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オスマン帝国英傑列伝

2019.10.07 更新 ツイート

知られざるイスラム絵画の魅力【伝説の絵師レヴニー(1)】小笠原弘幸

およそ600年という史上まれに見る長期間、繁栄を誇ったイスラムの盟主「オスマン帝国」。前代未聞の大帝国を築いたのはどんな人物たちだったのか。
ベストセラー『オスマン帝国』(中公新書)の著者小笠原弘幸氏がオスマン帝国の傑物10人を考察する新連載。
今回は天才絵師レヴニーを取り上げます。

『祝祭の書』の一枚(出典:Gül İrepoğlu, Levni: Painting, Poetry, Colour, Istanbul: Kültür ve Turizm Bakanlığı Yayınları, 1999)

天才絵師の自画像

前回とりあげたキョセムの死没から、半世紀ほど時計の針を進めたい。

今回の舞台は、18世紀初頭である。

ときのスルタンは、アフメト三世(位 1703-1730)。キョセムの曾孫にあたる。1720年、彼の王子4名の割礼の儀式が執り行われ、慶事を祝う豪奢な祝祭が15日間にわたって開催された。これを寿(ことほ)いだ、『祝祭の書』という書物がある。当代一流の文人セイイド・ヒュセイン・ヴェフビーが筆をとり、日々の祝宴を活写したこの作品には、文章のみならず多数の挿絵が含まれており、視覚的にもこの大祭のようすを今に伝えている。

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小笠原弘幸『オスマン帝国-繁栄と衰亡の600年史』

オスマン帝国は1299年頃、イスラム世界の辺境であるアナトリア北西部に誕生した。アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸に跨がる広大な版図を築くまでに発展し、イスラムの盟主として君臨した帝国は、多民族・多宗教の共生を実現させ、1922年まで命脈を保った。王朝の黎明期から、玉座を巡る王子達の争い、ヨーロッパへの進撃、近代化の苦闘、そして滅亡へと至る600年を描き、空前の大帝国の内幕に迫る。

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小笠原弘幸

1974年北海道北見市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、九州大学大学院人文科学研究院イスラム文明学講座准教授。専門は、オスマン帝国史およびトルコ共和国史。著書に『イスラーム世界における王朝起源論の生成と変容――古典期オスマン帝国の系譜伝承をめぐって』(刀水書房、2014年)、『オスマン帝国――繁栄と衰亡の六〇〇年史』(中公新書、2018年)。編著に『トルコ共和国 国民の創成とその変容――アタテュルクとエルドアンのはざまで』(九州大学出版会、2019年)。
 

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