「佐津川愛美映画祭」
こんなにたくさん、短期間で自分の名前を呼ばれたのも、言ったのも、書いたのも初めてだろう。
恥ずかしいとは思っていられないほど、なりふり構わず宣伝しなければならなかった。
ずっとやってみたかったチラシ配り。
1人でも行くつもりだったけれど、今回MCをやってくれることになった、後輩の真凛に、「奇跡的に暇で、もしも嫌じゃなかったら一緒にチラシ配ってくれない?」とお願いしたところ、
「えっっ‼︎楽しそう、ぜひその場に立ちあいたいです、面白すぎます、一緒にやりたいです‼︎」
っとこのテンションで返してきてくれた。有り難い。
東京開催にご協力いただいた、映画パーソナリティの伊藤さとりさんも「明日の宣伝で今日スペース(音声配信)やってみる?」と連絡をくれたので、
「夕方から劇場さんの許可をいただけたらチラシ配りに行こうと思うので、その後でもよかったらぜひお願いします!」と返信。
「まぢ⁉︎行く!手伝う‼︎家族で手伝いに行く‼︎」
頼んでもいないのに、そんな風に言ってくれて。ほんとにほんとに有り難い。
合流すると真凛は、
「これは写真とか撮ってもいいですか?絶対絶対インスタとかあげた方がいいです!なんならインスタライブやりながらでも!!」
なーんにも考えていなかった私をプロデュースしてくれる真凛。色々考えた結果、明日からの映画祭のお知らせと今からチラシを配りまーすというインスタライブをした。
事前に許可をいただけたので、劇場さんに行くと、
「どうやって配りますか?テーブルとか椅子を用意してサインとか出来るようにしますか??」
そんなそんな。
ちょっとお邪魔して、配らせていただこうと思っていたので、そんな風に考えてくださっていて有り難い。
「みなさん、どんな風に配られますか?」
「いや、ご本人さんがいらっしゃることはほぼないです。多分初めてです。」
えーーーそうか。そんな突拍子もないようなことだとは思っていなかった。。
そこから、みなさんが一緒に考えてくれた。真凛と劇場さんの今日の遅番チームというお2人と、みんなで作戦会議。
「なんかこの裏とかに貼りますか?今日はもうこの作品上映が終わったので大丈夫です!」
持ってきてくれたのは、他の作品の切り抜き記事やポスターが貼ってあるボード。
裏にチラシを貼ることに。
「これはあんまり目立たないですね。並べてみますか?」
チラシを数枚貼っても、目に入りにくいということで、びっちり並べて、裏面も並べて、テープで貼る。
いいじゃん、いいじゃん!
劇場から出て来た時に目に入りやすい場所をさぐって
場所を決める。
「あ、ここって字書けたりするかなぁ?」
すぐさまマジックを用意してくれて、真凛がタイトルを書き始めてくれた。
途中別のスタッフさんが通りがかり、
「これ、めっちゃいいですね!良い案だなぁ~」とニコニコ話しかけてくれた。
ちょっと行ってチラシを配るだけと思っていたのが、みなさんのアイデアでこんなにすごいものまで作らせてもらって、感無量‼︎
タイムアップの真凛とさとりさんがバトンタッチしてくれて、いよいよチラシ配り。
エンドロールで数人が出てきたけれど、急いでいるようだった。
その後全てが終わって、一気に退場。
1番最初に渡しに行った人が、たまたま知り合いのカメマンでお互いびっくり。ちょっと‼︎トイレ‼︎と言って、走って行った。
終わったーっという気持ちで、早く帰りたい人、余韻に浸っている人、トイレに急ぎたい人、、、
受け取ってくださった方もいたけれど、そうだよなぁ、いきなりびっくりさせてしまうよなぁ。反省。
一方で、あ、観たことある、腑抜けが好きでした!トリハダ観てます!毒娘観ましたっ!と作品名まで伝えてくださるかたも居て、有り難く感じた。
興味を持って、宣伝ボードを見てくださった方も居らしたので、真凛の頑張りに感謝感謝。
次はロビーに行った。
上映前にロビーに居る人は、時間的余裕があるからか、みなさんチラシを受け取ってくれた。
じっくり聞いてくれる人もいた。
チケットを買いに来る人にさとりさんが
「佐津川愛美映画祭です。本人がチラシを配ってます。受け取ってあげてください」と声をかけてくれると、さとりさんに誘導されて私の方に顔を向けるかたちなる。すかさず私が、「明日からです。よろしくお願いいたします」「よかったらチラシもらってください!」と声をかける。
宣伝戦略‼︎こういうことを考えたことがなかったので、お勉強になりました。
劇場の方も、窓口や入口でさっと渡してくれたり。
真凛がインスタをあげたほうがいいと考えてくれたのも、宣伝ボードを描いてくれたのも、さとりさんがチラシ配りをサポートしてくれたのも。そのあとスペースで配信してくれたのも。
宣伝という、大切さを今回初めて教えていただきました。
チラシ配りの間、お手洗いの場所やシアターの場所を2、3回聞かれた。私はすぐさま場所をお伝えしたけれど、チラシは受け取ってもらえなかった。
さとりさんが、愛美ちゃん黒いTシャツ着てるから
スタッフさんと間違われてるんだよ!と言っていた。もっと女優っぽい服着てこないとっと怒られた。みんなで笑った。
私は普段そんなに着飾ったりはしないけれど、そうすることで、チラシを受け取ってもらえるのならば、女優感出せばよかったとすら思うほど、チラシを受け取ってもらうことは、ハードルが高いものだった。
受け取る受け取らないは自由だし、タイミングや色んなことがあるのは百も承知で。
やっぱり、チラシを受け取ってもらえると物凄く嬉しくて、いらないと言われるとズキンときた。
選択の自由があって、もちろん良い。もちろん当たり前だ。
チラシ配りに限ったことではなく、映画は宣伝の部署があるので、俳優個人がこういう宣伝をする機会はなかなかないけれど、私たち以外にそれをやってくれている人たちが居ることを、しっかり知っておくべきだと感じた。
それに私たちがSNSで宣伝したとして、応援してくれている人たち、言うたら好意的に捉えてくれている人たちに届けることが多いと思う。そういう層に宣伝するのと、全く違う層に届くように宣伝するのとでは、労力が全然ちがう。
今回の学びは、
チラシを配るなら、上映後より上映前。
表に出ている人間がそれを武器にするなら、黒い服ではなく、オーラのある服。
突然言われてもすぐには理解出来ないので、タイトルをみんなで何度も言ったり、視覚的にも目に入るように工夫する。
経験させていただけて、よかったです。
観に来てくれた方々には、ハグしたいくらい。お金をはらって、わざわざ観に来てくれることが、どれだけ有り難いことなのか。どれだけ嬉しいコトなのか。
みなさんにありがとうを心から伝えたい。伝えても伝えきれないほど、沢山のありがとうで溢れている毎日です。
観に行けないけど宣伝しとくねとSNSに書いてくれたり、お店の仲間や家族にも伝えるね〜と言ってくれた友人たちにも、本当に有り難いと感じました。私は今後、友人たちが何かを一生懸命宣伝していたら、きっと絶対、わたしも宣伝します!
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いつまで自分でせいいっぱい?
自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、リアルな日常を綴る。