
この世を去った作家の展覧会では愛用していた道具も一緒に展示されることがあります。そういう展示のなかでぼくが一番興味を惹かれるのは自分で修理したと思われる道具です。修理の跡からは作家が過ごしていた日常の生々しい空気を感じられるからです。壊れても買い替えずに修理して使っていたということはよほど気に入っていたのか、それとも何か別の理由からなのかと考察するのもまた一興です。さて、ぼくの仕事用の椅子は購入してかれこれ10年くらい経ちますがまだまだしっかり使えてます。ただ肘掛けのウレタン部分が両側とも1箇所ずつ割れてしまって、右側はボンド、左側はガムテープで応急修理してある状態です。はっきり言ってみすぼらしい見た目になってますが、まだ買い替えるのはもったいないんですよね。そこで、もしもこの椅子が有名な作家が愛用したものとして展示されていたらどうだろうと想像してみました。おそらくぼくはかなり好感を持って肘掛けを眺めると思うんですよね。まぁ、おこがましい想像ではありますが、おかげでこの椅子がちょっと愛おしくなりました <´ `
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