春に芽吹く葉も枯れ葉も色や質感を除けばほとんど同じような形をしていて、だから人生の春に喩えられた、生殖が可能になってから成人するまでの間にいる今の高校生も姿形は大人とそれほど変わるわけじゃなくて、時代によってその扱いは大人であったり子供になったり社会が都合よく決めてきた。
育まれる子供から生産する大人までの間の移行期。自分の意思がないと怒られるのに、自分の意思でどうにもならないことが多すぎる微妙な時期。ちょっと前までは急速に膨らむ胸や初潮などグロテスクな身体の変化にゾワゾワしていたはずが、今はほとんど大人と同じ形まで成長した、そんな身体を試運転するみたいに、私たちはアンゼンな教習所の中で動き回った。
普段あまり見ないラテ欄を見て驚いたのだけど、そんな、簡単にいってしまえば青春時代を描いた私の好きな漫画2作がほぼ同時に今季テレビドラマ化されている。片方は篠原知宏『鈍色の箱の中で』。もう片方はビーノ『女子高生の無駄づかい』。叙情的で深刻でいかにも青春の傷でございという涙が綺麗な絵で描かれる青春漫画と、終始ふざけた登場人物がふざけた輪郭で描かれるギャグ漫画は、それぞれ非常に漫画らしいそのジャンルの文法にのっとった、別にリアルさに何の重きも置いてはいない作品ではある。
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夜のオネエサン@文化系
夜のオネエサンが帰ってきた! 今度のオネエサンは文化系。映画やドラマ、本など、旬のエンタメを糸口に、半径1メートル圏内の恋愛・仕事話から人生の深淵まで、めくるめく文体で語り尽くします。
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