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  4. 第170回 小谷世代

2022年、始まりました。今年も昨年同様、大久保さんとの恒例のお正月旅行はなしでしたが、“伊藤家”新年会は2年ぶりに開催。伊藤家はコロナ禍になってからほぼ隔週ZOOMで喋っていたので、なんならそれまでよりもたくさん会っている感覚でしたが、本当に顔を合わすのは2年ぶり。そしてその間、兄のとこの長女、つまりわたくしの姪っ子が一人成人を迎えまして。そうです、酒豪一家にもう一人“飲める人”が誕生していたのです。食事が始まる時、「あ、じゃあビールで」と控えめに挙手をする姪っ子ちゃん。それにこっそり興奮する叔母あさこ。ただ乾杯するも結局「まだそんなに飲めないんです」とのこと。「いいいい、あたしも若い時はそうだった。本当にお酒が美味しいな、ってなったのはずいぶん後だもの。」どうでもいい叔母さんの“酒初め”話をしながら、その姪の“乾杯だけでも”の気持ちに感動しまくり、そっとウーロン茶をさし出しました。

 

そんな伊藤家新年会があった1月2日オンエアだった「世界の果てまでイッテQ! 新春SP」。私は『女芸人一芸合宿 in 青森県』で“アーティスティックスイミング”に挑戦いたしました。今回の舞台は青森県西津軽郡鰺ヶ沢町のスポーツセンター。めっちゃくちゃ吹雪いている漁港でオープニングを撮った時、何故青森なのかを聞くと答えは「プールを貸してくださるところを探していったら青森に辿り着きました」とのこと。いやはや、ホントありがたいっす。

“アーティスティックスイミング”で言えば私はまさに“小谷”世代。そうです、1988年のソウルオリンピック出場の小谷実可子さんです。ソロでも、田中京さんとのデュエットでもメダルを取られて、そりゃ憧れますよ。憧れまくりんぐですよ。風呂に入っては笑顔で飛び出す練習をし。海でもプールでも水があるとこ行ったら、見様見真似で逆立ちして足を広げてみたり、回転してみたり。特につま先に超こだわりまして、ちゃんと伸ばして足先が水に入っていく感じ。もちろん出来るわけはないのですが、「シンクロごっこ!」と雰囲気満載でやっておりました。

とは言えもちろんこれらが何かの経験値になるわけもなく。“アーティスティックスイミング”の“ア”の字も知らないド素人。4日間しか練習時間がないので足のつくプールでやるのですが、技以前にどうやったら潜れるのか、どうやったら進むのか、水の中でカウントは取れるのか。11人もいたら本当にそれぞれだし、森三中・黒ちゃんにいたってはそもそも泳げないというか水が怖い。なかなか不安なスタートとなりました。

とにかく必死に練習しました。そこそこ年いってるメンバーにとっては地獄のような日々。プールの中では集中しているし、浮力に助けられているのかなんとか頑張れるのですが、いったん水から上がったらもう大変。一気に自分の体重に負けてプールサイドに倒れこんでしまう。「ああ、私、こんなに重かったんだ。そう考えるとカバとか水上に上がってきた時、もっとつらいんだろうなぁ。」きっと自分よりつらいであろうと勝手にカバの事を思いながら、体力が戻るまでゴロンと横たわっていた。

そして大技として私はバービーと二人でリフトをする事に。体重からバービーが下の支えで、私は上に立つ。これまた本当に難しかった。浮力があるとは言え、立ち上がったら完全に水の外。私の68キロの全体重がバービーの肩にかかるわけですから、出来うる限りスッと立ってスッと水に戻りたい。ただバービーが水の中でしゃがんでキープするのも難しいし、私もその不安定な肩に短い時間で乗ってぶれないように1本芯を通したように立たなければいけないのは至難の業でした。しかもバービーの体力含め、そう何度も練習出来るものでもなく。とにかく1回1回全部先生に見ていただき、細かくアドバイスを頂戴した。

今回の曲はミュージカル「ヘアスプレー」の中の『You Can‘t Stop the Beat』。正直みんなそんなに馴染みある曲ではなかったのですが、ある夜グループLINEにバービーが歌詞の日本語訳を送ってきてくれまして。タイトルからわかるようにとにかく“止められない”のです。“私を止めようとしてももうじっとしていられないの”“だって世界はぐるぐる回り続ける”“もっとシェイクしてシミーして今日という日をもっと楽しもう”。“シミー”が何かはよくわかりませんでしたが、とにかくこの曲の持つはじけるエネルギーみたいなものを感じられて急に曲が好きになった。バービー、ありがとう。私、止まらない。

一方、泳げなかった黒ちゃんも練習を重ねた結果水を恐れなくなり、さらにはクロールまで泳げるようになった。何でそこまでやったのか聞くと「災害時に備えて」。うん、いいよ。素晴らしいよ。「あちゃこ姉、見ててー」泳いで見せてくれる黒ちゃん。こっちまで嬉しくなっちゃうよ。

こうして5日目におこなった本番は大成功。細かい事を言ったら個人的にはもう一度やりたいとこはあるのですが、4日間の成果としてはフルで出し切れたかな、と。途中リフトの時、毎回バービーの頭を持って肩に乗っていたのですが、本番まさかの頭ヌルヌル事件が。実は練習の時は水泳帽をかぶっていたのですが、本番はまさにあの“シンクロヘア”。初めて知りましたが水の中で崩れないように髪の毛をたっぷりのゼラチンで固めるんですよね。なのでいつも通り頭をパッと触ったらツルン。めちゃくちゃ焦りましたがすごいもんで、乱れた時ほど二人の集中力が異常なまでに高まって、お互い瞬時に修正してなんとか立ち上がる事が出来た。ああ、よかったぁ。

そんなこんなな『女芸人一芸合宿』。スタジオでは宴会芸の話ばかりで、誰も演技の事を言ってくれませんでしたが、とにかくみんな頑張りました。体の疲れもまさかの1か月取れませんでしたが(そんなバナナ)、結果とても楽しい時間となりました。今年も今回の曲のタイトルのように“止められない”、またまた頑張る1年にしたいと思います。あ、身体はいたわりながらで。どうぞよろしくお願いいたします。

 

【本日の乾杯】蒸したジャガイモに十字を入れて、バターとたっぷりの塩辛をかける。これ、誰が発明したんでしょうね。ビールからの日本酒ロック。無限。

関連書籍

いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。』

ぎっくり腰で一人倒れていた寒くて痛い夜。いつの間にか母と同じ飲み方をしてる「日本酒ロック」。緊張の海外ロケでの一人トランジット。22歳から10年住んだアパートの大家さんを訪問。20年ぶりに新調した喪服で出席したお葬式。正直者で、我が強くて、気が弱い。そんなあさこの“寂しい”だか“楽しい”だかよくわからないけど、一生懸命な毎日。

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