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光の角度

2021.06.02 更新 ツイート

乃木坂46・鈴木絢音×辞書編纂者・飯間浩明 対談#4

乃木坂46・鈴木絢音の悩みを、辞書編纂者が解決! 飯間浩明/鈴木絢音

辞書が大好きなアイドル・乃木坂46の鈴木絢音さんと、「辞書の神様の生まれ変わり」と評される辞書編纂者・飯間浩明先生の異色の対談、小説幻冬5月号でお届けしたものを抜粋してお届けします。ブログなどでファンに向けての発信をする際、悩んでいることがあるという鈴木さん。辞書の力を借りながら「伝わる伝え方」を叶える方法を、飯間先生に伺いました。(構成・文/森本裕美、小説幻冬2021年5月号掲載)

前回はこちらから。

*   *   *

使っていい・悪いではなく、自分の気持ちを表現できる言葉を選ぶ

鈴木 あと私、ブログを書くうえで先生にご相談したいことがあるんです。

飯間 はい、なんですか?

鈴木 「まじ」「やばい」という言葉を、私の母がすごく嫌いなんです。母は、丁寧な言葉遣いというか、きれいな言葉遣いをしなさいとずっと幼少期から言ってくれていて、「まじ」「やばい」だけ、使うととても怒るんです。先生はどう思われますか?

撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)

飯間 私は、どの言葉も好きでしてね。「まじ」も「やばい」も好きだし。「ゴミ」とか「カス」とかいう言葉も、それぞれの歴史があって好きなんです。私たちが日常使っている言葉はどれも、何かの理由があって、必要とされて生まれてきているんです。たとえ仲間内でふざけて使う俗語でも、その言葉を使うことで、お互いの気持ちが伝わるという効用があります。言葉の一つひとつが、とても大切なものだと思うんです

鈴木 はい。

飯間 だから鈴木さんにも、ぜひ「まじ」や「やばい」をのびのびと使ってほしいんですけど、それをお母さんに納得してもらわないといけないんですよね?

鈴木 そうです。うまく説得できればと思っているのですが。

飯間 どう言えばいいのかな……。方法としては、どちらも歴史のある、伝統的な言葉ですよという伝え方があるかもしれないですね。

鈴木 なるほど、歴史があるんですか。

飯間 「まじ」っていう言葉は実は江戸時代からあるんです。『新明解国語辞典』にもさすがにそこまで書いてないと思うんですけど、ちょっと確認してみましょうか……。「〔学生などの間で〕『まじめ』の口頭語における省略表現」

鈴木 その後の例文も面白いですね。「俺学校やめようとまじで思っているんだ」。

飯間 すごい例文ですね。で、その後が「それ、まじ〔=ほんとうか〕」

鈴木 あははは。そちらも面白いです。

飯間 『新明解』が説明してくれると、それだけで使っていい言葉のような気がしてきますよね。せっかくですから、『日本国語大辞典』というもっと分厚い辞書で「まじ」を引いてみましょうか。そうするとですね、えーっと、「『まじめ(真面目)』の略」。さらに、「まじ」が使われている古い文献の年も出ています。1781年って書いてあります。

鈴木 そんなに古くからある言葉なんですか!

飯間 つまり江戸時代ですよ。で、「やばい」もけっこう古いです。えっとね、江戸時代は「やばい」という形じゃなくて、「やば」って書いてある。歌舞伎の例が出ていて、1789年って書いてあります。

鈴木 こちらも古いんですね!

飯間 江戸時代には、「やばだね!」というような言い方をしていたらしいです。それが明治時代になって、「あ、警察が来るぞ、やばい」とかね。で、今は悪い意味だけじゃなくて良い意味でも使われるようになりました。だから、お母さんに「『まじ』も『やばい』も、江戸時代からある言葉なんだよ」って言うと、認めてくれるんじゃないでしょうか。

鈴木 じゃあ、今度母に注意されたらそういうふうに言ってみます。

飯間 普段文章を書く時には、この言葉は使っていい言葉かなって考えるのもいいですが、まずは、自分の気持ちがその言葉でどれだけ表現できるかっていうことを考えたほうがいいんじゃないかなと思います。

鈴木絢音1st写真集『光の角度』

乃木坂46鈴木絢音さんのファーストソロ写真集。画家・ゴーギャンの愛したタヒチで撮影。のびやかに海を泳ぐ姿、テラスで本を読む横顔、お酒に酔って眠ってしまった寝顔、ちらりと覗くうなじの白さ……。タヒチの自然と鈴木さんの様々な表情が重なる、物語性のある一冊。

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乃木坂46鈴木絢音さんファースト写真集の発売が決定いたしました。
情報をこちらにアップしていきます。

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飯間浩明

1967年生まれ、香川県出身。『三省堂国語辞典』編集委員。早稲田大学院文学研究科博士後期課程単位取得。NHK Eテレ「使える! 伝わる にほんご」講師など、日本語教育番組にも携わる。

鈴木絢音 乃木坂46

1999年3月5日生まれ、秋田県出身。乃木坂46の二期メンバー。中学二年生の時に乃木坂46の二期生オーディションに参加し、合格。研究生として活動をスタートした。2015年に正規メンバーに昇格。2018年に21stシングル「ジコチューで行こう!」で初の選抜メンバー入りを果たす。

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