拝啓、全国のおひとりさまへ。
キャンプ場に幽霊を増やさないために、何卒ソロキャンパーをよろしく頼みます。
キャンプ場でのオカルト体験談を、よく耳にします。
小心者でビビリのぼくは、そんな恐怖体験を聞いてしまったら、最後。金輪際ソロキャンプへ行けなくなってしまいます。
なので、誰かが語り出そうもんなら、毎回逃げるようにしています。
冒頭で突拍子もないお願いをしたのには、訳があります。
以前、ソロキャンパーは結婚という文脈において優良物件ですよと主張させていただきました。
ソロキャンパーのパートナーとして魅力を伝える過程で、気づいてしまったのです。
キャンプ場で心霊体験が起こる、そのメカニズムに。
ソロキャンパーは家事ができて健康で、優しくて経済力もあって、オススメですよとプレゼンさせて頂きました。
そのとき、ふと思ったのです。そもそもソロキャンパーたちはパートナーなんかいなくても、ソロキャンを通して充分幸せだよなと。
でも、パートナーとキャンプへいくことを夢見ていると思うのです。
否、夢見ています。少なくとも、ぼくの死ぬまでにやることリストの上位には、「彼女とキャンプへ行く」が入っています。
そう考えると、つくづく人間って、欲深い生き物だと思うのです。
だって、ぼくらソロキャンパーは、ひとりでするキャンプを満喫していて、その幸福をとことん味わっています。
こんなにも幸せを感じ満足しているはずなのに、ソロキャンプという至高の体験に好きな人とふたりで来られたら、どれだけ幸せなのだろうかと否が応でも妄想してしまうのです。
だから、ぼくらソロキャンパーは周りにいるカップルキャンパーを横目にみて「いいなあ、いいなあ」と、ため息に似た声にならない声を漏らすだけなのです。
先ほど告白したとおり、ぼくの夢のひとつは最愛のパートナーとキャンプへ行くことです。
お客様、仕事仲間、ソロ、友達、家族と、大概の人間関係におけるキャンプは経験しました。そのどれも楽しかったです。
でも、未だ唯一知らないのは、パートナーと行くキャンプです。そして、どうやらこれがいちばん楽しそうなのです。
ああ、このままパートナーとのキャンプを知らないまま死んでしまうのだろうか。
いやだなあ。このまま天に滅したら、カップルキャンパー横目に「うらめしや、うらやめしや」と言うだけの、勇気も意気地もない地縛霊になりそうである。
だからか!
キャンプ場での心霊体験が多いのは。
ぼくみたいなソロキャンパーの怨念なのか。
そうかそうか。先輩方の無念だったのか。それなら怖くなくなってきたぞ。なんなら嬉しくもなってきた。
ぼくは幽霊たちと良き友になれそうです。
そんなわけで、キャンプ場に幽霊を増やさないためにも、何卒ソロキャンパーをよろしくお願いいたします。
アウトドアブランド新入社員のソロキャンプ生活
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