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#こんな時だからこそ読みたい本 幻冬舎社員リレー

2020.05.08 公開 ポスト

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旅人の思考を追体験して窮屈さを忘れる(校正部門・福田宗保)幻冬舎編集部

13人目は、出版局・校正部門の福田宗保より。

*   *   *

かつて旅文庫フェアというものがあった。

タイトな制作日程で、校正部員としてはシンドイ仕事ではあったのだが、意外と好きだった。

旅に熱心でもない私がなぜ? と改めて考えてみると、それは旅への興味というより、旅人(著者)への好意だったのかもしれない。

旅本は、旅そのものではなく、旅人の思考や感覚を追体験するものだからだ。

 

優れた旅人は、優れた書き手でもあることが多い。

今の窮屈な思いを忘れさせてくれる旅本をご紹介したい。

 

 

『ワセダ三畳青春記』は、辺境探検作家・高野秀行さんの自伝的小説。

「なぜか私の行く先々にはいつも変人が待ちかまえているのだ」という特殊体質の高野さん。

古アパートで奇人変人に囲まれて過ごした賑やかで突飛な日々は、頰が自然と緩むオモシロさで、読後にはまるで自分もその時間を共有していたような気分になる。高野さんの筆力によるところが大きいのだろう。

人との出会いも、異世界体験であり、つまりは旅なのだということを教えてくれる本だ。

 

『あの日、僕は旅に出た』は、旅行作家・蔵前仁一さんの回想記だ。

もともと旅に関心のなかった蔵前さんだが、インドを訪れて以降、世界中を巡るようになる。

「ネパールがどこにあるのかも知らず、アフリカでなにが起こっているかも知らない人間が、『おしん』を見ろと僕にいう。僕が興味があるのは『おしん』ではなく、あなたが興味のない世界のことなんだよ」

これは見ず知らずの老人から、「おしん」を見て真面目に働け、と説教された際の蔵前さんの思いだ。

旅の本質を、更には人の在り方を考えさせられる本だ。

 

旅本に限らず、そもそも本は、いつでもどこでも別世界を体験できるツールである。

本を読めば、"stay home"でも人は旅をすることができるのだ。

#こんな時だからこそ読みたい本

高野秀行『ワセダ三畳青春記』

三畳一間、家賃月1万2千円。ワセダのぼろアパート野々村荘に入居した私はケッタイ極まる住人たちと、アイドル性豊かな大家のおばちゃんに翻弄される。一方、私も探検部の仲間と幻覚植物の人体実験をしたり、三味線屋台でひと儲けを企んだり。金と欲のバブル時代も、不況と失望の九〇年代にも気づかず、能天気な日々を過ごしたバカ者たちのおかしくて、ちょっと切ない青春物語。

蔵前仁一『あの日、僕は旅に出た』

「インドにでも行ってみたら」。親しくもない同僚の一言で、僕はインドへと旅立った。騙され、裏切られ、日記までも盗まれて。それなりに真面目に生きてきた僕の常識は、一瞬にして崩壊する。だが、この最低最悪の経験こそが、30年に及ぶ旅の始まりだった……。いい加減な決断の連続で、世界中を放浪し、旅の出版社まで立ち上げた著者の怒濤の人生。

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