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2015.10.19

2018 FIFAW杯ロシア二次予選 
VSシリア、親善試合イラン

ヤシキ ケンジ

2018 FIFAW杯ロシア二次予選 <br />VSシリア、親善試合イラン<br />

解説界に新風が吹いた。
これが……すごい良かった。
果たして、それは誰だ?

 

 この2試合で少し驚いたのは、解説者の1人が闘莉王だったことである。
まさか現役の元代表選手が解説するとは思っていなかった。耳を傾けていると、これが良かった。ボソボソと聞き取りにくいのは最初だけで、1プレーに対する現役DFならではの緻密な解説がとても新鮮で、なるほどと何度も頷いていた。しばらく松木の解説に耳を冒されていたので、ものすごく耳障りが良かったように思う。
中村俊輔や遠藤あたりが解説をしてくれるようになる日もそう先の話ではなさそうである。
よくよく考えると、解説者というのは、現在の代表選手よりも下手な選手が多かった気がする。いまの本田、香川、岡崎あたりより格上と思われる人が解説をしていること自体少ない。昨年のW杯本番では中田英寿が解説をしていて、試合とは別に解説にも耳を傾ける価値が十分にあった。
よく「シュートで終わるのがいい」と言われているが、こちとら素人にはその理由があやふやで分からないままだったりもした。
その点、闘莉王は「リズムを作るためもあるし、ちゃんとボールを前まで運んでくれた方がその後のDFラインも整えやすくなるし、カウンターを受けることもないですしね」と、実に分かりやすい解説だった。
聞いてみればなるほど当たり前だと思うことでも、案外そんな風に素人にも分かりやすい解説・説明というのを最近の解説者はしてくれていなかったんじゃないかということに気づかされた。
 
今回のイラン戦で、最終予選は薄氷を踏むようなものになるであろうことはよく分かった。これを収穫と言わずしてなんというのかというところだが、毎度々課題や選手や監督の口から収穫という言葉を聞くたびに「それ、いつになったら昇華できんの?」というジレンマもかなりあったりする。
そういう課題を全部クリアしていけたらきっと日本はもっと強いチームになっているはずでもあり、分かっちゃいるけどなかなかね! という日進月歩なところがいまの日本の実力なのかも知れない。
自己啓発本の読後感というのか、読み終わったあとは「よーし!やってやるぞ!」と息巻いてみるが、読んだことを薄らとしかし確実に忘れていき、実行に移せないまま時間は経っていくという我々凡人の特徴が、やはり日本を代表するアスリートである彼らにもあるのかと大げさに考えてみると、親近感を覚えてなんだか少し嬉しいようなしかしやっぱり残念なような気持ちになってしまう。
人間はそう簡単に成長しない。しかし見ている側は歯がゆく感じてしまう。
いつだってなんだって、当事者でない者の目線は厳しく、残酷なものである。

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