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僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)

2022.04.26 更新 ツイート

『サラダ記念日』の俵万智さんへ、“サラダバー”から感謝をお伝え出来る日が来るとは 岡本雄矢

4月27日に発売になる、歌人芸人・岡本雄矢さん(スキンヘッドカメラ)の短歌&エッセイ集全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割

若い時から『サラダ記念日』に憧れていた岡本さんの、人生初の書籍。発売日の4月27日は「サラダバー記念日」となりました。

そんな本書に、俵万智さんから感動的な推薦文が…!

小さなマイナスを、小さなプラスに変えられるのが短歌だ。
岡本雄矢は、枯木のような日常を、歌の小花でいっぱいにする。
三十一文字の花咲か爺さんである。

――俵万智さん

嬉しさのあまり、夢見るようにくるくる回った岡本さん。この感謝をどうお伝えしようか…と、悩んだ岡本さんが、感謝の返歌&返エッセイを書きました。

*   *   *

【俵万智さんへ感謝の一首】
爺さんになるまで詠もう ひとつずつ小さな不幸を拾い集めて

20代前半の頃、本の中で見つけた自分の好きな言葉を、携帯電話のメモ機能にメモするということをしていました。

その言葉たちをたまに見返しては、やっぱりいいなあと感嘆したり、勇気をもらったりしてきました。

その中に、俵万智さんの短歌が何首かあります。

20代前半の僕は、まだ短歌など知らなかったのですが、俵万智さんの名前は知っていました。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

おそらく世界で1番有名な短歌と2番目に有名な短歌ではないでしょうか。

31文字でこんなに鮮やかに情景を描くことができるのか。

誰もが知っている言葉で、誰もが共感できることを、誰も言っていない言い方で言えるのか。

僕は短歌に興味を持つ前に、俵万智さんという人の書く言葉に興味を持ちました。

それから僕は、俵万智さんの歌集を読み、小説を読み、どんどんその言葉にハマっていきます。

お芝居の脚本を書いた時には、登場人物に俵万智さんの短歌を言わせるほどに好きになっていました。

 

出会いは1年半ほど前、ツイッターでした。

その日僕は、自らがYouTubeで開催している「芸人歌会」という、芸人が短歌を詠む会の告知ツイートをしました。

そのツイートに俵万智さんが興味を持ってくださったので、ダメ元でお誘いすると、評という立場で無償で参加しに来てくださったのです。

「こんなおばちゃんが若者に入って邪魔じゃないかしら」

有名なのに偉ぶるところが一切なく、とても丁寧に短歌の評もしてくださって、なんて素敵な人なんだと感じたのをよく覚えています。

 

そのご縁もあり、今回俵万智さんにご連絡したら、なんと推薦コメントを書いてくださいました。夢のようです。

小さなマイナスを、小さなプラスに変えられるのが短歌だ。
岡本雄矢は、枯木のような日常を、歌の小花でいっぱいにする。
三十一文字の花咲か爺さんである。

もうすでに何百回も読み直しています。そして何百回も嬉しくなった後に、ふと思いました。

花咲か爺さん?

爺さんと言ってくれてるということは、爺さんになるまで短歌を詠んでいてほしい。

そういう俵万智さんのメッセージも込められているのではないか?

そんなことを勝手に思い、勝手に盛り上がり、ひたすら喜んでいます。

 

なので僕は思います。

爺さんになるまで短歌を詠み続けよう。

歌の小花を、ひとつずつ丁寧に咲かせ続けよう。

そしていい花が咲いた時に、また俵さんに見てもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

関連書籍

岡本雄矢『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』

このコーナーが本になります! 誰にでもあるこんなトホホ、あんなトホホ。でも、ここにあるのは、とびきりのトホホ。――あなたに明日笑ってもらうために、世界の片隅で、僕の不幸をつぶやいてみました。“歌人芸人"による、フリースタイルな短歌とエッセイ。 穂村弘さん、俵万智さん、板尾創路さん、絶賛!(イラスト:谷端実)

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僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)

主に”不幸短歌”を詠む「日本にただ1人の歌人芸人」として活動する著者。
よく失敗する、言いたいことが言えない、反論したくても返せない、なぜ自分だけこんな目に合うのかといつも思う、自分には劇的なことが起こってくれないと嘆いて生きている……。
そんな著者から見える”世界”を、フリースタイルな短歌(&ときどきエッセイ)にしてお届け。
もしあなたが自分のことを「不幸だ」と思っているなら、「もっと不幸な男」がここにいると思ってください。

バックナンバー

岡本雄矢 主に”不幸短歌”を詠む「日本にただ1人の歌人芸人」

詠み始めるとなんでも”不幸短歌”になってしまうという特徴を持つ、「日本にただ1人の歌人芸人」。1984年北海道生まれ。吉本興業所属。コンビ名はスキンヘッドカメラ。角川短歌賞で予選通過。俵万智さんと対談も。読売新聞「読売歌壇」、日本経済新聞「日経歌壇」などの投稿欄に掲載。YouTubeで「芸人歌会」を開催。

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