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光の角度

2021.05.30 更新 ツイート

乃木坂46・鈴木絢音×辞書編纂者・飯間浩明 対談#3

乃木坂46・鈴木絢音が自分の写真にタイトルをつけてみた 飯間浩明/鈴木絢音

辞書が大好きなアイドル・乃木坂46の鈴木絢音さんと、「辞書の神様の生まれ変わり」と評される辞書編纂者・飯間浩明先生の異色の対談、小説幻冬5月号でお届けしたものを抜粋してお届けします。鈴木さんのファースト写真集『光の角度』の写真を用いて、短い言葉で伝えるときにどんなことに気をつけたらいいか、飯間先生に教えていただきました。(構成・文/森本裕美、小説幻冬2021年5月号掲載)

*   *   *

撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)

「ライター」の説明を一行書くために徹夜

飯間 短い言葉で伝えるというのはとても難しいんですよね。例えば、私たちが作っている『三省堂国語辞典』に「ライター」っていう項目があるんですけれども。ここ……、「タバコの火をつける器具」って書いてありますよね。実は私、これを書いた時に徹夜をしたんです

鈴木 そうなんですね、なぜですか?

飯間 どうしてかというと、ライターって色々な方式があるんですよ。電子ライターでパチンとつけるものもあれば、シュボッとヤスリで発火石をこすって摩擦で火をつけるライターもある。パチンとシュボッと両方あって、これをどうやって説明したらいいのかなと思って、ライターを分解して構造を調べはじめたんです。

鈴木 なるほど、すごい。

飯間 で、調べているうちに夜が明けてきて、悩んだ末、これは「タバコに火をつける器具」と書くのが一番いいという結論になりました。そりゃそうですよね。でも、この一行を書くためにけっこう血と汗が滲んでいるわけですよ。

鈴木 「ライター」という単純な言葉の説明の裏にそんなご苦労があったんですね。

飯間 ところが、最新版でそう説明したら、読者から指摘を受けました。「ライターって、タバコ以外の火もつけるでしょう」って。

鈴木 なるほど、そんな指摘があったんですか!

飯間 誕生日のケーキのロウソクなんかも、ライターでつけたりしますね。それを指摘されて、がっくりきました。そんなことを日々経験しているうちに、自分だけ悩むのが段々いやになってきました(笑)。そこで、鈴木さんが去年の11月に出された写真集『光の角度』を見ながら、一緒に写真の説明文を考える作業をしてみようと。いかがですか。

鈴木 私も同じ苦労を味わうんですね(笑)。

飯間 はい。鈴木さんと一緒に悩んでみたいなと思ったわけです。写真集の中から、これはという写真を選んで、タイトルをつけてみましょう。

伝わる伝え方1 全てを説明せず一点にフォーカスする

飯間 お気に入りの一枚っていうのはありますか?

鈴木 この、本を読んでいる写真、お気に入りです。

撮影/新津保建秀

飯間 いいですね。私なんか「本を読む少女」、そのままのタイトルをつけがちなんですが。

鈴木 たしかに、本を読む少女ですね。

飯間 そうなんですけど、この写真の特徴を表すようなフレーズが欲しいんですよね。例えばこの本は何ですか?

鈴木 なんだったかな……。日本語ではなくて、撮影した場所にあった本です。ここは記念館のような所で、タヒチの資料などが置かれていました。

飯間 本が置いてあって、ちょっと読んでみようかと。他に説明に使えそうな要素はありますか?

鈴木 何がありますかね、難しいですね。

飯間 おそらくね、写真の全部の特徴を言うのは無理です。どこか一点だけですね。

鈴木 今見ていて気になったのは、右ひじをなぜか左足にのせているんですよね。こんなきつい体勢でなぜ読んでいるんだろうって思いました。

飯間 じゃあもうできましたよ。「きつい体勢で読書」

鈴木 あははは、たしかにその通りですね!

飯間 きつい体勢で読書をしているんだっていうことまでは、写真を見る人はなかなか観察できないですよね。でもモデル本人が言っているんだから間違いない。

鈴木 タイトルで、そのきつい体勢について教えて、この写真に対する理解が深まるということですね。

飯間 そう、理解が深まる。

鈴木 なるほどなるほどなるほど! 面白~い!

鈴木絢音1st写真集『光の角度』

乃木坂46鈴木絢音さんのファーストソロ写真集。画家・ゴーギャンの愛したタヒチで撮影。のびやかに海を泳ぐ姿、テラスで本を読む横顔、お酒に酔って眠ってしまった寝顔、ちらりと覗くうなじの白さ……。タヒチの自然と鈴木さんの様々な表情が重なる、物語性のある一冊。

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光の角度

乃木坂46鈴木絢音さんファースト写真集の発売が決定いたしました。
情報をこちらにアップしていきます。

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飯間浩明

1967年生まれ、香川県出身。『三省堂国語辞典』編集委員。早稲田大学院文学研究科博士後期課程単位取得。NHK Eテレ「使える! 伝わる にほんご」講師など、日本語教育番組にも携わる。

鈴木絢音 乃木坂46

1999年3月5日生まれ、秋田県出身。乃木坂46の二期メンバー。中学二年生の時に乃木坂46の二期生オーディションに参加し、合格。研究生として活動をスタートした。2015年に正規メンバーに昇格。2018年に21stシングル「ジコチューで行こう!」で初の選抜メンバー入りを果たす。

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