1月4日夕方、“お清め”ビールを飲み干し羽田を出発。三泊四日のベトナム旅行スタートです。機内では女子力高めでおなじみのガイドブック・ことりっぷにキュートな付箋をつけて、誰も見てないのに“女子力あるぜアピール”をしたり。映画「怪盗グルーのミニオン大脱走」を観て自分の声の太さを再確認したり。そんなこんなしながら6時間15分のフライトを経て、無事21時前にハノイに到着いたしました。さあ、寒い日本を抜け出して、あったかいお正月旅行の始まりだ! ……あれ? ……寒い。リゾート感満載のTシャツに薄手のカーディガン。寒い。空港まで迎えに来てくれた日本語話せるホテルの送迎スタッフさんに聞くと「ホーチミン、30℃以上。トテモ暑イ。デモハノイ、北ダカラ。15℃クライ。」しかもしっとり霧雨も降っていて。あれ? 乾季のはずだけど?「毎年正月ノ時ダケ、コウナルデス。」ありゃりゃ。

 車中、翌日の予定を聞かれたので「明日は夜、水上人形劇観に行くんです」と。水上人形劇はベトナムの伝統芸能。せっかくなら見てみたいな、と日本でディナー付きのツアーを見つけたので申し込んでおいたのです。「お兄さんは見たことあります? 面白いですか?」と聞いてみると、信じられない答えが。「ツマラナイ。今ノ若イ子ハ誰モ見ナイ。僕ナンテ、10分デ寝タ。」え? そんなに? そんなにつまらない? そして明日行く事が決まっている人にそんな事言う?「あ、でもディナー付きだから。飲みながら見たら絶対楽しい」と気持ちを盛り返す。すると「エ? ディナー付キ? ホントニ?」「うん。パンフレットに“ディナー付き”って書いてあったよ」「ア。ソレ多分ショー見テ、ソノ後ニ別ノ所デ食事デス。」え? 飲みながら見るショーじゃないの? あらやだ。“ディナー付き”の解釈、間違えた。となるとその“若者が10分で寝るショー”とやらをただ見るのか。ああ、ワクワクがすごいスピードで消えてゆく。

 1時間近く車に揺られ、22時過ぎにホテル到着。お部屋はかなり素敵で、窓を開けると目の前は大きな湖。それを眺めながらハノイビールで乾杯すれば、思っていたのと違う“寒さ”“天気”“人形劇の前評判”で下がった気分もあっという間にリセット。単純。ビールよ、ありがとう。楽しい旅にいたしましょう。

 2日目。朝食バイキングで美味しいフォーをいただきながら一日の予定を話し合う。まずはこの旅の第一目的と言っても過言ではない「アオザイを買う」を済ませてしまおう、と。そして夜は、期待値がうっかりダダ下がり中の「水上人形劇観劇&ディナー」です。
ということでまずはお土産屋さんが軒を連ねる“旧市街地”というエリアへ。昨日から降り続く霧雨のせいで“くせっ毛大暴れ”&“一枚しかない長袖のカーディガンが完全に湿りまくり”ですが、1年に1回のプライベート海外旅行。地図を片手にブラブラしているだけで、なんか楽しい。しばらく行くとアオザイ屋さんを発見。キレイでカラフルなアオザイたちがズラリ。色を選ぶだけでも目移りしちゃって大変ですが、それ以前にサイズです。大久保さんはまだしも、私はなかなかのダイナマイトボディでございますから。合うサイズがあるかしら? って一応あったんですけどね。ただアオザイ界ではわたくし、まさかの“XXL”。ああ、デカい。しかもXXLなのにお胸の方がパッツンパッツン。ドボジデドボジデ。そんな私にお店のお姉さんがつたない日本語で一言。「コレ、ボインデ着ルモノ。ダカラOK!」なるほど。ボイン強調、ウェストはスリットでスリムに見せる。それがアオザイなのね。結局大久保さんは明るい緑の、私は紫のアオザイを購入。ウフフ。ミッションクリア。

 他にもカワイイ模様のベトナム食器や有名な刺繍屋さんを見たり、“底に大量の練乳が入っていてめっちゃ甘いけどなんだかクセになる”アイスコーヒーを飲んだり。通りすがりで見つけた小さなお店で“蒸したベロベロの皮で巻いた春巻きみたいなヤツ”をツマミにビール飲んだりいたしまして、いったんホテルへ。

 と言うのも“水上人形劇ツアー”がホテルのロビー集合。ただここで1つ問題が浮上。私たちが見に行くショーは18:30スタート。それがプリントを見てみるとホテル集合が16:45。フロントで聞くと劇場までは車で15分くらいとのこと。となるとですよ。“集合早すぎる”の巻、じゃないですか? いやね、日本で気づいて確認してくればよかったんですけどね。うっかりハノイに来てから気づくと言う。度重なる確認不足。すいません。

 16:45にホテルを出たとして、17:00には劇場に到着。1時間半待たされて(この間に買い物でも出来ればまだよいけれど)その“若者が10分で寝る”出し物を見る。なかなかだなぁ。しかも劇は1時間弱らしいので、ディナーは19時半から20時くらいかぁ。朝食以降、ベロベロ春巻きしか食べてない私たちはさすがにその時間まで我慢するのは無理。という事で時刻は16時。集合まで45分。ジュリーの「背中まで45分」を心で口ずさみながらホテルのレストランへダッシュ。「ソーリー! プリーズ ハリアップ!」でサンドイッチとワインを注文。出てきたサンドイッチはめっちゃくちゃ具沢山で美味しそう。そしてなかなかボリューム。付け合わせのコールスローもたっぷり、ポテトはカリカリ。しかもホテルの前の湖が夕陽でオレンジに染まっていくのも絶景。そりゃテンション上がっちゃいますよ。大久保さんは白ワイン、わたくしは赤ワイン数杯を“たしなみ”ながらサンドイッチを貪り食う。ああ、美味。ああ、満腹。ではではいざ水上人形劇へ。さあ、いかに? 続く。

【今日の乾杯】
ハノイでの初乾杯。幸せそうな笑顔です。サラダと魚のフライと言う、うっかりベトナム感ゼロのツマミでしたが、とにかくハノイビールが美味い。ホップの香り豊かだけど軽くてゴクゴクいける。酒の美味い国、万歳。

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いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。』

寂しいだか、楽しいだか、よくわからないけど、日々、一生懸命生きてます。人気芸人の、笑って、共感して、思わず沁みるエッセイ集。全力で働いて、遊んで、呑んで、笑って、泣いて……の日々。ぎっくり腰で一人倒れていた寒くて痛い夜。いつの間にか母と同じ飲み方の「日本酒ロック」。緊張の、海外ロケでの一人トランジット。酔ってヒールでこけて両膝から出血の地獄絵図。全力の悪ふざけ、毎年恒例お誕生会ライブ。女性芸人仲間の感動的な出産。“呑兵衛一族”の冠婚葬祭での豪快な呑みっぷり。40歳で体重計を捨ててから止まらない“わがままボディ”。大泣きのサザン復活ライブ。22歳から10年住んだアパートの大家さんを訪問。20年ぶりに新調した喪服で出席したお葬式。恒例の、オアシズ大久保さんのご家族との旅行。etc.