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2017.08.13

「悪いグリップから、いいスウィングは生まれない」――ハーヴィー・ペニック

岡上 貞夫

「悪いグリップから、いいスウィングは生まれない」――ハーヴィー・ペニック

グリップを見ればその人の腕前がわかる

 今回はスウィングの基本中の基本、グリップの話。

 グリップに関する古くからの格言に、 ”Club should be in fingers of both hands NOT in palms” というものがある。訳してみると「クラブは手のひらではなく、指で握られるべきである」といったところだろうか。

 たしかに、球聖ボビー・ジョーンズの古い写真を見ると、グリップが手のひらに触れていないほど、指の先のほうで握られている。

 これは当時のクラブはヒッコリーシャフトで、グリップも今のようなゴム製ではなく、シャフトに布や薄い皮を巻いているだけでかなり細かったから、指先のほうでグリップしないと手の中でグラグラと不安定だったのだろうと思う。

 また、ヒッコリーシャフトは非常にやわらかく、しなりも大きかったので、指先の感覚を研ぎ澄ませてショットする必要があったのではないかとも思われる。

 その後、スチールシャフトが開発され、グリップ部分もやや太くなってくると、名手たちのグリップも時代とともに、またクラブの進化とともに変わってくるのは必然と言える。

 近代パワーゴルフの始祖、アーノルド・パーマーは、「力の弱い左手はパームで、フィーリングを出す右手はフィンガーで握るべき」と言ったが、これは現代においても参考になる言葉だと思う。

 ただし、「左手はパーム」といっても、丸太ん棒を鷲掴みするような握り方ではなく、指の付け根あたりにクラブのグリップが触れる程度に握ることを言っていて、手のひらのいちばん指に近いところがグリップにかかっている状態なのだと付け加えたい。

 どのようなグリップをするべきなのか……となると、これは手の大きさや形、指の太さ・細さ、指の長さ・短さなどで百人百様だ。とはいえ、「グリップを見ればその人の腕前がわかる」と言われるように、基本が守られていないグリップでは、上達が望めないのも事実なのである。

 グリップはゴルフスィングのもっとも重要な基本であって、グリップはゴルファーの運命をも左右するとまで言われているのだが、一般ゴルファーの中にはグリップの重要性を見逃している人が意外なほど多い。

 周知のように、グリップの型は大きく分けて、オーバーラッピング、インターロッキング、ナチュラル(ベースボール、テンフィンガーともいう)の3種類がある。

 オーバーラッピングは手の大きい人向き、インターロッキングは手の小さい人向き、ナチュラルは非力な人向きと言われているが、これにとらわれる必要はなく、握りやすければどれでもかまわない。

 グリップには守るべき基本があって、それができていればオーバーラップでもインターロックでもテンフィンガーでも、自分にフィットする、感性に合ったグリップでOKだ。

 

グリップで守るべき3つの基本とは?

 グリップの守るべきスタンダードは次の3点である。

(1)親指と人差し指付け根で形作られるV字(Y字のほうが近い)が差すのは、アゴ~右肩の範囲を限度とする

 これを逸脱するほどの極端なウィークやストロングでは、アドレス時に肩の線と飛球線とが平行を保ちにくくなり、安定したスウィングがしづらく、再現性が低くなって正確性が悪くなる。

(2)両手とも、親指と人差し指付け根の間に大きな隙間を開けてはならない

 隙間を開けると、極端なパームグリップ(鷲掴み)になってしまう。野球のバットと違ってゴルフクラブは細いので、手の中でクラブがズレやすくなり安定しないし、距離感などのフィーリングも出せない。やや指先のほうで握ると隙間ができない。

(3)親指と人差し指付け根で形作られるV字が差す方向は、右手・左手とも同じにする

 左右で異なる方向を向いていると、一体感が損なわれる。そうすると、どうしても利き手のほうが優先になってしまい、両腕がバランスよく使われにくく、右腕主体のスウィングになりやすい。やはりスウィングの効率性(飛距離)・安定性(正確性)が損なわれる。

 

 

 これら3点のスタンダードを、理由も納得した上でおさえておけば十分だ。何度も言うようだが、世界に二人として同じグリップ・同じスウィングの人などいないのだから、後は自分なりにやりやすい型でOKなのだ。

 ボールがつかまらず右方向へ飛んだりスライスしたりする人は、V字が右肩を指すストロング方向に、反対にボールが左方向へ飛びフックするような人は、V字がアゴを指すウィーク方向にグリップを動かして、ちょうどいいポジションを見つければいいのである。

