この戦いにおいては、援軍は来ません。なにせ豊臣軍以外、日本中が敵ですから)。ずっと辛抱していれば、年老いた家康が死んでくれる。相手の攻撃を受け止めて、それが過ぎて行ったとき、初めて自分たちの勝利となります。
それに対して、幸村の作戦は、まさに”勝つための戦い”でした。外に出て徳川軍と戦い、徳川家康(内野聖陽さん)の首を取るという、相手を倒してこその勝利だったのです。
徳川には勝ちたいのは、みんな一緒。でも、攻めて来た徳川軍が根負けするのを待つ籠城派と、家康の首を取って徳川を倒そうとする幸村では、目指す”勝利”が違ったのです。

通説(世間で言われている説って感じ)では、この軍議で、《牢人衆》vs《豊臣家臣団》の対立構造になったと言われています(”牢人”ていうのは、主人や、土地を失った武将のことです。ここでは、幸村や後藤又兵衛〈哀川翔さん〉、毛利勝永〈岡本健一さん〉なんかがそう)。
幸村の外に撃って出ようという意見に、又兵衛も勝永も賛同して、それぞれ自分なりの作戦を述べています(ここの流れも書籍『超現代語訳 戦国時代』にはわかりやすく書いておりますので、是非!)。
しかし、「真田丸」のドラマでは、《幸村》vs《牢人衆&豊臣家臣団》になっていました。籠城に反対したのは、幸村ただ一人だけ。誰も彼の意見に賛同しません。

ここからが、三谷さんが用意してくれたワクワク部分でした。
幸村の作戦に一人ずつ賛同して、仲間が増えていくという展開は、サクセスストーリーそのもの。
近畿地方を舞台に、“対徳川”の大作戦を説明する幸村。
後藤又兵衛を筆頭に、「話が大き過ぎてついていけない」と、みんなが目を白黒させ、やはり籠城だな!という空気が流れる中、場を切り裂く「待った!」の声がかかります。

毛利勝永「オレは、左衛門佐(幸村)の策に乗る。話が大き過ぎて、オレはそこが…気に入った!」

毛利勝永だけが賛成の意を示したのでした。
己の力を試すためにここへやって来たという勝永は、幸村の作戦に同意したことを引き換えに、自分に家康の首を取らせてくれと頼みます(このあとの戦いで、勝永は本当に大活躍します)。
一方、大野治長(今井朋彦さん)から、「幸村の作戦に乗らなければ願いを叶えてやる」と吹き込まれていた、明石全登(小林顕作さん)と、長宗我部盛親(阿南健治さん)でしたが、
「大事なのは、豊臣が負けてしまえば、あなた方の望みは潰えるということ」
と幸村に説得され、撃って出ることに賛同します。
幸村の”撃って出よう"プレゼンテーションは止まりません。
「定石通りに考えていては、戦は勝てませぬぞ」
というセリフに、ついには豊臣家家臣の木村重成(白石隼也さん)も「今の言葉、腑に落ちました」と、味方につきます。

そして、後藤又兵衛。
黒田家を出た後、どこにも雇ってもらえなかった又兵衛の願いは、大坂城を死に場所にすること。武士らしく生きることができなくなった又兵衛は、負けることが確定している今回の戦いで、せめて武士らしく死ぬことが望みだったのです(この辺の説明は、是非前回の記事をご覧ください)。
そんな又兵衛に向かって、幸村は言います。

幸村「我らは別々の思いを持って、ここに集まって来ました。しかし、一つだけ通じ合ってることがあります。それぞれ望みを持っている。生きる望みを……。
我らは強い。(豊臣秀頼〈中川大志さん〉に向かって)私は本当に負ける気がしないのです。(再び又兵衛に向かって)我らは決して負けない。ここに死に場所はない。死にたいのなら、徳川につくべきだ

もう少しで、倍返しだ!と言わんばかりの口上に、又兵衛も説得され、籠城の意見を取り下げます。
これによって、撃って出る方向に意見がまとまり、みんなの和が完成した……と思いきや、織田有楽斎(井上順さん)から、場の空気を全部ぶち壊しにかかる発言が飛び出したのでした。

織田有楽斎「初めから申し上げておる。籠城以外には……ない。おぬしらは、所詮金で雇われた、牢人たちや。身の程をわきまえよ……」

今までの苦労が水の泡。どんなに大勢の意見が揃っても、上が出す決定に泣き寝入りするしかない状況。いつの時代も、こんな歯がゆいことがあったんだと思わせられる場面でした。
実は、このあとのシーンが僕的に今回一番グッときたのですが、織田有楽斎の言葉に、まさかの豊臣家家臣筆頭の大野治長が、異を唱えたんです。
史実では、籠城策を強固に打ち出して、幸村たち牢人衆の考えを一蹴した急先鋒が、大野治長と言われています。
そんな治長が、ドラマ「真田丸」では、こんなことを言い出すんです。

