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51歳緊急入院の乱

2022.08.19 公開 ツイート

第15回

元気な人の心に悪意は生まれる説 花房観音

「私、窓際がよかったのに!」と、部屋に来るなり大声で口にした同室の患者Bさんだが、どうもこの人は、ひとりでもずっと愚痴をいっているタイプの人だった。
料理がくるたびに、「ここの魚、冷凍やわ」(そりゃそうだろう)だの、看護師さんを呼びつけておいて「口の利き方があかんわ」などと、文句を言っている。

でも、やたらと愛想はいい。看護師さんや主治医には、甘えるような声を出して「ごめんな~ごめんな~」と用事を申しつけながら、姿が見えなくなった瞬間に、「あの人、あかんわ」などとぶつぶつ言っている。
もしかして、これが、京都の「ぶぶ漬け伝説」なのか。

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花房観音『ヘイケイ日記』

40代。溢れ出る汗、乱れる呼吸、得体のしれない苛立ち……。心身の異変を飼い慣らしながら、それでも女を生きていく。いくつになろうが女たるもの、問題色々煩悩色々。綺麗な50代をなぜ目指さないといけないのか、死ぬまでにあと何回「する」のか、グレイヘアを受け入れられるか。更年期真っ盛りの著者が怒りと笑いに満ちた日々を綴る「女の本音」エッセイ。

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51歳緊急入院の乱

更年期真っ只中。体調不良も更年期のせいだと思っていたら……まさかの緊急入院。「まだ死ねない」と確信した入院日記。

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花房観音

2010年「花祀り」にて第一回団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。京都を舞台にした圧倒的な官能世界が話題に。京都市在住。京都に暮らす女たちの生と性を描いた小説『女の庭』が話題に。その他著書に『偽りの森』『楽園』『情人』『色仏』『うかれ女島』など多数。

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