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カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~

2024.05.27 公開 ツイート

久しぶりに見ているテレビで気になった三次元の人物とは カレー沢薫

長らくテレビを全く見ない生活をしていたが、今年になってから諸事情によりGT(ガッデムタイム)にテレビを良く見るようになった。

数か月GTにテレビを見続けて分かったことは、最近のテレビは、クイズと食い物と旅、日本に来た外国人に「なんでこんなとこ来たの?」と聞いたり、山奥に住んでいる変わった人に「なんでこんなとこ住んでんの?」と聞きに行ったりする番組のローテーションで回っていることがわかる。

 

そしてクイズ番組にはカズレーザー、何なのか名状しがたい番組には長嶋一茂、そして多くの番組に男性アイドルの誰かが良く出ていると学んだ。

この時点で本当に老いたと感じる、端的に言えば毎日SnowManの誰かを見ているはずなのだが未だに誰も覚えることができない。

元々三次元に興味が薄く、芸能人の名前はなかなか覚えられないが、若いころは興味がなくても嵐のメンバーぐらいまでは顔と名前が一致していた。
これではまるでSnowManより一茂に興味津々のようだが、これも新しいことを覚えることはできないが昔覚えたことは忘れず死ぬまで言い続ける老特有の現象である。

しかし、覚えられないことで逆に毎回「何かすごいイケメンが出てるぞ」と新鮮に驚くことができる。
実際、テレビにはイケメンや美女が惜しげもなく出て来るので驚くことが多い。
最近までゲーム実況や、ゆっくり魔理沙と霊夢が過去起こった陰惨な事件などを解説する動画ばかり視聴しており、最高でも一頭身の人間しか目にしていなかったため、フォトショップなしで7頭身や8頭身の人間を見るとビックリしてしまう。

また、私がなかなか最近のアイドルを覚えられないのは老化もあるが単純にグループ数が増えたせいかもしれない。
過去乙女ゲーと言えばアンジェリークしかなかったように、昔は今ほどグループが多くなかったような気がするが、今は国内外地下地上含め多数のグループがある。
これだけグループと人数がいるのだ、一人ぐらい三次元の推しがいてもいい気がするし、その方が生活が捗ると思うのだが、推しというのは作るものではない、落ちたりハマったり、異世界転生の冒頭ぐらい予期せずこちらの人生が変えてくるのが推しというものだ。

そういう意味で最近予期せぬ出会いがあった。
いつも通り全くのノープランでテレビを点けたところ「最強スポーツ男子頂上決戦」をやっていることに気づいた。

最強スポーツ男子頂上決戦は、芸能人やアスリートなど、とにかく運動神経に自信ニキたちが様々な競技でナンバー1を決める番組のことである。

「足が速い奴がモテる」というのは小中学生あるあるだが、フィジカルが強い人間は大人になってもカッコよく見えるものである、バーフバリだって重い物を持っているところがクールだった。

さらに出場者はアイドルやLDH所属など、元々グッドルッキング多数なため余計カッコよく見える。
その中で特に私の目を引いたのは「元たいそうのおにいさん」である、元々オタクなので属性やギャップには弱い、子供向け番組に出ていたおにいさんが、バキバキの体で並みいる強豪を下し、誰よりも跳び箱を飛ぶ様は感じ入るものがある。

そういえば昔、友人が「子供ができてから『おかあさんといっしょ』にハマり、ファミリーコンサートにまで行ってしまった」と言っていたが、その意味がようやくわかったような気がした。

私も年齢的には、おかあさんなのだが中身は乳幼児であり、ある意味単体で「おかあさんといっしょ」を表現していると言えるが、番組はノーチェックであり、おねえさんやおにいさんのこともノーマークだった。

実際、おかあさん勢は今回の大会を見て「俺たちのおにいさんがやってくれた」と、感涙もしくは腕組だったようだが、存在すら知らなかったソロ勢は「今まで何故黙っていた」と憤慨すらしていたようである。

ちなみに子供の方はおにいさんの活躍におかあさんほどエキサイトしていなかったようで「あんなに世話になったのに」と嘆く一方で「本当に世話になっていたのは自分だったのだ」と改めてタイトルの意味を噛みしめる、いい話も見られた。

私もこれからおにいさんのことを推していきたいと思ったが、残念ながらおかいつは卒業済みのようだ。
ところでファミリーコンサートは子供不在で、年齢だけおかあさんの人間が単騎で行く、というのはありなのだろうか。

そして、この番組を見て昔ケイン・コスギのファンだったことを思い出した。
名前は変わっているが、この番組と同じような番組は昔からあり、ケイン・コスギは有力選手の1人で、熱心に録画を見たり、主演映画を見に行ったりしていた。
現在も俳優として活躍しているようだが、ウィキペディアの来歴の最後が「なかやまきんに君とコンビ「パーフェクトパワーズ」を結成し、M-1グランプリ2023に参加した」になっているのが若干気になる。

探せば動画が出て来るかもしれないが、それを見ると「ファンは推しのやることを全肯定すべきなのか」という、オタクが何万回もやりがちな自問をまたやることになりそうなので、あえて触れないでおこうと思う。

関連書籍

カレー沢薫『人生で大事なことはみんなガチャから学んだ』

引きこもり漫画家の唯一の楽しみはソシャゲのガチャ。推しキャラ「へし切長谷部」「土方歳三」を出そうと今日も金をひねり出すが、当然足りないのでババア殿にもらった10万円を突っ込むかどうか悩む日々。と、ただのオタク話かと思いきや、廃課金ライフを通して夫婦や人生の妙も見えてきた。くだらないけど意外と深い抱腹絶倒コラム。

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カレー沢薫

漫画家。エッセイスト。「コミック・モーニング」連載のネコ漫画『クレムリン』(全7巻・モーニングKC)でデビュー。 エッセイ作品に『負ける技術』『もっと負ける技術』『負ける言葉365』(ともに講談社文庫)、『ブスの本懐』(太田出版)がある。

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