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2015.07.21

第3回 結婚は愛情とは関係ない金銭取引の契約である

藤沢 数希/はあちゅう(伊藤 春香)

第3回 結婚は愛情とは関係ない金銭取引の契約である

「藤沢さんには“情”が感じられない」「藤沢さんは恋人の一番になりたいと思わないのか」と詰め寄るはあちゅうさん。そこから次第にお互いの結婚観の違いが明らかになります。前回の対談でもお二人がどうしても歩み寄れなかったのがこの結婚観でした。ここに現代の恋愛の不合理があるのかもしれません。『ぼくは愛を証明しようと思う。』発売記念対談、白熱の最終回をお楽しみください。
(構成:福田フクスケ)

前回までの記事:
第1回 男は大勢にアプローチしないとたった一人とも付き合えない
第2回 女性はなんだかんだ言っても「モテる男」が好き


結婚はお金の契約であって
愛の独占契約ではない?

はあちゅう 相手にとっての一番になりたいと思うのが恋愛だと、私は思うんです。たとえば、藤沢さんが誰かと付き合っていて、「私、あと2人と付き合っているから、あなたは3番目ね」と言われたら、やっぱり納得できないんじゃないですか?

藤沢 いや~、「3番目の彼」って、最高じゃないですか。恋愛の美味しい部分だけエンジョイできるわけですよね(笑)。

愛の意味、結婚の意味を藤沢さんに問いつめるはあちゅうさんですが……

はあちゅう それは相手に責任を持たなくていいからってことでしょう?

藤沢 それはじつは、とても面白くて、僕は、学生の頃は、お金もないし責任も取れないから、女の人が他に男がいても、自分は浮気相手くらいのポジションのほうがよかった。責任もなく、セックスだけエンジョイできるじゃないですか。でも、社会的地位が上がってお金も持つようになると、何かあったときに責任が降り掛かってくるリスクが一気に高くなるんですよね。そうすると、他にも男がいるような女性とは付き合いたくなくなってきたんです。だんだんと一途な女性のほうが好きになって来ちゃったんですよね。僕は……。

はあちゅう お互いに一番好きだから、その人だけを愛して、その人に責任を持ちたいっていう感情が「愛」でしょう? その責任を引き受けたいと思ったときに、人は結婚するんじゃないでしょうか。

藤沢 え? でも結婚って、法律上いろんな条件に応じて金銭の支払い義務が生じるだけのお金の契約であって、あとは何も変わらないじゃないですか。

はあちゅう いや、結婚って、表向きは「この人しか愛さない」という占有契約でしょう? 「この人としかセックスしません」という独占権みたいなものですよね。

藤沢 え、本当ですか? そんなの初めて聞きましたよ! 女性は、結婚したら相手は自分のことしか愛さないと思っているんですか?

はあちゅう 少なくとも、建前ではみんなそういう前提で結婚しますよ。

藤沢 結婚自体に浮気の抑止力なんてないですよ。日本の浮気の慰謝料はせいぜい100万円ぐらいと相場が決まっていて、お金持ちにとっては大したことないんです。

はあちゅう 金銭的にはそうかもしれないけど、気持ちの問題はどうなるんですか。

藤沢 それは結婚していても、していなくても同じでしょう。

はあちゅう じゃあ、みんなどうして結婚するんですか?

藤沢 それは、若気の至りじゃないですかね。子供ができたって言われて、「子供ができたら結婚するものか」と思って、軽い気持ちで結婚するんじゃないですか、みんな。

はあちゅう そう思ってるのは藤沢さんや周りの人だけですよ!(笑) 若気の至りだとしても、一生一緒にいたいという気持ちが一瞬でも芽生えるから、その約束をするのが結婚だと思います。

藤沢 そんな話、聞いたことないですよ。

はあちゅう 周りにいる人が特殊すぎるんですよ。もっと普通の女の人を集めて、「結婚ってなんだと思う?」って聞いたほうがいいと思いますよ(笑)。


お金持ちは結婚するな!?
すれ違う2人の結婚観

藤沢 だって、女性が結婚したいのは、将来の生活が安定するからでしょ?

