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言語化の魔力

2023.01.13 公開 ツイート

悩みや不安がしつこく頭に浮かぶのは「脳疲労」が原因 樺沢紫苑

あなたの悩みは、解消できます。それも、簡単な方法で。

著書累計220万部突破、自身のYouTubeチャンネル『精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル』も大人気の精神科医、樺沢紫苑先生。新刊『言語化の魔力』は、そんな樺沢先生の集大成ともいえる、究極の「悩み」解消本です。科学的に立証された即効ノウハウの数々、その中からいくつかご紹介します。

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放っておくと怖い「脳疲労」とは

「同じ悩みや考えが、何度も浮かんでくる」

「ネガティブ感情を振り払っても、苦しい感情が湧き上がる」

「マイナスの思考がどうしても頭から離れない」

(写真:iStock.com/tadamichi)

つらい悩みやネガティブな考えが、とにかく浮かんでくる。「それはそれとして」のような、切り替えの言葉をつぶやいてもまったく効果がない。このような「切り替えられない」状態は深く悩んでいる人のほとんどに起きています。

切り替えられないのは、脳科学的にいうと「前頭前野の疲労」です。考えを「切り替える」能力は、脳の部位では「前頭前野」、脳内物質ならば「セロトニン」が主に担当しています。

つまり、「考えや感情を切り替えられない」という人は、前頭前野が疲労し、セロトニンが減少しているのです。わかりやすく言えば「脳疲労」の状態です。

 

脳疲労とは、脳が「お疲れモード」になっていること。健康と病気の間の状態。病気の一歩手前。脳疲労は特に珍しい状態ではありません。「心配事がある」「仕事が忙しい」「睡眠がとれない」などの状態が、1~2週間も続けば、誰でも脳疲労に陥ります。

心身共に健康な人でも、「職場の人間関係がうまくいかない」など、毎日、悩み続ければ気分が落ち込むものです。「つらい」「苦しい」という気持ちが強まり、結果として脳疲労に陥ります。

 

脳疲労になると、ワーキングメモリが減ります。通常は、「3個」あるはずの「脳のトレイ」が、「2個」か「1個」に減ってしまいます。そうすると、自分の頭で考えられなくなる。何を考えても堂々巡りになることは、すでに解説しました。

続いて、視野狭窄を起こします。ネガティブな一点に集中して、さらに苦しくなる。全体を見通せないので、対処法もわからなくなってしまう。「検索しよう」「本で調べよう」「相談しよう」というアイデアも浮かばなくなります。

さらに、脳が疲れてくると、感情のコントロールが利かなくなります。イライラしやすくなる、怒りっぽくなる、思考がネガティブに偏る。そうなると、論理的な思考はもうできません。

感情に振り回された状態では、「うまくいっていない人間関係」はさらに悪くなり、あなたへの風当たりも強まります。人間関係は余計に悪化して、対処不能に陥ります。

さらに脳疲労が強まると、「やる気」「モチベーション」が失われます。何をするにしても面倒くさくなり、「言語化」も「行動化」もできません。

そしてついには「うつ病」などのメンタル疾患になるのです。

心と身体を整えると悩みは解消する

「悩み」によって「脳疲労」になる。

「脳疲労」になると、「視座転換」「言語化」「行動化」ができなくなり、悩みが深刻化する。

悩みの負のスパイラルはこのようにして起こります。

「脳疲労」こそが悩みの根本原因、といっても過言ではありません。

(写真:iStock.com/eggeeggjiew)

実際、元気のない時期に「ものすごく悩んでいた」のが、数ヶ月して元気になると、「なぜ、あんな些細なことで悩んでいたのだろう」と驚いた経験はありませんか?

理由は簡単です。脳がお疲れモードだったから。ただ、それだけです。

 

米国ペンシルベニア大学の研究によると、「睡眠時間6時間2週間続けると、集中力は低下し、『徹夜明け』と同じパフォーマンスになる」ことがわかりました。

普段の睡眠時間が6時間を切っている人は、毎日、徹夜明けで仕事をしているのと同じなのです。徹夜明けと同じ状態で悩み事を考えても、良い対処法が浮かぶはずがありません。

悩みを解消するためには、絶対にやらなければいけないことがあります。それは、「心と身体を整える」ことです。

 

「自分は脳疲労なんかじゃない」と言い張る人も多いのですが、ある研究によると、疲れている人ほど、「自分は疲れていない」と言う確率が高いそうです。脳疲労は自覚しづらいのです。

仕事が立て込んでいたり、睡眠が十分にとれない日が何日か続くだけでも、脳はお疲れモードとなり、本来の機能、能力を100%発揮することは困難となります。

「整える」だけで、あなたが抱える問題、悩みが解消するならば、そんな簡単なことはありません。

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この続きは書籍『言語化の魔力』をご覧ください。

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言語化の魔力

あなたの悩みは、解消できます。それも、簡単な方法で……。著書累計218万部突破、自身のYouTubeチャンネル『精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル』も大人気の精神科医、樺沢紫苑先生。新刊『言語化の魔力』は、そんな樺沢先生の集大成ともいえる、究極の「悩み」解消本です。科学的に立証された即効ノウハウの数々、その中からいくつかご紹介します。

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樺沢紫苑

精神科医、作家。1965年、北海道生まれ。91年、札幌医科大学医学部卒。同神経精神医学講座に入局。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(約40万人)、メールマガジンなど累計80万フォロワーに情報発信をしている。『精神科医が教える毎日を楽しめる人の考え方』『学びを結果に変えるアウトプット大全』など、著書41冊、累計発行部数218万部。

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