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奇跡のホルモン・スイッチ

2019.06.25 公開 ツイート

スーツ、万年筆、車…「ちょっとの背伸び」がやる気ホルモンを生む 加藤雅俊

やる気を高めるノルアドレナリン、快感をもたらすドーパミン、精神を安定させるセロトニン、男らしさをつくるテストステロン、「可愛い」「守りたい」という気持ちを引き出すオキシトシン……。私たちの心や行動は、こうした「ホルモン」に支配されています。『奇跡のホルモン・スイッチ』は、そのホルモンを自在に操る方法が書かれた一冊。仕事から恋愛まで、読めば人生がバージョンアップする本書の一部をご紹介します。

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「守るもの」があると頑張れる

仕事を頑張る動機や目的は、人によってさまざまです。でも、辛くてくじけそうになったとき、踏ん張れるか踏ん張れないかを分けるものがあります。

(写真:iStock.com/itakayuki)

それは、「守るものがあるか」です。

人は、守るものがあると頑張れます。これは生物学的に男性のほうが、顕著に特性が現れます。もっと頑張ろうと思って、戦闘能力も上がります。なぜなら、それによって「オキシトシン」というホルモンが分泌されるからです。

オキシトシンは愛情や信頼の感情を呼び起こす作用があるので「愛情ホルモン」と呼ばれています。

このホルモンは、昔から二つの役割があることで知られていました。

一つは、出産をするときに子宮を収縮させて出産を促すことです。陣痛促進剤の中身はオキシトシンです。

もう一つは、出産した後に母乳を分泌することです。赤ちゃんがお母さんの乳首を吸うと、それがスイッチになって脳からオキシトシンが分泌され、母乳が合成されます。それと同時に「なんて可愛いんだろう」という母性がわき出る仕組みになっています。「子供は苦手で嫌いだったけど、自分の子を産んでみたら可愛くて」という話を聞くことがありますが、これはオキシトシン効果です。

しかし、ここ10年間ほどの研究により、オキシトシンは母親だけが出すものではなく、母親になっていない女性も、さらには男性も分泌していることがわかってきました。

大切な誰かと、手をつないだり抱き合ったりすると、愛おしく感じ、守ってあげたいと思いますよね。そのとき分泌されているのがオキシトシンです。

スポーツ選手は、20代前半くらいで結婚するケースが多くみられます。それは、ホルモンの観点からみると素晴らしい選択だと言えます。早くから、奥さんや子供など守るべき存在を持つことで、もっと頑張ろうとオキシトシンが分泌され、馬力が上がるからです。

会社員の方でも、郊外に家を建てて、通勤に1~2時間かけて通っている人がいます。独身の方には想像がつかないかもしれませんが、帰って子供の寝顔を見て「可愛い、守りたい」となるから、明日も頑張るぞと思えるわけです。

少しだけ無理してみませんか?

そうやって、自分の城を持って、外壁を作って守り固めることによって、オキシトシンだけではなくドーパミンなど、やる気につながるホルモンがたくさん分泌されるようになります。

(写真:iStock.com/Nagaiets)

仕事という戦場で闘う基礎体力がつくとともに、傷ついたら体を休める「宿」を持つことで、闘っては休んで体力を回復し、また闘っては休んで……を繰り返すことができます。これが、レベルアップにつながるのです。戦闘能力は、闘い続けなくては上がりません。そのために必要なのが「守るもの」なのです。守るものがあると人は強くなります。「現在恋人もいないし、まだ結婚する気にはなれないなぁ」と言う方がいるかもしれませんが、「守るもの」は、「背負うもの」として応用できます。

たとえば次のようなものです。

・ちょっとイイ車を買う

・ギリギリ家賃を払えるくらいの、ワンランク上の家に住む

・思い切ってローンで家を買う

要は、少し無理をして金銭的な負担を背負うということです。芸人さんの間では「少し売れたら高い家賃の家に引っ越せ」と言われているそうですが、それも、背負うことで「本気」や「覚悟」のやる気ホルモンが出ることを知っているからでしょう。