大野治長「有楽様……今の言葉は聞き捨てなりません……。ここにいるのは、豊臣を守るために集った者たちでございます。我らにとってはあくまでも客人。非礼は許されません」
織田有楽斎「誰に向かって言うておる!」
大野治長「決めるのは、右大臣・秀頼公でございます!! あなたではござらん……」

どんどん仲間が増えていくという過程が描かれてる時点でゾクゾクするのに、一番考えが対立すると思われていた人物がまさかの味方になり、理不尽な意見を葬り去ってくれる。ドマラでも、アニメでも、漫画でも、ゲームでも、最高に高揚する瞬間の一つです。完全に胸アツ!でした。よくよく考えれば、豊臣家を守るというゴールは同じなのですから、最善の策を取りたいという気持ちは一緒なんですよね。
こうして、軍議は撃って出るという作戦に決定し、幕を閉じたのでした(という流れのおさらいに、是非『超現代語訳 戦国時代』を!こちらをクリック!)。

ただ、ここでうまくいかないのが物語というものです。
もっと言えば、うまくいかないのが、史実、人生。
最高決定権を持った秀頼の母、淀殿(竹内結子さん)の一言で全てがひっくり返ります。

淀殿「なりませぬ」

牢人を信用しておらず、秀頼を危険な目に遭わせたくない淀殿は、“籠城”の命令を下したのです。このときの豊臣家内で、淀殿の発言は絶対だったそうです。秀頼も、治長も、従うほかありません。
豊臣家を負ける方向に持って行った原因の一つに、淀殿の独裁があったと言われていますが、ドラマでも描かれているように、彼女の“秀頼への愛情”“秀頼への執着”がもたらした結果なのかもしれません(余談ですが、淀殿は大野治長と不倫していて、その間にできた子供が、秀頼だったなんて説もあります。もし事実なら、淀殿の秀頼への愛を理解して、すべて言うことを聞いていたのも頷けます)。

こうして、のちに「大坂冬の陣」と呼ばれる戦いは、籠城戦となったのでした。
幸村を始めとする、牢人衆の積極策を採用していたら、大坂冬の陣はどうなっていたんでしょう……(とはいえ、「徳川と戦っているうちに、だんだん他の大名が味方についてくれる」というその作戦は、やはり無理があるという意見も未だ多いです)。

幸村「そうと決まったからには、すぐに次の策を考えましょう

幸村のこの最後のセリフは、いよいよドラマのタイトル「真田丸」に深く関わってくるものとなります。
次回も目が離せません!
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ということで、あらためまして、
この連載が、『笑って泣いてドラマチックに学ぶ  超現代語訳 戦国時代』という書籍になったので、その宣伝です。
宣伝と聞いて、眉間にしわを寄せるお気持ちもよくわかります。僕が逆の立場なら、「そんなものに付き合ってるヒマはない」と一蹴するところです。ですが、ただの宣伝とは訳が違うんです。「本を出したから買ってくださいね!」みたいにライトなものとは一線を画しています。気持ちでいうなら……

「まずは、この記事をご覧いただき、心より感謝申し上げます。駄文が続く記事のため、どこまでお付き合いいただけるかはわかりませんが、今のこの一瞬の一文字一文字を、お読みいただけることに深い喜びを感じております。さらに厚かましいお願いになることは重々承知の上で、みなさまに申し上げたいことがございます。ここから頻出する「下線のついたところ」をクリックして、一度開いてみては頂けないでしょうか? そうすると、『超現代語訳 戦国時代』(ほら! さっそくここをクリック!)をご購入いただけるシステムが整ったサイトが浮かび上がってまいります。まずは、そこを覗いていただくだけで構いません。そして、お時間があれば、そこに書かれているレビューなるものをご覧いただきたいのです。誠にありがたいことに、すでに拙著をご覧いただいたみなさまのご感想が載っております。全部を、とは申しません。お時間の許す限り、ご一読ください。そちらが、あなた様の指針になることを期待いたしております」

こんな感じです。ライトじゃないんです。きっちりヘビーなんです。「これ、宣伝っていうよりさぁ…」って思われた方、その通りです。ジャンルで言えば、”懇願”です。

ですから、宣伝というものを嫌う方、安心してください。これは単なる”懇願”なので。
レビューを見てくださいなどと、若干ステマの要素も入っていますが、今話題にした以上、ステルスでもありません。
小細工なしの、一球入魂、予告ストレートです。
では、僕なりの宣伝をしたいと思います。思いの丈を述べた後、最終的に申し上げたいことは……

頼むから買ってください。

これに尽きます。ここまで有り体に言うと、自分でも清々しいです。何だかとてもスッキリしました。
冗談半分でお願いしてきましたが、ほんとに、レビューだけでもご覧ください。大変ありがたいことに、たくさんの方が素敵な文章を書いてくださってるので。

是非よろしくお願いします!

 

 

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房野史典著

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