写真:iStock/Nuthawut Somsuk

勇気を出して一歩踏み出してみたものの

遅ればせながら、iDeCo に加入しました。

iDeCoとは、個人版確定拠出年金のこと。一定額を積み立てていくと、将来一時金もしくは年金として給付を受けられる制度で、税制優遇があるため単なる貯蓄とは異なるという特徴があります。

ただし、加入できるかどうか、加入できる場合はいくらまで積み立てられるかは人によって異なりますので、こちらのサイトなどで調べてみてくださいね。

ちなみに、私の場合、最高で月23,000円を拠出することができ、これがすべて所得控除になります。所得に対する所得税率は最低でも5%、住民税率は10%ですから、年間で41,400円の節税効果が生じる可能性を秘めています。

また、iDeCoによる運用益は非課税になるので、通常であれば利息等に課せられる税金もかからなくなります。

そして、最終的には、拠出と運用によって貯まった額を一時金や年金として受け取ることになりますが、ここでも税金面で有利になる可能性があります。

仮に一時金で受け取る場合には、退職所得という扱いになり、現在の税制が続くと仮定すると、iDeCoの加入期間に応じた控除を受けられることになるのです。

例えば、iDeCoに20年加入した場合、800万円までの一時金には税金がかかりません(同じ年に他の退職金がない場合)。

iDeCoに加入しているだけでかかる手数料もあるのですが、それでも、ある程度の資金を拠出でき、拠出金を控除できるだけの所得があり、他の退職金とバッティングせず(受け取る年が異なれば問題なし)、元本保証の商品を選択する場合には、普通に貯蓄をするよりもメリットがあると言えるでしょう。

ところで、加入対象が拡大したことで昨年から話題になっているiDeCoですが、日本で確定拠出年金制度が始まったのは2001年から。以前から加入していた方もたくさんいることと思います。

そんなに良い制度で、ずいぶん前から導入されているにもかかわらず、どうして今更加入することになったのか……。

実はこれまでに何度か加入を検討したことがありました。ただ、加入すると、拠出したお金を60歳まで固定されてしまい、解約もできないため、若いうちから加入することに抵抗がありました。

そうこうしているうちに40歳を超え、単に貯蓄するよりは良いだろう、ということで、そろそろはじめてみようと重い腰をあげたわけです。

また、パンフレットや本を読めば、iDeCoとはなんなのか知識としてはわかりますが、自分で取り組んでみないことには理解はできないだろうと考えたことも、加入の動機の1つでした。

実際にiDeCoを始めるには、金融機関との契約が必要になります。意外と難しかったのが、どこの金融機関にするか、という判断です。金融機関によってiDeCoで運用できる商品が異なる上、手数料も変わってくるためです。また、金融機関の変更ができないわけではありませんが、手続きがとても面倒なのです。そうなると、60歳まできちんと付き合える金融機関を選ぶ必要があります。

というわけでiDeCoに加入しようと一歩を踏み出した瞬間「安心してそんなに長期間付き合える金融機関なんてあるのかな」と悩んでしまったのですが、そんなことを考えてしまうのは私だけでしょうか。

さて、金融機関での加入手続きを終えると、次は、拠出金をどのように運用するかを決めなくてはなりませんでした。とりあえず、元本保証ものとアクティブファンドを50%ずつということで始めたのですが、運用益が非課税であるメリットを最大限に享受しようと思えば、リスクがあってもリターンが大きくなる可能性のある商品に集中させるのも1つの考え方です。

さらに、今後は、保有している投資信託を元本保証の商品に変えるなど(スイッチング)も検討しなくてはなりません。

そして、最終的には60歳を超えたらどう給付を受けるかも考えることになります。

実際に加入し、どうしようか真剣に考え始めると、iDeCoはとても難しい!

これが今の時点での私の正直な感想です。

運用に失敗すれば節税効果以上に損をする可能性もありますしね。

それでも、前述したような一定の条件を満たすのであれば、普通に貯蓄をすることに比べて、十分にメリットがあると言えます。自分の人生の変化や年々変わっていく税制などに気を配りながら、iDeCoでの運用を楽しんでみようと思います。

何事においても、デメリットを並べ立てて「何もしない」という判断を下すのは、とても簡単で楽な選択です。

もちろん「何もしない」という判断が正解の場合も多々あるでしょう。

でも、何もしないために損をしてしまうことも多々あるものです。

新年。少しだけ勇気を出して一歩を踏み出してみるには良い季節だと思います。
「天は自ら助くる者を助く」ですからね。


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『損しないのはどっち?』問題29
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