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資本家マインドセット

2022.08.10 公開 ツイート

副業を始めるコツは身近なところから 月5万円の「自分の価値」を探してみる 三戸政和

フリーランス、セミリタイア、地方移住など、多様化している私たちの生き方。これからの人生をどう歩むべきか、迷っているあなたにヒントを与えてくれるのが、事業投資家・三戸政和さんの書籍『資本家マインドセット』です。サラリーマンと同じ労力で、数十倍、数百倍の成果を手にすることができる。好きなことを、好きな人と好きなようにできる。そんな「資本家」という新しい生き方を提案してくれる本書から、その魅力と、資本家になるための具体的方法を探っていきます。

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「働き方改革」は「雇い方改革」のカムフラージュ

働き方改革の旗を振っているのは政府企業。つまり、「働き方改革」とは、その内実は、企業にとって都合の良い雇用スタイルを実現するための「雇い方改革」と見るべきなのだ。

(写真:iStock.com/gorodenkoff)

たとえば、改革のひとつとして導入された「副業解禁」もその一端だ。

厚生労働省の「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除され、「勤務時間外に、他社の業務に従事することができる」と規定された。いままでは禁じられていた副業ができるようになるのだから、社員としては「自由」が与えられたように感じるかもしれない。

でも、これは社員にとってより、企業にとって都合の良い話なのだ。

 

これまで日本企業は、「会社の仕事だけに集中しろ。その代わり社員とその家族の生活は最後まで面倒をみる」というかたちで、社員を束縛してきた。しかし、もう十分な退職金や企業年金を払うのが難しい。そのため、「社員の生活を丸ごと支えることはできないから、足りない分は自分で稼いでくれ」という、180度の方向転換だ。

まずは月5万円払ってくれる副業先を探してみる

だが、この方向転換を「ひどい」「許せない」と責めても仕方がない。

むしろいままでは、日本のサラリーマンの立場が恵まれすぎていた。世界のどこを探しても、日本ほど会社員を国や企業が守ってくれる国はなかった。それが世界と同じになっただけだ。

この流れはもう止まらない。だとしたら、そのような社会の変化に合わせて、自分なりの働き方改革をしていくしかない。

 

現実はそうなのだが、「しかたない」とネガティブにとらえるのはやめよう。サラリーマン的生き方から抜け出すのに、こんなにお膳立てがそろった時代はない。

自分の会社でも副業が解禁されたなら、まずは始めてみよう。副業を見つけるのは、そんなに難しいことではない。本業とまったく別の仕事を始めるなら、新しい知識やスキルを身につけなければいけないが、そんなことをしなくてもいくらでもやりようはある。

 

たとえば会社で営業マンをやっている人なら、信頼関係で結ばれている顧客が10社や20社はあるだろう。そこに自社の商品だけを売り込むのは、考えてみたらもったいない話だ。どうせ営業に行くのなら、ついでに他社の商品も売ればいい。自社商品と競合する会社のものは問題があるが、副業OKの会社であれば誰も文句は言わないはずだ。

もし本業でコピー機の販売やメンテナンスをやっているのなら、頻繁に訪れる得意先でオフィス機器の管理を担当する責任者と話をする機会も多いだろう。そこで自社商品の説明などをしたあと、「じつは私、最近はウォーターサーバーの販売も手がけておりまして」と副業の営業をかけるのは簡単だ。

(写真:iStock.com/Natee Meepian)

あるいは、本業で培った経験を生かして、よその会社の「顧問」や「相談役」になるという道もある。顧問や相談役というと、日本では社長までやった人が収まる「あがり」のポストというイメージだが、最近では、大企業に勤めながら中小企業やベンチャーの社外取締役や顧問になる人が増えてきた。

これは毎日出社するわけではないので、副業にはもってこいだ。取締役会などの会議への出席は月に1~2回程度。それ以外にも、電話やメールで経営者の相談を受けてアイデアを出したり、社外の人脈を使って人に引き合わせたりする仕事はあるが、さほど大きな負担ではない。

それだけで年間数十万円の報酬を得ることができるのだから、ダメ元でトライしてみる価値はあるだろう。試しに、冗談まじりでもかまわないので、取引先の部長クラスに「月に2回、御社の課題についてソリューションを提案するので、5万円の顧問料をいただけませんか」と聞いてみるといい。取引先が大手とのネットワークを求めているようなら、意外に「月5万円でいいなら、お願いしてみようかな」という話になるものだ。

 

本業が忙しすぎて無理」と思ってしまうのは、お金を稼ぐには「自分の時間」を切り売りするしかないという時給的発想にとらわれているからだ。

極力時間を使わず、収入が得られる副業は何だろう? そう考えて副業にチャレンジすることは、「お金を生む仕組み」をつくることを仕事にする「資本家」を目指す、格好のトレーニングになる。

