先日、オアシズ大久保さんと飲んでおりまして。ふと今年大学受験だった大久保さんの姪っ子ちゃん(お兄さんの娘さん)の話に。私、お正月に実家にお邪魔したり、夏の大久保家の旅行に混ざり込んだりしているもので、勝手に“親戚のおばちゃん”くらいの位置にいると思っておりまして。なのでちょいと気になっていたので聞いてみたところ、見事合格。パチパチパチパチ。それが京都の大学だそうで「明日、実家から京都に引っ越しなのよ。私もちょうど大阪で仕事だから帰りに京都寄って、お兄ちゃんと3人でご飯してこようかと思って」。

 初の一人暮らしをする娘をお兄さんが京都まで送りに来るんだそう。そっか、明日か。……明日? あれ? 私、名古屋。しかも夕方終わり。あ、その食事会、私行けますけど。すると大久保さんが「ちなみに私、翌日昼過ぎから仕事」「ホントですか? 私も翌日遅いです」「え? じゃあ、泊まる?」「いいですねぇ!」。

 そこからのおばさん二人のはしゃぎっぷりったら。私が宿探しの為、じゃらんのアプリをダウンロードしようとすると大久保さんが「私、前にアプリ入れたよ。あ、でもパスワード覚えてるかな? ちょっと入れてみる。……いけた!」あとお店も探さねば。「やっぱり先斗町かなぁ?」「前にロケで行ったところでいい感じのお店なかったっけ?」と食べログで検索。なんだろ私、ニヤニヤしてる。

 こういう風に、急に浮上するプチ旅計画は本当にワクワクする。だって普段はなかなかスケジュール合わず、一年に一回お正月旅行行くくらいですから。それが飲んでいて「あれ? 明日空いてる!」みたいな。「じゃあ行こう! 行こう!」みたいな。そりゃあ楽しい。

 実は過去にもそういう事が何度かありまして。例えばある年の12月24日。クリスマス感に目をつぶりながら一緒に飲んでいたところ、25日が二人とも休みだと判明→26日は仕事だけどそんなに朝一じゃない→遠いところじゃなければ泊まりで行ける→そうだ、どっかへ行こう。じゃあせっかくクリスマスだからどこかパワースポットでも行って、更にその近くのホテルで豪華ディナーでもしちゃいますか、となりまして。25日レンタカーで向かったのは群馬県榛名山にある榛名神社。なにやら強力な“願望実現パワー”があるとのこと。そういうところへは午前中行った方がいい、と言うのは知っていたのですが、日頃の疲れからそんなに朝早く出発しなかった上に、お腹がすきすぎて途中のサービスエリアでがっつり食事。しかも天気予報は晴れだったのに榛名山に近づくと雪がチラホラ。山道に入る頃にはまさかの猛吹雪に。車も別に雪用タイヤではないから、ゆっくりしか進めず。結局、榛名神社到着が午後4時過ぎになってしまいました。これは神様が「来るな」とうちらを拒んでいるのかな、と思いましたが、せっかく来たので暗くなった参道を通ってお参り。そんなわけですっかり遅くなってしまったので、そこからお宿に電話してもどこもいっぱい。唯一快諾していただいたのが、かんぽの宿。ありがてぇ。温泉入って浴衣に着替え、おじいちゃん、おばあちゃん達に混じって大広間でのディナー。正直クリスマス感はゼロだったけど、結果素敵な旅になりました。

 あと、何か収録が一緒だった時。終わった後どこで飲もう? なんて話していたら、大久保さんのマネージャーさんが来て「明日の名古屋の生放送。朝、台風上陸で新幹線がやばそう。急ですが前乗り出来ませんか?」と。あらやだ、気持ちはもう居酒屋さんよ。……ん? 待てよ? 明日、私、休み。「私も名古屋行って名古屋で飲みます?」半分冗談、半分本気で言うと、大久保さんの答えは「いいねえ!」新幹線に乗り込み、まず車内で一杯。そして改めて名古屋の飲み屋さんにてガブガブ。急遽とったビジネスホテルでシメ飲み。翌朝、大久保さんはテレビ局へ、私は東京に戻る為に名古屋駅へ。すると、新幹線は完全にストップ。駅は人が溢れかえっておりました。いや、そりゃあそうですよ。だって新幹線止まるから前乗りしたんですから。新幹線止まってガビーン、もあったもんじゃない。そのまま改札の前で荷物の上に座って待つこと5時間半。なんとか名古屋発のこだまに乗って、ゆっくり帰京。本当にアホでしたが、これもまたいい思い出です。

 そして今回、お互いの仕事先から京都にて待ち合わせ。タクシーが春休みだからかすごい行列だったので、バスに乗って鴨川沿いのうどんすきのお店へ。川が見える素敵な窓側の席で、主役の姪っ子ちゃんはまだ18歳だからウーロン茶、大人3人はそれぞれのお酒で、これから新しい土地で新しい生活をスタートする彼女の門出を祝わせていただきました。しーちゃん、おめでとう! 素敵な新生活を!

 ベロベロでホテルに着いたおばさん二人は、コンビニで買い足したお酒で更に乾杯してからバタンキュー。朝、ひとシャワー浴びてさっぱりしてから「せっかく京都に来たんだから」とホテルから一番近かった三十三間堂へ。二人とも修学旅行以来。「たしか1000体ある千手観音立像の中に必ず自分と似た像(正確には必ず“会いたい人”に似た像だそうです)があるんじゃなかった?」という事で探してみた結果、“全体的にいとうあさこは似ている”&“大久保佳代子は鼻と口の間が長いのが特徴だから、全体的に似ない”という答えが出ました。ああ、楽しかった。

 昼過ぎには東京に戻るバタバタ旅ではありましたが、こういう息抜きは大事。一体次回の“突然プチ旅”はいつ何処へ? その日を楽しみにまたバリバリ働くとしますか。

【今日の乾杯】
海老と生麩の木の芽味噌焼き。“生麩”や“木の芽”を美味しいと思える自分を「大人になったなぁ」と。あ、ずいぶん前から大人でした。ちょっとお皿に残った味噌までもペロペロしながら更に1杯。

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いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。』

寂しいだか、楽しいだか、よくわからないけど、日々、一生懸命生きてます。人気芸人の、笑って、共感して、思わず沁みるエッセイ集。全力で働いて、遊んで、呑んで、笑って、泣いて……の日々。ぎっくり腰で一人倒れていた寒くて痛い夜。いつの間にか母と同じ飲み方の「日本酒ロック」。緊張の、海外ロケでの一人トランジット。酔ってヒールでこけて両膝から出血の地獄絵図。全力の悪ふざけ、毎年恒例お誕生会ライブ。女性芸人仲間の感動的な出産。“呑兵衛一族”の冠婚葬祭での豪快な呑みっぷり。40歳で体重計を捨ててから止まらない“わがままボディ”。大泣きのサザン復活ライブ。22歳から10年住んだアパートの大家さんを訪問。20年ぶりに新調した喪服で出席したお葬式。恒例の、オアシズ大久保さんのご家族との旅行。etc.