新潟は言わずと知れた豪雪地帯。
ぼくの住む地域も例外ではありません。雪中キャンプをするには、絶好の環境です。
キャンパーなら誰もが、一度は憧れる雪中キャンプ。
ただ、雪中キャンプは魅力的な反面、とてつもなく労力がかかります。
雪や風をしのぐシェルターや氷点下に耐えうるシュラフが必要だったり、テントを立てるために圧雪したり、一酸化炭素中毒にならないよう換気をしたりと、とにかく大変。
なので、グリーンシーズンほど気軽にはキャンプへ行けないのです。
ひとりも友達がいないソロキャンパーからキャンプを取り上げるなんて、極道のやることよ。
新潟の大雪原に放り出された丸腰に為す術あらず。
ウィンタースポーツが好きならば、最高の環境でしょう。
けれど、そうでない人にとっては、雪は天罰。家の中で大人しく過ごすほかありません。くわえてこの時期、ほとんど晴れません。
気軽に外出できず、太陽すら拝めない。自然とメンタルが沈んでいきます。これが世に云う新潟メランコリー。
ぼくも新潟初年度の昨年、新潟メランコリーを煩い、悶え苦しみ、青青とした空の広がるルワンダへの帰還を願ったものです。
晴天率と幸福度って、ぜったい因果関係あるよなと、灰色の分厚い雲に覆い尽くされた空を眺めながらしみじみ考えていました。
しかし、自分の中でふと反証が浮かびあがってきました。
それは、昨年訪れたフィンランド。
言わずと知れた幸福度ナンバーワンの国。でも、滞在中ずっと曇天でした。しかも北極圏に近いので日照時間も極めて短い。新潟の比にならないほど、太陽を拝めません。
では、なぜフィンランド人の幸福度は高いのだろうか。
そうか、サウナだ。
サウナを体験したことがある人なら分かるはず。あの幸福感を。
フィンランドはサウナ発祥地であり、今でも文化として根づいています。そのおかげなのではないだろうか。
新潟メランコリーへの処方箋は、サウナしかない。
そのことを確信する出来事がありました。
先日、地元のサウナへと行ってきました。
その日は、アウフグースを体験できる日でした。
(アウフグースとは、サウナストーンにアロマ水をかけて発生した蒸気をお客様に向けてバスタオル等で扇ぎかけるサービスの事。日本では熱波。それらサービスを提供する人の事を「アウフギーサー」または「熱波師」と呼んでいる。)
アウフグースを受けられるとあり、サウナ室は大混雑。
熱波を心待ちにする男たちが30人も入り、隣の人と肩と肩が触れ合うほどにパンパンです。
熱波師の登場に沸き立つ、真っ裸かの男たち。
はつらつとした音楽に合わせて熱波師がタオルを振るう。全裸の男たちは汗をダラダラと垂らし、口角をニタニタと上げる。
熱波のあまりの気持ちよさに、自ずとえびす顔になってしまうのだ。
そして、熱波がクライマックスに迫ると、すっぽんぽんの男たちは音楽に合わせて手拍子を打ち始める。
人間本来の姿に戻った男たちが汗を撒き散らせながら「WOW、WOW」と、野太い声で大合唱。こんな異様な空間はない。
サウナ室を見渡すと、みな幸せなのが一目で分かります。
それほどに気持ちよさそうな表情をしているのです。
メンタルが落ちても、サウナに行けば強制的に笑顔にされ、強制的に幸福にされる。
やはり新潟メランコリーへの処方箋は、サウナしかありません。
最近メンタル落ちてきてるかもなと感じている方は、ぜひサウナへ。
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