1. Home
  2. 社会・教養
  3. ハイスペック女子のため息
  4. 日本にも押し寄せつつあるポリコレの波

ハイスペック女子のため息

2018.11.26 更新

日本にも押し寄せつつあるポリコレの波山口真由

SLphotography/iStock

 

 防弾少年団のメンバーの一人が、原爆投下を模したキノコ雲が描かれたTシャツを着て、物議をかもした。過去には、ナチスのマークを模した帽子を着用していたと、ユダヤ人団体から抗議もされた。続いて、日米野球で広島を訪れていたヘクター・ベラスケス選手は、原爆ドームに照準を合わせて、ご丁寧に“Atomic bomb!”とメッセージを添えたインスタグラムで、こちらも炎上した。「(出身地の)メキシコにたくさんいる知り合い、友達に広島で起きたことを伝えようと思ったが、伝え方を間違えた」ってさ。ほんとかね?

 とにかく、原爆のキノコ雲とか、ナチスのハーケンクロイツとか、全く意味が分からない人からすれば、どうしてこれが問題なるのか分からないかもしれないが、歴史的に特定の意義を持つ表現というのがある。特にそれが被爆者の方々とか、ホロコーストにあった民族とか、虐げられた人々に関連している場合には、細心の注意を払ってそれらの人々の心の傷を思いやり、間違ってもさらに傷つけるような表現を用いてはならない。

 これは昔からある種の「常識」である。

1. ポリティカル・コレクトネスってなに?

 ところがこの常識が「ポリティカル・コレクトネス」という概念とくっついて、より強固な形でアメリカで再構築され、それがうねりとなって日本に押し寄せようとしている。こういったら黒船来航みたいでちょっと大げさなのかな? 今日は、久しぶりにまじめにポリティカル・コレクトネスについて考えてみたいと思う。

「ポリティカル・コレクトネス」をそのまま訳すと「政治的正確であること」――要するに「どんな立場の人も(特に長らく弱い立場に置かれてきた人を)決して傷つけないという思想を、表現の面に及ぼしたもの」がポリティカル・コレクトネスという。

 具体的に見てみると、例えば、私が小学校のころにはあった「肌色」のクレヨン。今の小学生は、これを「うすだいだい色」とか、もうちょっとこじゃれて「ペールオレンジ」なんて習うらしい。だって、肌の色は人それぞれでしょ。この色が「標準的な肌の色」ってされることで、「えっ、私の褐色の肌は普通じゃないの?」って思う人がいたら困るじゃない?

ここから先は会員限定のコンテンツです

無料!
今すぐ会員登録して続きを読む
会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP