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あぁ、だから一人はいやなんだ。

2018.12.30 更新

第99回 あさこの漢字2018いとうあさこ

今年も暮れましたねぇ。例年通りの大久保さん&愛犬・パコ美と過ごすホームクリスマスを経て、新年6日放送の「イッテQ!」でやるお琴の練習で一足お先のお正月気分を味わいながら、2018年を終えようとしております。そんなわたくしの今年の漢字。「忘」です。単独ライブのタイトルが「忘れな草」だったのでもわかるように、今年は本当にいろんな事を忘れました。ペットボトルの蓋をし忘れたまま鞄に放り込んだ“ビショビショ事件”や、着けていたマスクがないと新しいマスク着けた時にマスクしっぱなしだった事に気づくと言う“口の周りの神経どうなってんだ事件”などなど。恐ろしい“忘れ事件”は数知れず。

中でも一番ショックだったのは「ペヤングソース焼きそば“かやく”入れ忘れ事件」。私カップ焼きそばの中でも一番好きなのがペヤング。今までの人生で何百食と言っても過言ではないほど食してきたわけですよ。作り方にこだわりありまくり。まずかやくを入れ、お湯を注いだら、フタの上にソースを置いてソースも温めておく。そして2分で一度蓋を開け、お箸で麺を全体的に軽くほぐす。再び蓋して30秒後に湯切り。その際、大好きなキャベツが蓋の裏にくっつくので、蓋を開ける前に容器を台に数回打ちつけてキャベツを落とす。蓋を開け、ソースは5分の3で。スパイス投入。青のりは入れない。これは謎の美的センスなのですが、ホントにいくら汚れていようがなんでもいいような私が歯に何かついているのがどうにもダメで。なので入れたら美味しくなるのはわかっていながら、青のりはなし。そしてざっくり混ぜる。このざっくりがポイント。ホントにちょっとでいいのですが、ソースのかかってない“ただの麺”部分を残したいんです。ソースの味ももちろん好きなのですが、あの麺そのものの味も大好きでして。ううう。最高です、ペヤング。

これだけこだわりのあるペヤングの、しかも何度も入れてきたかやくを入れ忘れたのです。私は何故、容器から出したかやくが台の上にある事に気づかなかったのか。一緒にいたソースはちゃんとフタの上に乗っけたのに。途中お箸でほぐす為に蓋開けた時もノー違和感。だからお湯を捨てた時もがむしゃらに容器を何度も台に打ちつけましたよ、キャベツないのに。ワクワク蓋をあけた瞬間、やっと気づくのです。……あれ? ……白い。ああ、一生の不覚。

そんな忘れん坊のわたくしでも忘れてなかった事、ありました。

先日、母方の叔母が亡くなりまして。私の母は五人兄妹。上が男二人で、あと三姉妹。その三姉妹の、というか5人兄妹の末っ子が母。この三姉妹が仲良くて。小さい頃、叔母(長女)のいる栃木県黒羽と叔母(次女)の神奈川県大磯のお家に、ホントによく遊びに行きました。その黒羽の叔母が亡くなったのです。倒れる前日も出かけていた位元気だったようで。急でした。とにかくパワフルで、頭が良くて、綺麗だった叔母。

私は仕事の都合でお通夜のみ、と言うかお通夜が終わる頃、黒羽に到着。皆さん、通夜振る舞いの方へ移動されて、叔母の三人息子(私のいとこ)たちが片付け中でした。一面真っ白いお花で飾られた立派な祭壇と広い会場を見て、叔母の存在の大きさ、凄さを感じながらも、私にいろんな事を教えたり見せたりしてくれながら片側だけちょっと口角があげて笑う優しさ、柔らかさも思い出す。お通夜の前に火葬だったので、最後のお別れが出来なかったのはかなり心残りでしたが「きれいな形になってから皆さんに会いたい」という叔母の考えもまた、叔母らしいと言うか。そして遺影も聞くところによると19年前の写真で。これもまた“故人の希望”だそう。さすが叔母。とてもとても綺麗な写真。

通夜振る舞いの最初の挨拶は三人息子の長男が。「母は旭興と言うお酒が好きで。倒れる前日まで365日毎晩一合だけコップに入れて、電子レンジでチンして呑んでいました」と。献杯。さあ、“大酒飲み一族”の宴が始まります。ただその日わたくし、早朝から名古屋で仕事で。朝一、品川駅まで自分の車で行って駅のパーキングに駐車したまま、品川→名古屋→黒羽と来て、その日のうちに東京に戻る予定だったのでノンアルコールビールをちびちび。でもね、そんなのすぐ見つかるわけですよ。そして「ホントに呑めないの?」「車置いてくこと出来ない?」「明日仕事何時から? 泊まって朝帰れば?」と“一族”が次々に耳元で囁いてくる。となるとこっちもだんだんその気になってきて。携帯で明朝の新幹線なんて調べちゃったりして。あ、始発で帰れば間に合うか。よし。「私、泊まります!」この一言で“一族”大盛り上がり。「酒だ、酒だ、酒持ってこーい!」なんて『浪花恋しぐれ』感満載の台詞が聞こえたかと思うと、私の目の前に並ぶ日本酒たち。もうそこからはノンストップ。呑む手は止めずに、皆で叔母の思い出話をしまくりながら、笑ったり泣いたり。そしてまた笑ったり。

そんな中、その斎場のすぐ近くが叔母宅という事が判明。早速いとこ軍団でレッツラゴー。40年ぶりの訪問。おっきなお家です。門構えや家の間取りは覚えてなかったのですが、「下の川へ降りていく階段に続く木戸があったよね?」「お庭にプールなかった?」「温室に連れてってもらった気が」なんて細かい記憶が溢れ出し、見に行ったら全部ちゃんとそこにあって。強いて言えばあの頃自分が小さかったからかな。今見ると川への階段はもっと長かったような、そして温室の屋根はもっと高かったような気はしましたが。忘れん坊の私が忘れない、大事な思い出たちでした。

そんなこんなで今年も終わります。来年はちゃんとペヤングにかやく入れながら、ますますふんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。皆様、よいお年を。

 

【今日の乾杯】

森三中ムーさんとおしゃれイタリアンへ。オードブル盛り合わせ。盛り合わせすぎでしょ。右下の魚介シリーズ&左上の肉シリーズ。一口食べてはワインをゴクリ、もう一口食べてワインをガブリ。このオードブル終わるまで40~50分かかったよ。幸せな忘年会でした。

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いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。』

寂しいだか、楽しいだか、よくわからないけど、日々、一生懸命生きてます。 人気芸人の、笑って、共感して、思わず沁みるエッセイ集。

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