みなさん、こんにちは。積水ハウス住生活研究をはじめとする住まいの専門家 河﨑由美子です。通勤時に、真新しいランドセルに背負う子どもたちや真新しいスーツ姿の新社会人たちを見かけるようになりました。4月に入って、新生活への期待や新しい環境への不安などいろんな気持ちが入り混じっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、暮らしを変えるタイミングに“熱中したい”こだわりごとに注目してみたいと思います。
“熱中したい”という個人的欲求が2023年ついに第1位に
住生活研究所では、定期的に“個人的欲求の変化”を調査しています。調査では衣食住をはじめ、育、楽、知など、51カテゴリーにおよぶ多彩な属性の視点から分析しています。
2023年最新の調査において、2014年から2020年で1位であった“人とつながりたい”という個人欲求は2023年には第3位に順位を落としていますが、その一方で、“熱中したい”は年々順位を上げ、初めて1位になり、生活者の意識に大きな変化が見られました。
こだわりごとは“人とつながりたい”欲求を満たすものでしたが、コロナ禍を経て個人化が進み、人と繋がることよりも個人が熱中できることが重視されるようになってきたからなのではないでしょうか。
みなさんは一体どんなことに“熱中したい”と考えているのかを探ってみようと思います。
熱中したい人の“こだわりごと”は、上位から、「旅行」「テレビゲーム、ネットゲーム」「おいしいものを食べる」「料理を作る」が挙がりました。旅行で新しい体験をしたり、ゲームを楽しんだり、おいしいものを食べる幸せも熱中したい「こだわりごと」として大事にしているようですね。
次いで挙がっているのは、「ネットでの株や投資」。2024年から新NISA制度が始まり、この機会に株式投資デビューする人が増えているようです。投資対象を調査するためにも、家でじっくり検討したいものですよね。
その他に、「美容行為」や「家の中での運動」など。それぞれ個人でも熱中できる「こだわりごと」を楽しんでいることがわかりました。
今は熱中したい“こだわりごと”がない人も、新生活がスタートするこの季節に、夢中になれることをつくってみるのはいかがでしょうか。
今回はそんな“こだわりごと”に熱中できる空間づくりをご紹介します。
おうちで熱中しよう! 旅行に行った後も思い出に浸れる空間
こだわりごとの第1位は旅行です。日常から離れてリフレッシュしたい、非日常の体験で新しい刺激を味わいたいと旅の魅力は語りきれませんが、旅行を終えた後のおうちでの楽しみ方をご紹介します。
【旅行の思い出を大切に】
旅行の写真や記念に購入したお土産をしまいこんでいませんか。
せっかくの旅の思い出を自宅でも楽しむために、写真やお土産を飾る思い出のコーナーをつくってみましょう。撮影した写真だけでなく、旅先で購入した絵葉書を、アートフレームに飾ったり、飾り方を工夫したりすれば、おしゃれな空間になりそうですね。
旅行に行くたびに見直すことで、旅行の思い出がよりいっそう深まりますね。
【旅行バッグの収納】
みなさん、スーツケースはどこに収納していますか。特に海外用のものは大きくてかさばるものですよね。
年に数回しか使わないのであれば、デッドスペースに置くのもいいのですが、季節のものを収納してみるのはいかがでしょうか。また、防災グッズを収納するために使うのもお勧めです。
おうちで熱中しよう! ゲームの世界観に没入できる音響空間
第2位はゲームです。ゲームも色々種類はありますが、世界観に没入したり、オンラインで友人と会話したりするには音響環境がポイントになります。
【わが家らしいエンタメ空間】
時間を気にせず、ゲームに没頭できる空間があればよいですね。
そのためには、防音にしっかり配慮することが重要です。とりわけ都市部の生活では、近隣への配慮が不可欠。外部への音漏れを防ぐ遮音シートや、音の響きを吸音する吸音パネルの活用など室内の音を極力漏らさないよう、防音対策を工夫しましょう。
おうちで熱中しよう! おいしいものをつくりたい・食べたい・飲みたい空間
第3位はおいしいものを食べる。次いで第4位も料理をすることで、飽くなき食へのこだわりが伺えます。コロナ禍で料理をする人が増えたことや健康志向も相まって、自宅で食事を楽しむ機会が増えているのでしょう。食事は毎日のこと。充実させる暮らしのヒントをご紹介します。
【収納の工夫で作業性と美しさを両立】
こだわりの“おうちゴハン”を楽しむためにキッチンの使い勝手はもちろん重要ですが、意外と収納の工夫がポイントになります。たとえば、ストック食材が見渡しやすいキッチンクロークや調理家電を出し並べておけるカップボード、食器を出し入れしやすい引き出し収納などもお勧めです。
【料理をラクにする工夫】
シンク、コンロ、電子レンジ、冷蔵庫など、それぞれの近くにちょっと物を置けるスペースがあるかどうかが料理をラクにする決め手。複数の小さな「ちょいおき」スペースがあれば、洗う、切る、調理するなどの作業を、手を止めずにスムーズにこなせます。スマホやタブレットの置き場にもなるので、レシピ動画を見ながらの料理にも便利ですよ。
【料理の作業台にもなるビッグダイニングデーブル】
大きなテーブルがあれば人数が増えても柔軟に対応でき、作業台としても大活躍。好きな距離感で座れて使いやすい空間になります。ホットプレートを置いても十分な広さがあるテーブルなら、手作り餃子パーティーも楽しめそう。
何かに熱中する時間は、自分らしさや幸せにつながります。
新しい生活が始まるこの季節に、熱中できる“こだわりごと”を見つけてみませんか。
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数字から考える幸せわが家
幸せのかたちは、家族やライフスタイルの多様な変化に合わせて変わっていくもの。ほんの少しの知恵や工夫で、わが家がもっと好きになる。積水ハウスの住生活研究所から“住めば住むほど幸せ住まい”研究に基づく、暮らしのヒントやエッセンスをご紹介していきます。研究データや意識調査、リアルな実例をもとに「ちょっとやってみようかな」と思ってもらえるコラムを更新しています。
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