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「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人

2016.02.06 公開 ツイート

第1回

20代、30代のおしゃれ。
そしてこれからの、40代のおしゃれ。 大草直子

人気スタイリスト大草直子さんの文庫最新刊『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』(2月9日発売)より、試し読みをお届けします。春に向けて、「おしゃれ心」を高めませんか。

20代、30代のおしゃれ。
そしてこれからの、40代のおしゃれ。

 20代。何だか遠い昔のような気がしますが……。自分の意思でおしゃれをし、そしてそれが「他者」の目にはどう映るのか――を意識する年代。今考えると赤面してしまうようなスタイリングや、まるでコスプレを楽しむように、毎日とっかえひっかえ、服をチェンジしては楽しんでいたっけ……。この時期は、何が似合うのかというよりも、自分はどんな服でも着られると信じていて、フルレングスのたっぷりしたパンツから、膝上のスカート、そしてショートパンツまで、それこそ見るたびに「違う人」になっていた気がします。自分のためにおしゃれをする、というより、男受けだったり、女友達に自慢するためだったり||判断の基準が自分以外にある。これって、実はこの年代でやるべきこと。きっとここで、他人の目に映る自分のおしゃれを、客観的に確認できるから。この作業を終えないと、大人であるべき40代でも、「自分以外の目」を気にして装うことになるのです。
 そして30代。結婚する人もいれば、出産する人もいるかもしれない。仕事で大切なポジションを任される、なんていうシチュエーションも考えられます。ライフスタイルが確立し、そして自分の好みだって、きっと細かく確かなものになる。そう、ここで学ぶべきは、自分という素材に似合う服探し。外見もそうだし、生活背景など。こうしたファクターを、きちんと満たしてくれるファッションを、きっと毎日みんな探している。生活や人生が安定しないうちは、「スタイル」って実は確立しない――なんてことも、おぼろげながらわかってくるのです。そうして、30代を過ごし、理想としては、新たな年代に突入する30代後半に、おしゃれの土台を作っておくこと。
 40代は、それを少しずつ壊しながら、20代のときとはまた違う試行錯誤を繰り返していく時期だと思います。もちろん、こうしたおしゃれの修業はそれ以降もずっと続いていく。
 そう。おしゃれに、ゴールはないのです。一生勉強だし、一生分の時間があるから、ゆっくりと、でも立ち止まらず学んでいけばいい。
 私は、今年40歳になります。また違うおしゃれに挑戦して、また失敗できる。何だか、今からワクワクしているのです。
 

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大草直子

1972年東京生まれ。スタイリスト、エディター。『おしゃれの手抜き』『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』『「明日の服」に迷うあなたへ』など著書多数。2015年よりウェブマガジン「mi-mollet」の編集長を務める。

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