自分サイズが見つかる進化系ライフマガジン

大人バレリーナは大人ゆえにいろいろあります。
バレエにおいてではなく人生において。

子どもの進学だったり受験だったり就職だったり、結婚だったり、孫ができたり。
転職したり退職したり、引っ越ししたり、足を傷めたり、病気療養をしていたり、親の介護だったり。

人生における諸々のイベントによって、熱心に通っていた人の姿がふと見えなくなったりするし、また復活したりもします。

私もそんなひとりです。
週3回すべてのレッスンに通っていたのが、週1～2回になったのは引越しのせい。やがて月1回も怪しくなったのは、じわじわとやってきた親の介護と、急にやってきた親の死ゆえでした。

親の介護は大きい大人たちの間ではよく上る話題だったけれど、なんとなくリアリティを感じないまま過ごしていました。しかし、ここ数年父の素行が怪しくなり、母のストレスが限界に達しはじめ、私にとっても向き合わざるをえない問題になっていました。一昨年の夏、思いきってイタリアに行ったのは、今後長期で旅はできなくなるだろうと思ったからです。

その年の秋の終わり、家族でのケアに限界を感じ、公共のサービスを受ける手続きを始めました。役所に書類を提出し、ケアマネさんの訪問を受け、長期にわたるであろう今後のケアの方針が決まった矢先、父は旅立ちました。

身内をなくすのは初めてでしたので、これもまた大変な経験でした。しばらくは諸々の事務仕事に忙殺されました。何十年も生きているといろいろなところに登録があり、それを一つ一つ解除したり変更したりしなければなりません。インターネットを使わなかった父ですらそんなですから、日々ネットを使って生活している私たちはどうなるのかと思うと、要らない登録は削除して、ネットを含めた身の回りは常にすっきりさせておかねばなぁと思ったりもしました。

父が旅立った後、もっとも大変かつ時間がかかったのは母のケアでした。伴侶をなくした後、女性はわりとすぐに元気を取り戻すという話をよく聞きます。実際、友人のお母さんは3ヶ月で立ち直った（前より元気になった）そうですが、母は時間がかかりました。いないことが寂しいとか悲しいというよりも、あまりにも二人でいることが当たり前になっていて、一人でのい方がわからないというか、バランスの取り方がわからないように見えました。文句を言いながらも60年近く二人で生きてきたわけですから、当然なのかもしれません。

母が母らしさを取り戻すのにおよそ1年かかりました。今は歳なりの物忘れなどはあるものの、本来の明るい母に戻っています。

そして、私はぼつぼつレッスンを再開し始めました。

このコラムを1年ちょっとお休みしていたのもそんな事情でして。
という、今回は壮大な言い訳回でして。（でも、本当の話）

とはいえ、ここ最近は仕事と（ライブ）が忙しく、またしばらくレッスンに行けていません。

私はバレエと同じくらい、音楽ライブが好きなのですが、昨年の夏頃からポツポツと申し込んでいたライブが、フタを開けてみると、不思議なことに、何故か、全て、この1月～2月に集中していて、年明け早々大忙しでした。アーティストよりもドームに通っているかもしれません。

もうお腹いっぱい。
もう、本当に、月一とかでバラけて来てほしいんですが？
年始に全部終了したら、残りの10ヶ月何を支えに生きていけばいいんですか？

ドームで先約があったため、バレエファンが沸いていたパリオペラ座の公演には行けずじまい。でも、今の私は、聴き、踊り、歌い、叫ぶ、ライブを求めていたように思います。テーマは発散、です。

パリオペラ座はまたいつか、本拠地まで観に行きたいな。

というわけで、3月からまたレッスンがんばります。
年末に久しぶりに履いたポワントで、親指の爪死んでるけど。
ぼちぼちがんばろ。