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老いない体をつくる中国医学入門

2019.03.12 公開 ツイート

56歳、食事に「薬膳」を取り入れたら、心も体も軽くなりました【リバイバル掲載】 阪口珠未

photo iStock/chinaview

2000年の歴史を持つ中国伝統医学では「食こそ薬」、食材のすべてに薬効があると考えます。年齢、体の状態や体質、季節、病気の種類によって、何をどう食べたらよいのか、何を食べないほうがよいのかをアレンジするのが「薬膳」。
「難しそう」「面倒くさそう」と思うかもしれませんが、実は、薬膳は、スーパーやコンビニで売っているありふれた食材で、簡単に始められます。
56歳、不健康のきわみだった男性が、半信半疑で薬膳生活を始めたら、心と体にどんな変化が起きたのでしょうか?
 阪口珠未さんの新刊『老いない体をつくる中国医学入門――決め手は五臓の「腎」の力』からご紹介します。

(記事の終わりには阪口珠未さんの講座のご案内があります)

野菜は嫌い、酢の物も果物も食べられなかったのが…

加藤さんは、私がコンサルティングをさせていただいているフードサービス会社の統括マネージャーで、56歳です。

初めてお会いしたのは5年前。スタッフのみなさんと焼き肉を食べに行ったときには、肉をほかの人のために焼くばっかりで自分はほとんど食べない、顔色の悪い男性という印象でした。

そんな彼が、今は薬膳を毎日食べるのが当たり前という生活になったそうです。
なぜ薬膳を始めたのか、それにより心身にどんな変化が起きたのかについて、お話ししてもらいました。

――5年前は、どんな生活でした?

1日にアイスコーヒーなら2リットルぐらいは飲んでいました。タバコは1日20本。野菜は嫌いでほとんど食べない。酢の物も果物もNG。食べる芋類はフライドポテトだけでした。

――なぜ薬膳をとり入れることにしたんですか?

会社で阪口先生の薬膳をとり入れることになり、販売企画室で試作調理を任されていたから、レシピを現場向けに試作して、試食をしないといけなくなったんです。でも薬膳なんて、まずいんちゃうのと思ってました。

――まずかったですか?

ところが、実際食べてみたら、案外いけるやんと思った。長芋のフライドポテトとか、黒ゴマでケーキを作るとか、僕が思っている薬膳のイメージと違っていた。
それで、家に本を持って帰って、「会社で薬膳やってるねん」って奥さんに話したら、家でもやってみようかということになって、家で作ってくれるようになりました。
夏だとウリ科やナス科の、薬膳でよく登場する食材が出てきました。「うわー食べられるかな」と思いましたが、出されたものを残すとケンカになるから、最初は仕方なく食べていたら、だんだん慣れてきて、まんざらでもないなという感じになりました。

――2年半ぐらいたった頃に、タバコを止めましたよね?

頭痛と歯痛があって、ほぼ毎日鎮痛剤を飲んでいたから、タバコを止めてみようと思い立ちました。
口が寂しいので、食事に野菜が出てきても、残さずに食べるようになりました。そしたら、今まで毎日1袋食べていたスナック菓子も自然に食べなくなった。タバコとコーヒーを減らしたら太ってきたので、ジムに通い始めて、ときどき汗を流すようにもなりました。

――ここ1年ぐらいで変化はありましたか?

阪口さんにすすめられてもどうしても苦手だったドライフルーツやレーズンが、不思議とおいしく感じられるようになってきました。果物や酢の物も今は食べますね。梅干しと納豆以外は、何でも食べられるようになったことに、自分でもびっくりしています。

関連書籍

阪口珠未『老いない体をつくる中国医学入門 決め手は五臓の「腎」の力』

「肝【かん】・心【しん】・脾【ひ】・肺【はい】・腎【じん】」という五臓で人間の体を捉える中国伝統医学。中でもとくに重要なのが「腎」。 腎は腎臓だけでなく成長・生殖の働きも含み、生命の素となるエネルギー=腎精【じんせい】を蓄えている。 腎の衰えは性欲・やる気の低下として現れるだけでなく、脳の働きも左右する。 加齢と共に減る腎精をどう長持ちさせるか? 決め手になるのが「食こそ薬」と考える食養生法【しよくようじようほう】だ。 「毎日一握りのナッツを」 「肉は骨つき・皮つきが基本」 「食べても消化できなければ毒になる」等、 2000年の伝統から編み出された究極の「抗衰老【アンチエイジング】」。

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老いない体をつくる中国医学入門

「毎日一握りのナッツを」「肉は骨つき・皮つきが基本」「食べても消化できなければ毒になる」等、2000年の歴史が証明する究極のアンチエイジングを、やさしく紹介。

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阪口珠未

株式会社漢方キッチン(薬店・薬膳スクール)代表。国立北京中医薬大学提携・日本中医薬大学講師。旧文部科学省国費留学生として、北京中医薬大学で中医学を学び、同大付属病院にて臨床と実習を行う。1999年、株式会社漢方キッチン設立。東京恵比寿にて薬膳スクールと薬店を経営しながら、清代の西太后の宮廷薬膳を研究。企業や自治体でのコンサルティング実績も多い。著書に『西太后のアンチエイジングレシピ』(主婦の友社)、『毎日使える薬膳&漢方の食材事典』(ナツメ社)などがある。

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