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今日の私がいちばんキレイ 佐伯流人生の終いじたく

2020.06.26 公開 ツイート

オジサマもオバサマも、気をつけたい加齢臭 佐伯チズ

6月5日にALS(筋萎縮性側索硬化症)のため、76歳で逝去された美容家の佐伯チズさん。
ALSと診断されたことを公表されてからも、病と向き合いながら美容家としての活動を可能な限り継続したい、という意思をお持ちでした。2015年に発売された『今日の私がいちばんキレイ 佐伯流人生の終いじたく』にも、人生で起こる想定外のことが、新たな人生を切り開くことにつながったと書かれています。本書の中から、美容にとどまらない著者の考え方、実践例など、年齢を重ねることが楽しみになるエピソードを紹介します。

(写真はイメージです:iStock.com/axeiz77)

どんなに立派な家でも、築六十年ともなればあちこちが傷んで壁も薄汚れてきます。人間だって長く生きていれば、ほころびやくすみが出てきて、うっかりすると不潔っぽくなってしまうものです。それを少しでもカバーするよう、年を重ねたらこれまで以上に“清潔感”ということを意識したいと思います。

 

縮れ毛だった私の夫は、毎朝四十分かけてヘアセットをして、ひげは二度剃りしていました。靴はピカピカ、ズボンの線もきっちり、まるで映画俳優のように全身をビシッと決めて玄関に立ちます。仕上げに私がゲランの『アビ・ルージュ』というコロンをちょんちょんとつけたハンカチを夫のポケットに入れて送り出すというのが、朝のセレモニーでした。特別なブランド品を纏(まと)うわけではないけれど、髪やひげをきちんと整えて、清潔感のあるものを身につけていると、スカッとして年齢など感じさせないものです。

男性でも女性でも、そのような爽快な人を見ると、私は「イカしてる」と思います。たとえお年を召していても、その方から加齢臭が出ているようには見えないではないですか。

 

ちなみに、加齢臭というのは何もオジサマだけの特権ではありません。女性にもあてはまるもので、とりわけ注意したいのが口臭です。胃の老化、歯茎の劣化、唾液の減少など、口臭の原因はさまざまです。私は口臭予防として歯磨きガムを噛(か)んだり、マウスウォッシュ(洗口液)でうがいをしたりしています。

そして夜の歯磨きはペーストを使わずに、ブラッシングと歯間ブラシですみずみまでお掃除します。さらに、ときどき歯茎にあら塩をつけてマッサージをするのです。口内のケアをしっかりとしていれば自分自身が気持ちいいし、歯の病気予防にもなります。そして何よりも人と堂々とお話しすることができます。

 

また、清潔感ということでいえば、体の中の「白い部分」をぜひ意識してみてください。「魚は目を見て買え」というように、“白目”というのは生き物の鮮度が顕著に表れる部分です。その証拠に、赤ちゃんの目は真っ白で澄んでいます。一方、目が疲れていたり、睡眠不足のときは目が充血しやすく、年齢を重ねると白目が黄色っぽく濁ってくるものです。

最近は“デカ目メイク”ブームによる過剰なアイメイクによって、若い女性も白目が汚れていると聞いたことがあります。自然な加齢現象は仕方がありませんが、私は少しでも目をきれいに保つため、クレンジングでメイクを落としたあとは、必ず精製水で目の中もケアするようにしています。

 

歯もしかり、目もしかり。本来白い部分が純白に近い状態に保たれていると、清潔感は一気にアップします。逆に歯や目が黄ばんでいると、全体的にトーンダウンして見えるものです。フレッシュな女性であり続けるために、三十歳を過ぎたらぜひ意識して「清潔」を心がけることをお勧めします。

関連書籍

佐伯チズ『今日の私がいちばんキレイ 佐伯流 人生の終いじたく』

人と比較しない。人に過剰な期待をしない。人の言葉に流されない。 「妙な気負いやプライドから解放された、還暦以降の日々はなかなか楽しい。 人と比較しない。人に過剰な期待をしない。人の言葉に流されない。 これを習慣づけると、生きるのがとても楽になります」 美容アドバイザーとして絶大な信頼を得る著者が、60歳からの暮らしや美、心の持ち方、そして自身も目下実践中という「終いじたく」にいたるまでを綴る。 年齢を重ねることって素晴らしい! と感じることができる一冊。

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今日の私がいちばんキレイ 佐伯流人生の終いじたく

6月5日にALS(筋萎縮性側索硬化症)のため、76歳で逝去された美容家の佐伯チズさん。
ALSと診断されたことを公表されてからも、病と向き合いながら美容家としての活動を可能な限り継続したい、という意思をお持ちでした。2015年に刊行された『今日の私がいちばんキレイ 佐伯流人生の終いじたく』にも、人生で起こる想定外のことが、新たな人生を切り開くことにつながったと書かれています。本書の中から、美容にとどまらない著者の考え方、実践例など、年齢を重ねることが楽しみになるエピソードを紹介します。

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佐伯チズ

1943年生まれ。OLを経て美容学校、美容室勤務ののち、1967年にフランスの化粧品メーカー・ゲランに入社。その後、渡米などを経て、1988年、パルファン・クリスチャン・ディオールのインターナショナルトレーニングマネージャーに就任、美容部門スタッフの育成にあたる。2003年同社を定年退職後、エステティックサロン「サロン ドール マ・ポーテ」を開業。美肌師、生活アドバイザーとして、雑誌、テレビ、各種講演などさまざまな場で活動。2012年から成安造形大学の客員教授も務めている。主な著書に『頼るな化粧品! ─顔を洗うのをおやめなさい!』『美肌革命─お金をかけずにきれいになる』『佐伯チズ、美の流儀─肌、人生、仕事についての129のレッスン』(以上すべて講談社)などがある。

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