
生き方
およそ600年という史上まれに見る長期間、繁栄を誇ったイスラムの盟主「オスマン帝国」。前代未聞の大帝国を築いたのはどんな人物たちだったのか。
ベストセラー『オスマン帝国』(中公新書)の著者小笠原弘幸氏がオスマン帝国の傑物10人を考察する新連載。今回は女奴隷から王妃まで上り詰めた、帝国史上最も有名な悪女ヒュッレムです。
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順風満帆のヒュッレムにとって、唯一の懸念が、マヒデヴランの子たるムスタファ王子の存在であった。
ヒュッレムの三人の息子のうち、年長でもっとも才気に満ちていたメフメトは、1543年に病で亡くなっていた。スレイマンはこれを嘆き、ミマール・スィナンにシェフザーデ(王子)・モスクを建てさせている。残るヒュッレムのふたりの息子、セリムとバヤズィトの才覚は、ムスタファに遠く及ばなかった。
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