(写真:iStock/Rawpixel)

 Aさんが「いつもかわいいね」とBさんに言うと、Bさんは「そんなことないです〜」とへりくだって見せる。日常生活で非常によく聞くタイプの会話です。対人関係において、謙遜というのは大きな意味を持っています。人の心は実に複雑ですから、事実をありのまま発言すれば摩擦が生じます。微妙な力関係を敏感に読み取って「いえいえ私めが」とへりくだって見せることで場が丸くおさまるというのは日常茶飯事でしょう。そうした“ポーズとしての謙遜”は処世術として有用であろうと思います。

 ただ、占い師としてご相談を伺っていて気になるのは、ときどき「そんなに自分を貶めなくても」と思ってしまうほど謙遜している人が多いのですね。星回りを拝見しても、お話を伺っても魅力的な頑張りやさんですのに「身の程知らずすぎると思うのですが……」「私などがお恥ずかしい話ですが……」とおっしゃるのです。「どこを直せば恋人ができますか」と、ご自分に悪いところがあると思っておられる方も多いです。実にもったいない話だと、常々感じています。

過剰な謙遜は、自分に呪いをかけること

「私などが…」といった否定で自分を語るというのは、自分に繰り返し呪いをかけているのと同じことです。「お前はダメなやつだ」「何もできないやつだ」と言われたら、相手が誰であっても落ち込みますよね。それが、自分という絶対的な存在から言われたらもっと強い意味を持ちます。もはや呪いをかけているのと同じこと。

 たとえば、こういうセリフ、つい口にしてしまっていませんか?

「いいトシをしてお恥ずかしいのですが……」
「絶対無理だとわかってはいるんですが……」
「望みすぎかもしれませんが……」
「どうせダメだと思うんですが……」

 わりとカジュアルに言ってしまっていることって、多いと思うのです。ただ、これは言うたびに「お前もうトシだからやめときなよ」「絶対無理だよ」「高望みするなよ」「どうせダメだよ」と言っているのと同じこと。繰り返し繰り返し自分に呪いをかけているのです。当然ながら、成功や夢の実現、パートナーを得るといった縁も得にくくなります。

 なぜなら「ダメ」「無理」というマイナス思考が脳にインプットされていると、どうしてもダメだったり無理だったりする要素を人は探してしまうものだから。そして「ああ、やっぱりダメなんだ」と考える、このループが繰り返されたらどうでしょうか。やる気が出ようはずがありません。努力だってとても続きませんし、できない自分を責めたらさらに夢や成功は遠のきます。呪いがちゃんと実現する、というわけです。

自分が欲しいと思うものは、きちんと望もう

 なかには「ストレートに言うのが恥ずかしいな」と思って謙遜する人も多いだろうと思います。ただ、それは「お前の夢は恥ずかしいものだよ」と思っているのと同じことなんですね。

 もしも欲しいものがあるのなら、実現したいことがあるのなら、努力するよりも、できるかどうか占いに聞くよりも(って占い師が言うのもどうかという話ですが)まずは「私は○○が欲しい」「私は○○になりたい」と、きちんと望むことが重要です。そこに「絶対無理だと思うけど」なんて、わざわざつける必要はありません。

 もし、過剰な謙遜がクセになってしまっているようであれば、今から言わない練習をすれば大丈夫です。言ってしまったり、考えたりしたら即、自分にストップをかける。習慣のようなものですから、一度で止められなくても大丈夫です。繰り返し自分にストップをかけて、少しずつなくしていきましょう。

他人を勝手に謙遜する人からは距離を置く

 自分で言うならまだ良いのですが、たまに他人を勝手に謙遜する人がいます。昔気質の人に多いのですが、

「こいつは何をやっても覚えが悪くて……」
「この人、私がいないとダメなんです……」
「見た目は悪いんですけど、まあ性格はいいですから……」

 といったものですね。
 こんなことを言われて傷つかないはずがありません。たとえ1回しか言われなくても、人間は脳内で何万回も“セルフトーク”というものをします。つまり、その記憶が呼び起こされるたびに脳内では「何をやってもダメ……」と自分に言い聞かせることになるのですね。ある意味、自分で謙遜する以上に質の悪い呪いと言えるでしょう。

 こういう人は、抗議してもまず直りません。悪気がないケースが多いからです。もし身近にいる場合は、できるだけ距離を置くなどして自分を守り、なおかつ「この人に何を言われても、自分の本質は損なわれない。こんな言葉は自分に必要ない」と、きちんと意志をもって否定するようになさってください。
 そして自分も、悪気なく言わないようにしたいですね。

*    *   *

 ちなみに冒頭のように「いつもかわいいね」と言われたら「ありがとうございます! 嬉しいです」などと返していけると良いですね。私たちは褒められるとつい、照れもあって「そんなことないです」と返してしまいがちですが、それは褒めてくれた人の好意も否定するということ。そんなに深い意味をもって会話をしていることばかりではないかもしれませんが、たかが言葉、されど言葉です。「ありがとう」と返したほうが、良いご縁につながっていくはずですよ。

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