「売れる能力」は自分が持っていなくてもいい

最初から報酬を要求するのが気詰まりなら、小山薫堂さんが提唱する「勝手にコンサル」をやってみてもいいだろう。私も、友人や知人のビジネスに関する話を聞くと、「自分ならこうする」とか「それなら、あの会社と協業すればいいと思うから紹介するよ」などと、頼まれもしないのに勝手にコンサルティングをしてしまう。

いろいろなビジネスを成功に導くのが好きでやっていることなので、それで報酬をもらうつもりは全然ない。だが、それをやっていると向こうから、「一緒に仕事をしてくれませんか」と相談されることも多い。

(写真:iStock.com/tumsasedgars)

そうやって自分の知識や経験を生かすことを考えれば、営業マンにかぎらず、工場の生産管理をしている人でも、経理をやっている人でも、副業で稼げるチャンスはある。実際に私も、会社の事務作業を友人に副業として10万円くらいでやってもらっている。毎月10万円を支払ってくれる会社が3つあれば、年収は360万円のアップだ。

まずは自分の持っている能力の中で、何が誰に売れるのかを考えてみよう。自分という人材の価値の「商品化」だ。

 

自分の中に売れる能力が見つからなくてもかまわない。自分の知り合いを「商品」にすればいい。価値のある人材を求める人に引き合わせるだけでも、紹介料をもらえる可能性がある。持てる人脈を生かすのも、立派な副業になる。

自分の「値づけ」のコツは第三者に聞いてみること

商品にできるものが見つかったら、次にやるべきはマーケティングだ。

取引先や知人の会社などに、自分をいくらで雇ってくれるかを聞いて回る。毎年、球団と年俸交渉をするプロ野球選手などと違い、サラリーマンはそういうことに慣れていない。だからこそ、そうやって自分自身に「値づけ」をしてもらうことは、サラリーマンという殻を脱ぎ捨てるきっかけになる。

 

「あなたにはお金を払えない」とフラれることもあるだろう。しかし断られてもダメ元。諦めずに何人にも聞いて回れば、週に1度や月に1度、相手の会社を手伝うことで、5万円10万円の報酬を払ってくれるところがあるかもしれない。

ちなみに、値づけ、すなわち報酬額を決めるコツは、第三者に目安を言ってもらうことだ。自分で自分に値づけするのは、本業のコンサルでも難しい。だから、コンサルティングファームは、どこも報酬表をつくって、クライアントに提示している。

 

個人の副業で報酬表をつくるのは難しいから、代わりに、共通の知人などに、「●●さんならいくらくらいの価値はある」と客観的な意見を言ってもらうのだ。そうするだけで、仕事はぐっと決まりやすくなる。

そういう会社がいくつか見つかるようなら、自分には人材としての市場価値があると思っていい。

 

このようにして、いくつかの先から報酬を受け取れるようになり、それらの報酬が人を採用できるレベルを超えたときが、人を雇うタイミングだ。品質管理をしながら業務をその人にアウトソースして、リソースを「自分の時間」から「他人の時間」へと変えていく。まさにこれが、資本家マインドセットである。

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この続きは書籍『資本家マインドセット』をご覧ください。

関連書籍

三戸政和『資本家マインドセット』

なぜ資本家になると「好きなことを、好きな人と、好きなようにやる」ことができるのか? 資本家は「経営者」「投資家」「資産家」とはどう違うのか? どうやったら「資本家」になれるのか? 資本家とはいったいどんなマインドセット(思考様式、考え方の枠組み)を持っているのか? サラリーマンでは金持ちになれない、それどころかサラリーマンという職業がもはや絶滅の危機に瀕している。そんな時代に、自分の好きなことを追求して成功したい若者や、老後が不安なサラリーマンに向けて、「資本家」という新しい生き方を提案する、必読のビジネス書。

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資本家マインドセット

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三戸政和 株式会社日本創生投資代表取締役CEO

株式会社日本創生投資代表取締役CEO。1978年兵庫県生まれ。同志社大学卒業後、2005年ソフトバンク・インベストメント(現SBIインベストメント)入社。ベンチャーキャピタリストとして日本やシンガポール、インドのファンドを担当し、ベンチャー投資や投資先にてM&A戦略、株式公開支援などを行う。2011年兵庫県議会議員に当選し、行政改革を推進。2014年地元の加古川市長選挙に出馬するも落選。2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行っている。また、事業再生支援を行う株式会社中小事業活性の代表取締役副社長を務め、コンサルティング業務も行っている。著書に『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 会計編』(いずれも講談社+α新書)がある。
Twitter: @310JPN

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