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オスマン帝国英傑列伝

2019.08.05 更新 ツイート

代表作は皇后ヒュッレムのために建てた大浴場【天才建築家ミマール・スィナン(2)】小笠原弘幸

およそ600年という史上まれに見る長期間、繁栄を誇ったイスラムの盟主「オスマン帝国」。前代未聞の大帝国を築いたのはどんな人物たちだったのか。

ベストセラー『オスマン帝国』(中公新書)の著者小笠原弘幸氏が、オスマン帝国の傑物10人を考察する新連載。今回はトルコのミケランジェロと呼ばれた天才建築家ミマール・スィナンです。
 

オスマン帝国の拡大とともに軍歴を重ねたスィナン

 

イェニチェリ軍団(ウィキメディア・コモンズ)

 

デヴシルメで徴用されたあと、スィナンはイェニチェリ軍団に配属された。内廷でスルタンに仕える小姓には選ばれなかったが、これに不思議はない。スィナンの才能は、小姓としてではなく、遠征や建築という現場において発揮されるものであったからである。

スィナンは、その自伝で、自らがイェニチェリ軍団員として従軍した遠征の数々について回想している。その遍歴を示すと――

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小笠原弘幸『オスマン帝国-繁栄と衰亡の600年史』

オスマン帝国は1299年頃、イスラム世界の辺境であるアナトリア北西部に誕生した。アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸に跨がる広大な版図を築くまでに発展し、イスラムの盟主として君臨した帝国は、多民族・多宗教の共生を実現させ、1922年まで命脈を保った。王朝の黎明期から、玉座を巡る王子達の争い、ヨーロッパへの進撃、近代化の苦闘、そして滅亡へと至る600年を描き、空前の大帝国の内幕に迫る。

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小笠原弘幸

1974年北海道北見市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、九州大学大学院人文科学研究院イスラム文明学講座准教授。専門は、オスマン帝国史およびトルコ共和国史。著書に『イスラーム世界における王朝起源論の生成と変容――古典期オスマン帝国の系譜伝承をめぐって』(刀水書房、2014年)、『オスマン帝国――繁栄と衰亡の六〇〇年史』(中公新書、2018年)。編著に『トルコ共和国 国民の創成とその変容――アタテュルクとエルドアンのはざまで』(九州大学出版会、2019年)。
 

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