「一年3セットの服で生きる」スタイリスト、あきやあさみさんの2冊目の本『「一セットの服」で自分を好きになる』が発売になりました。あきやさんが提案する服選びの方法の特徴は、言葉と想像力。それが本づくりにどう反映されたかを担当編集者が綴ります。
まずは現実から離れる服選び
『「一セットの服」で自分を好きになる』の帯には、「服は、なりたい自分」とまず大きく書いてあります。最初の章も「服は、なりたい自分」。そう、あきやさんは、「なりたい自分」を軸にして服を選ぶことを提案しています。
「なりたい自分」は、人それぞれ。だから、どんな服がいいかもそれぞれ。
この「人それぞれ」を本で表現することは難しい。これとこれを着ておけば間違いないですよ! と言えればどんなにいいでしょう。
でも、前回も書きましたが、
「『ファッション』は実はなかなか複雑な表現方法です。自分の外見のこと、内面のこと、生まれながらの境遇や、そのとき置かれてる状況、日々の暮らしのこと、さまざまな条件が折り重なって作られています」(182p)
なわけです。
しかも、「なりたい自分」を、すぐに具体的にイメージできる人もそんなに多くないはず。
そこであきやさんは、自分を縛る思い込みを壊して、まずは想像の翼を広げましょうというところから話を始めます。
「美術館に行くような気持ちでファッションを見てみよう」(29p)
現実的な枠組みのなかで服のことを考えると、環境や体型や予算やいろんな制約が頭に浮かんでしまいます。そこで、一度それをなくし、直感で心惹かれる服をまっすぐ見てみる。そうすると、今まで自分でも気づかなかった感覚が立ち上がってくる、と。
「一度大きく視野を広げてみると、これから服を選ぶときの視点が変わってくるはずです。」(29p)
「培った想像力は確かな土台となり、あなたのリアルクローズを支えてくれます。」(31p)
今回の本は、解説や見本のイラストをいれませんでした。冒頭のあきやさんの私物を紹介する写真をいれた8ページのみです。
今の実用書のトレンドは、ビジュアルの多さと見た目のわかりやすさです。それは理解しつつも、あきやさんの文章を味わい、咀嚼し、イメージを広げてほしいと思い、文字だけにしようと決めました。
「私は毎日、同じ服を着続けているのですが、これが不思議と飽きないもの。…それは想像力から生まれる「憧れ」の言葉を、実際に着る服に反映し、身に纏っているからです。」(31p)
こんなふうに書かれているのですから。
(担当編集:竹村優子)
あきやあさみ「“なりたい自分”を知って“心満たす服”を手に入れる」講座開催【5/18、7/6、9/7 会場&オンライン】
各回の開催日、テーマ、申し込み方法は幻冬舎大学のページをご覧ください。
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