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51歳緊急入院の乱

2022.08.09 公開 ツイート

第12回

命と引き換えにする仕事について 花房観音

入院5日目、熟睡して目覚めもすっきり。
入院してから、眠りが浅い日と、よく眠れる日が、交互で訪れている。
この日は、夜の道路を全速力で走る夢を見た、なぜか行先は、北陸方面だ。福井や石川に行きたいのだろうか、私は。

「病室移りますね」と、看護師さんに告げられた。
集団行動が大嫌いなので、複数人がいる部屋でやっていける自信はなかったが、いつまで続くかわからない入院生活、個室の値段がいくらになるのかも怖いし、ネタになると考えて従うことにした。
そして私は、同じフロアの4人部屋に移った。今まではベッドごとの移動だったが、今度は車椅子移動だ。
4人部屋で、窓際にひとり誰かがいる様子だったが、カーテンで仕切られているから姿は見えない。
テレビがあり、洋服をかける台と、椅子とテーブルがある。椅子に鞄を置く。

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40代。溢れ出る汗、乱れる呼吸、得体のしれない苛立ち……。心身の異変を飼い慣らしながら、それでも女を生きていく。いくつになろうが女たるもの、問題色々煩悩色々。綺麗な50代をなぜ目指さないといけないのか、死ぬまでにあと何回「する」のか、グレイヘアを受け入れられるか。更年期真っ盛りの著者が怒りと笑いに満ちた日々を綴る「女の本音」エッセイ。

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51歳緊急入院の乱

更年期真っ只中。体調不良も更年期のせいだと思っていたら……まさかの緊急入院。「まだ死ねない」と確信した入院日記。

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花房観音

2010年「花祀り」にて第一回団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。京都を舞台にした圧倒的な官能世界が話題に。京都市在住。京都に暮らす女たちの生と性を描いた小説『女の庭』が話題に。その他著書に『偽りの森』『楽園』『情人』『色仏』『うかれ女島』など多数。

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