はあちゅう 経済的に男性に依存したい女性ももちろんいますが、今は女性も稼げるようになってきています。ただ「生活が安定する」というだけの理由で結婚はしません。

藤沢 だったら、女性も自分より収入の低い人とどんどん結婚すればいいじゃないですか。本当に結婚が愛だって言うならね。結婚はほとんどお金の問題であって、愛とは関係ないですよ。

はあちゅう でも、私の場合で言えば、自分より収入の低い人とお付き合いすることのほうが多いですよ。そもそも一社目の電通に入社した時点で、半径5メートルを一歩出た場所に行くと、収入で選んでいたら付き合えない人のほうが多い気がします。だから、相手の収入はそこまで重要視していません。実際、車の工場で働いている人とか、引越し屋のお兄ちゃんとか、こういうと読者の反感買うかもしれないけど「たぶん私、彼氏の2倍くらい稼いでるだろうなー…」って思う人とお付き合いしていた期間のほうが、自分よりお金持ちと付き合っていた期間より長いです。お金はあまり見てないです。

藤沢 だったら、はあちゅうは結婚しないほうがいいですよ。自分より稼いでいる人と結婚できるならしたほうがいいけど、そうじゃないなら、未婚のまま子供を作って家族になったほうが絶対に得ですよ。

はあちゅう どうしてですか?

藤沢 だって、もし、はあちゅうが自分より年収の低い男と結婚して、相手が他の女の家に転がり込んでしまっても、ついでに、家庭裁判所にまで転がり込まれると、離婚が成立するまで、相手に婚姻費用をずっと払い続けなきゃいけないんですよ。払わないと、貯金も給料も差し押さえられちゃいますよ。

はあちゅう それが嫌だから、藤沢さんは結婚したくないんですか?

藤沢 それだけではありませんが、別に結婚しなくても子供は作れるし、家族にもなれるんだから、あえて結婚制度を使う必要はないんですよね。結婚って、事業をするときに、個人事業主でやるのか株式会社にするのかみたいな、家族を作るときに利用できる便利なツールのひとつなんですよ。僕は、いまの結婚制度は、破綻処理の仕方に問題があると思っているんです。ダルビッシュの元妻が、生活費を月に1000万円請求していた、というのが昔、話題になりましたが、法的には、ダルビッシュの年収を考えたら、それでも慎ましいぐらいなんですよ。でも、常識で考えて、生活費が月に1000万円って、おかしいじゃないですか。

はあちゅう 破綻しないように愛を維持しようと努力することに、結婚の意味があるんじゃないですか?

藤沢 揉めてないときはいいけど、お金が懸かっていると、揉めたら法廷闘争になる。だったら、最初から結婚せずに、事実婚でいいじゃないですか。別に、結婚しなくても、家族は持てるし、当たり前だけど、子供に対する扶養義務なんかはいっしょなわけですからね。事実婚では、破綻処理のやり方がちょっと違うだけ。

はあちゅう 最高の状態を夢見て、幸せを目指して結婚したがっているのが私で、常に最悪の状態を想定して、リスクヘッジのために結婚したくないのが藤沢さん。ここは何回話し合っても、絶対に噛み合いそうにないですね(笑)。

藤沢 想定とかじゃなくて、ある程度以上稼いでいる男の場合は、それが現実に起きていることですよ。逆に、稼いでいない男の場合は、夫が暴力ふるっても、浮気しまくっても、奥さんが子供つれて逃げて、弁護士と一緒に「何もいりませんから、どうか離婚してください」って頭下げに行くんですよ(笑)。だから、男の人は自分が稼いでいなかったら、女の人は結婚が大好きなんで、夢を叶えてあげるためにも、リスクはないし、むしろお金がもらえちゃうかもしれないので、どんどん結婚したほうがいいと思います(笑)。
 結婚したがるのは、結婚することでお金を受け取れる側の人だけです。はあちゅうみたいに自分で稼いでいる人が、どうしてそこまで結婚したいのかわからない。

はあちゅう 彼に、世間に向けて、「俺はこいつを選びました」と宣言してほしいって気持ちがあるんですよね。それに、周りの人から夫婦だと認めてもらうことによって、「この人を愛し続けよう」という決意も強まる気がするし。個人プレーからチームプレーになることで、一体感も生まれる気がします。

藤沢 そんなふうに世間体を気にしているうちは、人は幸せになれないですよ。

はあちゅう そりゃあ、世間体を気にせず堂々と生きられたらいいんでしょうけど、多くの人は藤沢さんほど強くないんですよ。うーん、私が結婚していたら、もっといろいろ藤沢さんに反論できると思うのになあ、悔しい(笑)。藤沢さんは、愛を信じていないんじゃないかなあ……。だからこそ、愛を考えずにはいられなくなる貴重な恋愛小説ですよ、これは(笑)。
(了)
 

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