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明日はもっと面白くなるかもしれないじゃない?

2020.04.06 公開 ツイート

疲れてきたら、寝る前に自分の体に「ありがとう」って語り掛けるの 我妻マリ

70歳を迎えた今も、現役で活躍し続けている伝説のモデル・我妻マリさん。
17歳でモデルデビューした後、サンローランのオート・クチュールモデルを10年間務め、パリコレへ進出。
イッセイ ミヤケ、ティエリー・ミュグレー、ジャン⁼ポール・ゴルチエなど数々のショーで活躍し、日本人モデルがパリコレクションへ進出する礎を築きました。
そして、60歳を過ぎて栃木県に移住。ファッションの最前線に立ち続ける一方、運転免許も取得し、女ひとり(+猫たち)で自然を謳歌して暮らしています。

本書『明日はもっと面白くなるかもしれないじゃない?』は、そんな我妻マリさんの初めての著書。50年以上のモデル歴で培った、おしゃれの真髄、体の慈しみかた、そして年齢を重ねることについて―。少しずつですがご紹介いたします。

化粧水はゆっくり染み込ませながら、何度も入れる

田舎に引っ越してきて悩んだのが、手荒れや肌荒れ。どうしても乾燥しちゃうのね。だから大事なのは保湿。ちょっとカサついてきたなあと思ったら、普段使っている化粧水や乳液をいつもの倍使います。

このときは、ゆっくりゆっくり。化粧水を手にとったら、自分の顔をそーっと包むように優しく触れる。そうすると、肌がその水分をすーっと吸い込むのがわかります。吸い込んだのを感じたら、もう一度同じことをくり返す。

一度に大量に塗ると浮いちゃうのね。だから、染み込んだと思ったらまた入れる。これをくり返します。

化粧水は2度から3度くらい。やっているうちに、肌が「もう十分うるおったよ」と感じるのがわかるから、そのあと乳液を1、2度のせていく。

ものによるけれど、脂っこいものなら1回でいいかな。栄養クリームは最後に2回くらい。乾いたらまたのせるというイメージ。すぐにクリームを吸収するようだったら、肌が欲しがっている証拠だから、もう一度上からのせてみて。

それぞれ何回くらい入れればいいかというのは、肌に聞いてみるといいのよ。「もっと欲しい?」って。だんだん手触りがもちもちしてくるから、そうしたら十分いきわたったということ。

顔だけではなくて、手や足もいたわってあげます。畑仕事をするとやっぱり手が荒れるし、寒い時期はとくにひび割れしやすくなるので、手の保湿は欠かせません。

ハンドクリームも化粧水と同じで、一度全体に塗ったら、もう1回のせてみる。二重三重に重ね付けすると、ひび割れしません。

足は木綿のソックスを穿くようにしています。寝る前には、保湿力の高いオイルを塗ってから寝る。そうしないとガサガサになっちゃうのね。このとき、手をそっとのせて足をさすってあげるのがいいんですよ。

疲れている時は、体にも声を掛けて

すごく疲れているときは、足や腕を自分でさすって「大変だったね。頑張ってくれたね」と声をかけるんです。「ありがとう」という気持ちを込めて、ゆっくりさすってから布団に入ると、不思議なことに、次の日はすっきり疲れが取れているのよね。

「手当て」という言葉はよく言ったもので、手からは光が出ているんですよ。光明というらしいです。自分の手ほど、エネルギーを持っているものはありません。その手で自分の体をゆったり包んであげて「今日も頑張ってくれてありがとう」と語りかけると、体は自然と元気を回復してきます。

本当に体がきついときは、体をさすって声をかけていると、知らず知らずのうちに涙が出てくることもあります。そういうときは、自分も辛いけれど体だって辛いのよね。それをちゃんと受け止めて「お疲れさま」とねぎらってあげると、マッサージに行くよりも体が軽くなる。

自分の中に何かがたまっているなあと思うときも、深く息を吐きながら、体をさすっていくんです。

そうすると、どこを触ってほしいか、自然とわかってくるんですよね。体がいま、触ってほしい場所に自然と手が伸びるんです。その場所をゆっくり呼吸をしながらさすっていると、おりのようなものがすっと抜けていく。凝り固まっていた内臓も動き出すのがわかります。

このときボディ用のオイルを使うと、さらに血行がよくなってぐっすり眠れます。仕事でホテルに泊まるときも、移動で足が疲れていたりするから、必ずオイルを持っていきます。そのまま寝るとむくみがとれないのだけれど、ほんの5分でいいから自分でマッサージすると、滞りがなくなるのね。

心臓のところをゆっくりさすったり押さえてあげるのもいいですよ。ゆっくり呼吸しながら、胸を触るんです。一日中休むことなく動いているんですもの。大変な労働ですよね。止まったら死んじゃうわけだから。だから「今日もありがとう」と心臓に声をかける。心臓だけじゃないわよね。細胞ひとつひとつに命がある。たくさんの命をもらって生きてる。そんなことを感じます。

体を大事にする方法は、母から学びました。亡くなるだいぶ前だから、20年くらい前だったでしょうか。母は普通の主婦でしたけれど、仏教徒で信心深かったんですよね。なにをするのでも「ありがたい、ありがたい」というのが、口癖の人。

私がいまでも現役で元気にモデルを続けられているのは、自分の体や周りのものに話しかけることを教えてくれた母のおかげだと思っています。

関連書籍

我妻マリ『明日はもっと面白くなるかもしれないじゃない?』

・断捨離は二度としないわ ・サンローランから学んだファッションの真髄 ・ジャケットを着ると気持ちも体のラインも引き締まる ・大切な服には手と声をかけてみて ・シャネルは80代になったら着てみたい ・とっておきこそ普段使いを ・三宅一生さんから教わったストールを美しくまとう方法 ・靴を磨くということは自分を磨くということ ・ユニクロも欠かせない ・アクセサリーは直感を信じて選べばいい ・ブライトカラーの服で肌を元気に見せる ・ときどき「見られる」感覚を呼び戻す ・自分が好き!と思った服は、服も味方になってくれる(位置)

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明日はもっと面白くなるかもしれないじゃない?

我妻マリ。モデル歴50年。今もファッションの最前線に立ちながら、60歳を過ぎて田舎へひとり移住した彼女が語る「受け入れる、けれど諦めない」37の生き方。

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我妻マリ モデル

1967年、17歳でモデルデビュー。
広告、CF、ファッション誌、ショーモデルで活動。
19歳からオート・クチュールモデルとして10年間の経験を積む。
1977年にパリコレデビュー。イッセイ ミヤケ、ティエリー・ミュグレー、ジャン⁼ポール・ゴルチエ等、数々のデザイナーズブランドのショーにも出演し、日本人モデルがパリコレクションへ進出する礎を築いた。
現在はモデルとしての枠を超えて、画家、講師などユニークな才能を今も尚、発揮し続けており、圧倒的な存在感で、多くのファンに支持されている。

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