シェフにだけ通じる話ではない。どの職業にも通じる熱い肉声が詰まった本書を、働くすべての人に捧げたい。ごく普通のサラリーマンでもいい。その道のプロを目指すのなら、斉須の言葉に心が激しく高ぶるはずだ。その高ぶりこそ、著者からのメッセージだ。
(トニー片岡/「ポンツーン」2006年6月号より)
2006年に文庫化された『調理場という戦場』(斉須政雄著)が、じわりじわりと広がっています。大宮駅構内にある「リブロエキュート大宮」さんの激アツな展開にお礼をお伝えしたくてお店に行ったのですが、8年前の本をこうまでしてもらえるなんて……! 1日10~20冊も売れているそうです!!! 編集担当アリマとしては、「この名著をいま改めて広めたい!」の思いをおさえることができず、plusでも紹介させていただくことにしました。
本書の著者は、フレンチの名店「コート・ドール」(東京都港区三田)のオーナーシェフ・斉須政雄さん。フレンチと聞いて構えないでください。斉須さんは風貌も語る言葉も、優しくて無骨なのです。一流が語る言葉はジャンルを超えます。刊行して以降、料理人に限らず、就職活動中の学生やビジネスマンの方からたくさんのお便りをいただきました。
この本を作っていたときの僕は26〜7歳でしたが、お店で聞く斉須さんの話が刺激的で、帰り道は妙に昂っていたことを覚えています。インタビューは自分でテープ起こしをして、一言一句聞き漏らすまいとの思いで編集していました。
「世間の常識があなたのことを『いい』と認めるまで、頑張ればいいんです」
「見る。聞く。嗅ぐ。動く。身体の中にまで入り込んだ時に、初めて、言葉や手法は発露するのです」
「自分の能力に自信を持って突っ走ったら、今日はなかったのではないでしょうか」
「なにをやったか、よりも、『やらなかったこと』が今に至っていると思う」
「調理場でも、ほんとうは人間の生き方から出るダシが、『いちばんおいしいもの』なのです」
二十三歳で単身フランスに渡った斉須さん。もちろん、大変はことはたくさんあったそうです。目の前にあるのは、言葉の壁。文化の壁。人種の壁。生き方の壁……。
そんな壁を前に斉須さんはどうしたか。体当たりです。正面突破です。あっちこっちにぶつかって、満身創痍。それでも夢を手放さなかった斉須さんなので、語る言葉にはお為ごかしやキレイ事とは趣を異にする厳しさと優しさが宿っています。
試しにどこかのページを開いてみてください。昂ぶらずにはいられない言葉の数々に出会えるはずです。
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