1. Home
  2. 社会・教養
  3. オスマン帝国英傑列伝
  4. チューリップ時代の始まり【伝説の絵師レヴ...

オスマン帝国英傑列伝

2019.10.21 更新 ツイート

チューリップ時代の始まり【伝説の絵師レヴニー(2)】小笠原弘幸

およそ600年という史上まれに見る長期間、繁栄を誇ったイスラムの盟主「オスマン帝国」。前代未聞の大帝国を築いたのはどんな人物たちだったのか。
ベストセラー『オスマン帝国』(中公新書)の著者小笠原弘幸氏がオスマン帝国の傑物10人を考察する新連載。
今回は天才絵師レヴニーを取り上げます。

天才絵師の登場

レヴニーとは、彼が絵師として名を成したあとの筆名である。その意味は、「色」。彼が得意とした、明るく色彩豊かな細密画の作者にふさわしかろう。

彼の本名は「アブデュルジェリル」であり、「偉大な者の奴隷」を意味する。もともと、「アブド」は「奴隷」、「ジェリル」は「偉大な」の意味のアラビア語の単語である。イスラム教では、アッラーは99の美称を持つとされており、「ジェリル(アラビア語の発音だとジャラール)」もそのひとつであった。つまり、ムスリムによく見られる「アブドゥッラー」や「アブドゥッラフマン」など、「アブド~」という名は、すべて「神の奴隷」という意味なのである。

ここから先は会員限定のコンテンツです

無料!
今すぐ会員登録して続きを読む
会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン

小笠原弘幸『オスマン帝国-繁栄と衰亡の600年史』

オスマン帝国は1299年頃、イスラム世界の辺境であるアナトリア北西部に誕生した。アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸に跨がる広大な版図を築くまでに発展し、イスラムの盟主として君臨した帝国は、多民族・多宗教の共生を実現させ、1922年まで命脈を保った。王朝の黎明期から、玉座を巡る王子達の争い、ヨーロッパへの進撃、近代化の苦闘、そして滅亡へと至る600年を描き、空前の大帝国の内幕に迫る。

関連キーワード

{ この記事をシェアする }

オスマン帝国英傑列伝

バックナンバー

小笠原弘幸

1974年北海道北見市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、九州大学大学院人文科学研究院イスラム文明学講座准教授。専門は、オスマン帝国史およびトルコ共和国史。著書に『イスラーム世界における王朝起源論の生成と変容――古典期オスマン帝国の系譜伝承をめぐって』(刀水書房、2014年)、『オスマン帝国――繁栄と衰亡の六〇〇年史』(中公新書、2018年)。編著に『トルコ共和国 国民の創成とその変容――アタテュルクとエルドアンのはざまで』(九州大学出版会、2019年)。
 

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP