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言語化の魔力

2023.01.17 公開 ツイート

脳内「DMN」のすごい力 スマホを見ずに「ボーッとする」だけで悩みは解消する 樺沢紫苑

あなたの悩みは、解消できます。それも、簡単な方法で。

著書累計220万部突破、自身のYouTubeチャンネル『精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル』も大人気の精神科医、樺沢紫苑先生。新刊『言語化の魔力』は、そんな樺沢先生の集大成ともいえる、究極の「悩み」解消本です。科学的に立証された即効ノウハウの数々、その中からいくつかご紹介します。

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実は危険な「スマホの使いすぎ」

悩みの最大の原因の1つに、「スマホの使いすぎ」があると私は考えています。

職場で休憩時間になると、すかさずスマホを見る人が多いですね。絶対にやめるべき、手放すべき悪習慣です。

(写真:iStock.com/loveshiba)

人間の脳は、視覚情報の処理に、そのリソースの80~90%を使うといわれています。あなたもデスクワークで、パソコン作業や資料作りに、「眼」「視覚」を酷使しているはず。

視覚情報の処理で疲れた脳と眼を、休憩時間にさらにスマホで酷使するのは、休むどころか疲労が蓄積するだけ。全力でレースを走り切った馬を、さらに鞭打つような行為なのですが、しかしながら、いつどこへ行っても、視界に映る誰もがスマホに見入っているのは見慣れた光景となりました。

 

もっと、ボーッとしましょう。

「ボーッとする」のは、脳科学的にも非常に重要なことなのです。

特に何の作業もしていない「ボーッとした状態」の時、脳内では「デフォルトモード・ネットワーク」(DMN)が活発に稼働します。

DMNとは、言うなれば「脳のスタンバイ状態」

このスタンバイ状態において、これから自分の身に起こり得ることをシミュレーションしたり、過去の経験や記憶を整理・統合したり、置かれている状況を分析しています。いろいろなイメージや記憶を想起しながら、脳内で「自分のこれからをより良いものにしていくための準備」をしているのです。

 

脳は、あなたが意識せずとも、無意識レベルで、様々な問題解決を行っています

実際、何も考えずにボーッとしていると、「そういえば、○○しないと!」と急にひらめくことがあるはずです。それが、DMNによる問題解決です。

時々ボーッとするだけで、DMNがあなたの悩みを解消してくれるというわけです。

 

DMNは、あなたの悩みの自動解決装置。そんな素晴らしい装置、能力を、全ての人が備えているというのに、スマホを使うことで、DMNが活性化する暇がなくなります。

休憩時間にボーッとする、電車のなかでボーッとする、公園のベンチで、青空の下でボーッとする。意識的、積極的にボーッとしてみる。

あるいは、休憩時間にDMNを活性化する! 電車のなかでDMNを活性化する! と考え方を切り替えれば、積極的に「ボーッとする」時間を作り出せるはずです。

私にとっては、サウナが最高のDMN活性化タイムです。サウナ、水風呂のあとの休憩時間10分に、想像もしなかった貴重な「ひらめき」が得られます。

「ボーッとする」のは時間の無駄ではありません。一石二鳥、三鳥の究極の時間術なのです。

寝る前のスマホは絶対に避ける

あなたが今抱えている悩みを、本気で解消したいのならば、まずあなたがすべきことはスマホをやめること。完全にやめるのが無理ならば、スマホの利用時間を、一日2時間以下にすべきです。

(写真:iStock.com/Hakase_)

少なくとも、

  • 仕事の休憩時間にスマホを見るのはやめましょう
  • 電車のなかでスマホ見るのをやめましょう
  • お風呂場にスマホを持ち込むのをやめましょう
  • 食事中にスマホを触るのはやめましょう
  • 寝室に、スマホを持ち込むのをやめましょう

 

あなたにはボーッとする時間が必要なのです。

ボーッとする時間は、あなたの脳疲労を速やかに回復します。そして、スマホを使わないほど、あなたの悩み解消能力、問題解決能力も高まります。

 

特に、寝る前2時間のスマホは、絶対に避けるべき。スマホのブルーライトは、朝の青空の波長です。夜間にスマホを見ると、脳は「朝になった!」と勘違いします。「眠気」のもととなる睡眠物質メラトニンを速やかに抑制するので、眠気はなくなります。

さらに朝に分泌される、全身の活力剤「コルチゾール」が分泌されます。それによって、頭も身体も、「これからバリバリ働くぞ!」という臨戦態勢になります。

さらに、そんな状態で「不安な情報」を集めているのですから、扁桃体は興奮し、グッスリ眠れるはずもありません。

普通にグッスリ眠れば、脳疲労は改善します。

 

睡眠が悪ければ、当然、脳疲労は悪化します。『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳、新潮社)という本が大ベストセラーになっていますが、『スマホ脳』は言い換えれば「不安脳」です。

不安脳に陥っている人には、「視座の転換」「言語化」も効果が見込めません。

逆に、スマホを遠ざけるだけで、あなたの悩みの9割は解消するかもしれません。少なくとも、不安、心配、ネガティブ感情は大幅に減るでしょう。

*   *   *

この続きは書籍『言語化の魔力』をご覧ください。

関連書籍

樺沢紫苑『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』

アウトプットの、その先へ――。 自分の言葉で、人生を動かせ! 精神科医として30年の経験と、 YouTubeで4000超の悩み相談に答えてきた実績の集大成! 著書累計218万部突破の、大人気精神科医が贈る、 究極の「悩み」解消本!! あなたの悩みは、解消できます。それも、簡単な方法で――。 ◎ダメな自分でもそのまま肯定するのが、真の自己肯定感。 ◎自分の考えは、先入観と思い込みだとまず考える。 ◎「あの人だったらどうするだろう?」と考えてみる。 ◎どうして他人に話すだけで気が楽になるのか。 ◎職場で頻発する「相談できない症候群」。 ◎過去を忘れられる魔法の言葉を知っていますか? ◎切り替えられない原因は「脳の疲労」。 ◎悩み解消のためには、「始める」より「やめること」が重要。 つぶやくだけで、心がみるみる軽くなる「魔法の言葉」満載。

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言語化の魔力

あなたの悩みは、解消できます。それも、簡単な方法で……。著書累計218万部突破、自身のYouTubeチャンネル『精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル』も大人気の精神科医、樺沢紫苑先生。新刊『言語化の魔力』は、そんな樺沢先生の集大成ともいえる、究極の「悩み」解消本です。科学的に立証された即効ノウハウの数々、その中からいくつかご紹介します。

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樺沢紫苑

精神科医、作家。1965年、北海道生まれ。91年、札幌医科大学医学部卒。同神経精神医学講座に入局。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(約40万人)、メールマガジンなど累計80万フォロワーに情報発信をしている。『精神科医が教える毎日を楽しめる人の考え方』『学びを結果に変えるアウトプット大全』など、著書41冊、累計発行部数218万部。

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