
『進藤の父である松原哲の死……。火事による無理心中を図った理由とは』
こちらの件を皆さんは覚えているだろうか?
2話以降から進藤父の回想シーンすら流れていなかった。
それが7話ラストで進藤の元妻の登場と共に大きく動き出した……。
これは、この物語が最終章に突入したことを意味する。
さあ連続ドラマの一番美味しい部分「最後に残していた苺」を堪能していこう。
進藤と崎久保華……。それぞれの正義がぶつかった激動の臓器移植問題
進藤が抱える過去を考察する前に、まずは臓器移植問題の解決編の話をしたい。
今回の進藤は特に強キャラっぷりを披露していた。
先週に引き続き、移植手術が必要な藤井親子の話が繰り広げられた7話。
進藤は、ユキノちゃんの育ての母である藤井真弓(中村アン)や、2人への密着取材を続けていた崎久保華が劇中でこれまで全く言及していなかった ユキノちゃんの実の母親をなんと“アメリカから探し出し”、日本に連れて来たのだ。
彼の情報網はアメリカ全土まで広がる。
この現実離れしたとも言える進藤の問題解決能力だが、彼のこれまでの実績が「進藤ならあり得るか」と思わせてくれる。
さらに阿部寛氏の説得力のある演技(特に目力)が合わさることで「進藤ならそうしてくれると信じていた」という安心感に繋がっているのだと私は考える。
そして今回印象に残ったセリフは
『脅しに屈して娘の命を守るあなた(進藤)と娘のために違法な手術を受けさせようとする母親は同じです』
これは崎久保華が進藤に言い放った言葉だ。
果たして本当に同じなのか?命を守ることを最優先にしてる点では両者同じではある。
しかし外部からの脅迫により選択の自由を奪われた状態で「命を守る選択」をした進藤と、合法的な医療では救えない娘の命のために「法を破る判断」をした崎久保母。
前者は脅しという外的圧力による受動的な判断で、後者は内的動機による能動的な判断。
このような違いがあると私は考える。
ただ、どちらも間違っているとは思えないのも確かだ。
「極限の選択を迫られた時に、何を優先し、何を犠牲にするのか」
この問いの答えはないかもしれない。だからこそ考えることをやめてはいけないのだ。
進藤父の無理心中のワケ……。妻の殺傷事件……。進藤の過去は謎だらけ
「進藤の妻を刺した犯人は左利きである」
考察好きなら、よだれが出るワードが7話で唐突に出てきた。
そしてその犯人は劇中で疑われた崎久保華の父ではないと断言できる。
進藤の元妻の「あなたの過去に私達を巻き込まないで」の言葉から、これまでも進藤の過去に巻き込まれた経験があると推察することができる。
よって妻を刺した左利きの人物も進藤の過去に関わる人物の可能性が高いだろう。
この考察法は国語の授業に近いものを感じる。
人物の心情を読み解いたり、言葉が物事の何を指すのか考えたりと、考察は国語の読解問題の側面も持っているのだ。その側面に伏線(ヒント描写)の解説を加えられると考察に深みと説得力が増すのだがこのドラマは、伏線をばら撒かないスタイルを貫いている。
このドラマの唯一と言っていい伏線は「自衛隊輸送機墜落事故の新聞記事」だ。
この伏線が進藤父の死に直結していることは間違いないだろう。
そして進藤の父の死に関わるのは国定会長(高橋英樹)だろう。
『何者かに「片付けはきっちり頼むよ」と指示➡︎重要人物(深沢)の服毒自殺が発生』
これまでも怪しかった国定が明らかな犯人ムーブをかましてくれたのだ。
彼が自衛隊輸送機墜落事故の隠蔽、そして進藤父の死に関わっていることは周知の事実と言えるだろう。
是非とも詳細の考察が知りたい方は我々の2話考察動画で確認いただきたい。
2話時点から増えた重要情報は「国定は有名な記者だった」という点だろう。
進藤父も新聞記者であったため、より国定会長との接点や因縁があることが確実視される。
最終章開幕の8話では原子力関連施設がある村で火事が発生すると共に進藤の過去も明らかになっていく。
実は散りばめられていた伏線回収にも淡い期待をしつつ、進藤そしてニュースゲートが迫る真実から目を背けずにしっかりと目に焼き付けましょう。
我々は考えることをやめてはいけないのだから。
キュンキュン恋愛ストーリーかと思っていたスピンオフが考察ものに!?
では極上の癒しタイムといこうじゃないか。
ん? 週刊誌へのリーク? 内部情報の告発? 私がスパイなんです!?
本編以上に物騒な言葉たちが次々と……。
恋するキャスターなんだから、仕事せずに恋してて! 告発なんかせずに告白してよ!
おっと失礼。(アラサーが声を荒げたようだ)
恋するキャスターが、ここにきて、不穏な展開に突入したのだ。
脳をフル回転させたキャスターの疲れを、恋するキャスターで癒したいのにこちらもしっかり暗雲が立ち込める展開ってあんまりじゃないか……。
と視聴当初は思っていたのだが、終わってみると“本橋のキュルキュルお目目の悲しみフェイス、ご馳走様でした”という感想だった。
大型犬のサイズ感でありながら小型犬の愛くるしさを持つ道枝駿佑の魅力を“困り顔”という形でしっかり引き出してくれて、むしろありがとうと言いたい。
私は道枝駿佑自体に癒し効果があることに気づいた。
彼は歩くマイナスイオンなのだ。
ということで不穏な内容であれ、リラックス効果があることが証明された恋するキャスターだが、今後の展開には大注目だ。
戸山の“スパイ”の意味とは一体? そして本橋と戸山の恋の行方は果たして……。
数々のドラマを観てきた私が断言しよう。
『恋愛モノにおいて不穏な後に待っているのはハッピーエンドだけなのだ』
著者:ペチ
ドラマイラスト:サク
考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?
物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。
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