もちろん、やりすぎは禁物で、月収40万円で30万円の家賃の家を借りるなど、ハードルをあげればオキシトシンが出るというわけではありません。少し無理をすれば手が届くところを設定することがポイントで、自分を駆り立てれば今の生活レベルが少し上げられるという状況において、頑張るホルモンが分泌されるのです。

家賃で言うなら、一般的には収入の30%が目安とされているので、35~40%ぐらいの、「ちょっと頑張れば何とかなる」というラインがよいでしょう。

さらなる応用編としては、次のような行動もあります。

・良質な服(スーツ)を着る

・上質な万年筆を1本持っておく

・尊敬できる人の行動を真似して実行する

・上司に「10」期待された仕事に「12」のパフォーマンスを発揮する

これも、「ちょっと背伸びをする」ということです。

この背伸びをすることが非常に大事で、その背伸びに自分が追いついたら、もっとレベルアップしようと無意識に努力するようになります。よくゴルフなどで、お気に入りのプロのスウィングを真似しますよね。これも自分とプロレベルの差を少しでも縮めて、早く上手くなりたいと思っているからです。

これを思わせているのもホルモンの力です。背伸びをする。これこそが、レベルを上げる最も効率のよい近道なのです。

加藤雅俊『奇跡のホルモン・スイッチ 潜在能力を引き出す』

やる気を高めるノルアドレナリン、快感をもたらすドーパミン、精神を安定させるセロトニン、男らしい体とメンタルをつくるテストステロン、「可愛い」「守りたい」という気持ちを引き出すオキシトシン等々、体内でつくられ、生命活動をコントロールするのが「ホルモン」。ホルモンがうまく働けば、人間にもともと備わっている能力が引き出され、仕事の成果もグンと上がる! ホルモンを自在に操る「魔法のスイッチ」である即効ツボ押し・運動法から、生活習慣・話し方まで。ホルモンをまるごと味方につける画期的な一冊。

加藤雅俊『薬に頼らず血圧を下げる方法』

「減塩や降圧剤で高血圧は治らない」 著者である加藤雅俊先生のそんな言葉から 本書の企画はスタートしました。 なぜ減塩、降圧剤で改善しないのか。 そもそもなぜ血圧が上がるのかについても わかりやすく解説しています。 減塩や薬に頼る前に 「まずは自分自身でできることがある」と語る 加藤雅俊先生が教える降圧法で、 血圧に振り回される毎日から 自由になれるはずです。

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奇跡のホルモン・スイッチ

やる気を高めるノルアドレナリン、快感をもたらすドーパミン、精神を安定させるセロトニン、愛情を引き出すオキシトシン等々、ホルモンがうまく働けば、人間にもともと備わっている能力が引き出され、仕事の成果も上がる!ホルモンを自在に操る「魔法のスイッチ」であるツボ押し・運動法から、生活習慣・言葉づかいまで。ホルモンをまるごと味方につける一冊。

 

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加藤雅俊 薬剤師・体内環境師

JHT日本ホリスティックセラピー協会会長。JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長。ミッツ・エンタープライズ株式会社代表取締役社長。薬剤師。体内環境師。薬学予防医療家。薬に頼らず症状に対して食事や運動など多方面からアプローチする「ホリスティック理念」を日本で初めて唱えた第一人者。現在、昭和大学薬学部研究室にて「食と運動と脳(心)の関連性」について臨床研究に取り組んでいる。著書は『薬に頼らず血圧を下げる方法』(アチーブメント出版)、『1日1分で血圧は下がる! 薬も減塩もいらない!』(講談社)、『食事をガマンしないで血糖値を下げる方法』(マガジンハウス)ほか多数。著書累計は220万部を超える。

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