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ハイスペック女子のため息

2018.12.09 更新 ツイート

特捜部に楯突くつもりはございませんが、ゴーン氏逮捕の謎山口真由

takasuu/iStock

 栄枯盛衰といいますが、大企業のCEOから一夜で容疑者として拘置所に収容される気分ってどんなでしょうね? もちろん、今、話題のゴーン容疑者のことです。

 11月19日、AbemaPrimeというニュース番組にコメンテーターとして出していただき、事前にニュース項目をちらちらと見ていたら、突然、ゴーン氏が身柄を拘束されたという一報が飛び込んできた。用意していた解説者に断りの電話をかけるADさんたちはちょっと気まずそうな顔をするものの、上の方の人たちは「ニュース差し換え!!」「中継、音、入る??」とバタバタしながらも、どことなく楽しそう? テレビマンってこういう感じなのかなと、私は思う。

 財務省の上の方の人たちにも少し似た雰囲気があるかも……。国会が大荒れだぁ~、今日はてっぺん超えるぞ~と大騒ぎするときの、あのちょっとした「祭り」感。なんなんでしょうね? 俺たち、今、仕事してんぞって感じがいいんですかね?

 

1. ゴーン氏、逮捕の謎

 さて、ゴーン氏が逮捕された衝撃の一報から十数日が経過した。ただ、いまいちよく分からない感じが消えないの。

 逮捕の容疑は「有価証券報告書の虚偽記載」だって。有価証券報告書というのは、上場会社なんかが1年に1回、うちの会社の業績はこんなんで、事業はこんな感じでやっていて、事業にはこんなリスクもあって、取締役の面々はこれこれの人たちです、というのを公表するものである。インターネットさえつながれば、誰でも見ることができるけれど、その会社の株式を買っている人が、会社の事業や業績をきちんと理解して、売り買いの判断をできるようにという目的で公表されている。投資家の判断の基本になる有価証券報告書は正確さが重要。だから、記載する義務があることをきちんと書かなくてはなりません。

 今回、ゴーン氏は、1年に25億円くらいもらう約束があったという自らの報酬について、「日本基準からすると多すぎて目をつけられるから、社員の士気も下がるし」という理由で、とりあえず10億円くらいに抑えたらしい。そして、残りは後払いにしたとも報じられる。で、それを記載しなかったことが有価証券の虚偽記載に当たるという。

 

2. そもそも記載する必要があるの? そして罪に当たるの?

 今問題になっているのは、この後払い報酬について、(1)有価証券報告書に記載する必要があったのか。後払いでこのくらいもらえたらいいねってレベルなのか、地球が滅んでもこれは絶対手に入るって話なのか、どのくらいの確度なら記載する必要があるかは、そもそもとても難しい。たとえ、法律上の義務違反があったとしても、それが刑事上の虚偽記載罪なるものに仕立上げるためには、(2)記載する義務があるとゴーン容疑者が認識していること、つまり故意が必要。一緒につかまったケリー容疑者によると「これって書かなくても問題ないですよね」と金融庁に確認したとか、大手法律事務所からもそう言われてたんじゃないかって話もある。専門家からアドバイスを受けてそう信じていたんだったら、そもそも犯罪の故意がないんじゃないかとも思えてくる。

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山口真由

1983年、札幌市生まれ。東京大学法学部3年生時に司法試験、4年生時に国家公務員1種に合格。全科目「優」の成績で2006年に首席で卒業。財務官僚、弁護士を経て、ハーバード大学ロースクールに留学。2017年にニューヨーク州弁護士登録。 『エリートの仕事は「小手先の技術」でできている。』(KADOKAWA/中経出版)、『いいエリート、わるいエリート』(新潮社)、『ハーバードで喝采された日本の強み』(扶桑社)など著書多数。『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP研究所)の文庫版も出版された。 山口真由オフィシャルブログはこちら

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