

よき妻、よき母、よき主婦像に縛られながらも スノッブな女として生きた作家・森瑤子。 彼女は果たして何のために書き続けたのか。 『安井かずみがいた時代』の著者が、五木寛之、大宅映子、北方謙三、近藤正臣、山田詠美ほか数多の証言から、成功を手にした女の煌めきと孤独、そして彼女が駆け抜けた日本のバブル時代を照射する渾身のノンフィクション。 1978年、一人の主婦が「情事」を書いて、三十八歳で作家になった。妻であり、三人の娘の母であること以外に何者でもない自分に苛立ち、充足できないでいた伊藤雅代にとって、森瑤子という自身で名付けた名前と自分で手にした収入は、どれほどの解放感をもたらし、自尊心を回復させたことだろう。名声と経済力は、魔法の杖のように彼女の人生を生き生きとしたきらびやかなものへ変えていった。そうして、母娘の葛藤、主婦の自立、セクシュアリティといった「女のテーマ」を誰よりも早く日本で小説にしたのであるーー(本文より) <森瑤子> もう若くない女の焦燥と性を描いた「情事」で第2回すばる文学賞を受賞し38歳でデビュー。またたくまに流行作家となり、都会的でスタイリッシュな小説を多数刊行していく。華やかなライフスタイルを披露する一方、イギリス人の夫、3人の娘たちとの軋轢を赤裸々にエッセイに記し、女たちの憧れと圧倒的な共感を集めた。胃癌のため、52歳で逝去。 <目次> グラマラスな小説家 伊藤家の長女 60年代の青春 母と娘I 長女の場合 二人のヨーコ ~佐野洋子と森瑤子~ バブルとブーム 母と娘II 次女の場合 インナートリップ 社交の華 ミセス・ブラッキン 時分の花 運命の男 母と娘III 三女の場合 ハンサム・ウーマン 「情事」誕生
日々更新する
多彩な連載が読める!
専用アプリなしで
電子書籍が読める!
おトクなポイントが
貯まる・使える!
会員限定イベントに
参加できる!
プレゼント抽選に
応募できる!