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昨年より、ほぼ毎月1回、ニューヨークに行くという生活をしています。
仕事ではなくプライベートな事情ですが、ニューヨークと東京を頻繁に行き来しているのですが、航空券代や現地での生活費などお金はいろいろかかるものの、これが一生続くわけではないので、一世一代の贅沢だと思って楽しんでいます。

お金に関して不安を感じるとすれば、それは不明瞭なコストの存在です。

例えば、レストランなどで支払う「チップ」。現在のニューヨークでは、食事代金の20%が相場だと言われていますが、どれくらいのパーセントにすればいいのか、毎回悩みます。その上、消費税(sales tax)抜きの代金に対して20%なのか、込みに対する20%なのかも、質問した相手によって答えはバラバラ。

結局、メニューが税抜価格で示されていた場合、消費税8.875%と合わせて、ざっと3割増になるわけで、まだその感覚に慣れず、毎回のように
「思ったよりも高かった」
という事態に陥っています。

余談ですが、110ドル未満の洋服と靴には消費税がかかりません。アイテムごとに判定されますので、トータルで110ドル以上になっても大丈夫。消費者にとってはありがたいですね。会計処理が面倒くさくなりそう、と公認会計士としては心配になりますが(笑)

さて、不明瞭なコストといえば、医療費もその1つ。日本でも、いざ入院となれば、医療費がいくらになるのか、事前に明確にわかるわけではありません。それでも、国民皆保険制度のもと、保険診療に関する自己負担は原則3割。さらに「高額療養費制度」もありますので、一定額を超えた場合には返金してもらえます。

例えば、年収約370万円から約770万円の方の場合、ひと月の医療費が
80,100円+(医療費-267,000)×1%
を超えた場合には超えた分は返金してもらうことができます。それだけの年収のある方なら、なんとかなると思える金額ではないでしょうか。

上記の計算式は年齢や所得によって変わります。また、差額ベッド代など、保険診療以外には適用されない制度ですが、家族が入院した際にこの高額療養費制度に何度救われたかわかりません。

一方、ニューヨークでは救急車の利用にもお金がかかります。在ニューヨーク日本国総領事館のウェブサイトによれば、
「電話911にて救急車を呼べますが、この場合搬入先の指定は出来ません。また救急車はすべて有料で300ドルほど費用を請求されます。行き先を指定するには、タクシーを使って自力で行くか、希望先の医療機関の救急車を呼び搬入してもらうことになります。会員制の緊急移送を行う民間会社もあるようです。」
とのこと。

救急車1回300ドルですから法外な金額とは言えませんし、命には変えられませんが、その先の医療費のことまで考えると、いったいいくらかかるのだろうと不安になります。

もちろん、毎回、海外旅行保険に加入して渡航していますし、幸い、今の所、現地での医療サービスのお世話にはなっておりませんが、これから先も何が起こるかわかりません。
渡航の際に保険の手続きをするたびに、そして帰国するたびに、日本の暮らしやすさを実感しています。

逆に、それだけの医療費や税金を負担しているのですから、必要に応じて利用する権利があるということ。高額療養費も基本的には自ら申請をしないと支給されませんから、まずはどんな制度があるのか知ることが大切です。

医療に限らず、国や地方公共団体には、税金という名の「会費」を支払っています。会員特典として、ゆりかご(出産)から墓場(葬儀)まで、調べてみればいろいろと受給できるものがあります。

そうした制度をよく理解した上で、自助努力と組み合わせて、不明瞭なコストに振り回されないよう備えることが大切なのだと思います。

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『損しないのはどっち?』問題11
「本当にお金に困ったとき、銀行と社会福祉協議会、相談に行くべきはどっち?」

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