 あとは握る力のかけ具合だが、日本アマの至宝・中部銀次郎さんは、「左手の小指を10としたら左手の薬指が9、順に中指8、人差し指7、親指6といって、右手の小指が5、薬指4、というふうに右手の先へいくほど弱く握り、最後の右手人差し指と親指は、ほどけない程度のわずかな力しかかけない」と言っている。

 もっとおおざっぱには、左手の小指~中指の3本はしっかり握り、あとはゆるめに握るという感じでもいい。

 

グリップが決まらなければ、いくら練習しても上達は望めない

 私がゴルフスウィングでアドバイスを求められた際、最初にチェックするのはグリップだ。グリップを直すと、スウィングも自然によくなることが多い。

 親指と人差し指の付け根で形作られるV字を、右肩のほうを向くまで回してみると、左肩が前に出て右肩が引けるクローズドな肩のラインになる。逆にV字を左肩の方向に向けてみると、左肩が開いて右肩が前に出るオープンな肩のラインになる。

 グリップ次第で、自然に構えたときのアドレスにおいて、両肩を結ぶ線が閉じたり開いたりするのだから、その後のスウィングにも大きな影響が出るのは当然なのだ。

 アベレージゴルファーに関しては、ハーヴィー・ペニックの次の言葉が多くの人に当てはまると思う。

「ストロンググリップは疑いもなくアベレージゴルファーに適している。ボールをより強く、より遠くへ打てる感覚が、すぐ感得できるからである」

 クドクドした理屈は省くが、ストロング系のグリップと右手甲側へのコック(最近ではヒンジと呼ぶ)を組み合わせて使うと、インサイド・アウトのスウィング軌道で振りやすくなり、大きく高く振り上げられる、いいフォロースルーへとつながっていきやすくなる。

 つまり、一般アマチュアに非常に多い、左ひじが右手の強さに負けて、いわゆる「腹切り型」とか「田吾作型」と呼ばれるフォロースルーの形になる(手が高く上がっていかない)のを改善し、格好のよいフィニッシュを決められる効果を期待できるのだ。

 プレーヤーがクラブとつながっているのは唯一グリップであることを認識すれば、スウィングをあれこれ改善しようとするよりも、まずはいいグリップをすることが肝心要(かんじんかなめ)だということをご理解いただけると思う。

 

今回のまとめ

1. ゴルフスウィングにおいて、もっとも大事なのはグリップである

2. いいグリップとは、「3つの基本」が守られているグリップである

3. 基本をおさえたら、その上で感性の生きるグリップを模索しよう

 

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Gamiyan2017.8.20

皆さんコメントありがとうございます。基本を逸脱していないグリップなら、後は感性を優先しましょう。ボールの飛び具合を見て微調整すれば自分に合ったグリップが見つかるはずです。長年悩んでいた問題が、グリップを直すだけでウソのように治ったという例はあちこちで聞きます。コースでの微調整も、グリップで行うのがもっともシンプルです。

seki2017.8.17

グリップを変える勇気は相当なものですが、重要性はそれ以上かもしれません。感性とのマッチングはゴルフ歴が長いほど 悩みますね

のだっち2017.8.17

私は手の大きさや力が入りすぎないよう、数年前にインターロッキングからオーバーラッピングに変えましたので、グリップの重要さはよく理解できます。 改めて、気を付けたいと思います。

ヤマちゃん2017.8.16

グリップが大事だと最近やっと気がついた。30年やっててこれだから、上手くなりっこないわな。でも打つまでは注意しても打った後は考えないから仕様がないんだよ。身につくまでやるしか無いのかな?

懲りない6作目2017.8.15

ゴルフの基本はグリップと、以前から理解していたつもりですが、最近、ショットがフック気味になっていたので、グリップを見直し、スクエアにしたら修正できました。基本に立ち返ることの重要性を再認識しました。

クレージーゴルファー2017.8.15

ゴルフの名手は皆さん素晴らしいグリップをしています。一番の基本なんですね。早速自分のグリップをチェックしてみます。

アンちゃん2017.8.13

Gamiyan、先週のゴルフ合宿で身体が突っ込むので、左手グリップを意識してしっかり握るようにしたら、いいフィニッシュが取れるようになりましら。僕は最初から二クラウスのインターロッキングが好きで、今もそうですが、左手と右手のそれぞれの指の力加減が大切なことがよく分かりました。

タケちゃん2017.8.13

調子が悪い時はグリップとアドレスをチェック。これ最も大切なことだよね。

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