みなさん、こんにちは。エモカワイイカルチャーを発信する企業COMPLExxxの代表 横塚まよです。この連載では、エモカワライターの「はぎー」と、女の子が抱える複雑な感情を「エモい」というキーワードと共に紐解いていきます。

これまでの連載で「エモい」というワードがどのように使われているか考察し、そこからさらに女の子特有の複雑性を表現する「エモカワイイ」という言葉を紹介しました。いまは「エモい」という言葉が幅広く使われるようになってきていますが、私たちは本質的には「エモい」という言葉の中心にいるのは、複雑な感情を持った女の子たちだと思っています。

そんな「エモい」女の子たちはどこで情報を得たり活動しているのか、そしてどんなものを求めているのかについて考えていこうと思います。

「エモい」女の子のニーズを探る3つのキーワード

「カワイイ」だけじゃ満たされない、モヤモヤを抱えた「エモい」女の子は何を求めているのでしょうか?

私たちは、「エモい」女の子を理解するためには3つのポイントがあると考えています。

まず一つ目は、等身大の気持ちで共感できること。「エモい」女の子は、ストレートに「カワイイ」「ポジティブ」なモノやコトを素直に受け入れることが難しいことがあります。

彼女たちは自分の気分を無理に引き上げて自分を鼓舞したいのではなく、今の複雑な感情を抱えた等身大の状態で共感できるものに触れたいのです。そこで「自分だけじゃない」と孤独感を和らげたり、自分でも不可解な感情を紐解くヒントを見つけたりするのです。

二つ目はリアリティです。「エモい」女の子は、「ややこしいけど等身大の自分を認めて肯定したい」と思っています。つまり、表面を美しく取り繕っているものでなく、今の自分と同じようにリアリティのあるものを求めています。例えばコスメレビュー情報なら、聞こえのいい言葉ばかり並んだ雑誌のレビューよりも、ちょっとトゲがあっても自分にとってリアリティのある個人のSNSアカウントのレビューのほうが、彼女たちにとっては有益なのです。ここでいうリアリティは、情報の信頼性という意味だけでなく、“感覚としての現実味”という意味を含みます。

最後は、自分を切り分けられる複数の世界。女の子は常にカワイくいられないといいましたが、逆も同じで、常にモヤモヤと気持ちが落ちているわけでないのです。自分の中にある複数の顔を使い分けていきたいというのが3つ目のキーワードです。

悩んでもがいているありのままの姿を認めてほしいという気持ちはありながら、それは必ずしも相手にとって有益なことではないことは、彼女たちも分かっています。だからこそ自分の居場所を、どこかに持っていたいという気持ちがあるのです。

では、このキーワードを念頭においたとき、彼女たちのニーズに現状で答えられているものは何だと思いますか。

Twitterとインスタストーリーに生息する

エモい女の子たちがいま自己を発散させ、そして情報を得たり共感しているのはSNSです。そして特によりどころとしているのは「Twitter」と「Instagramのストーリ―機能」でないかと考えています。

この2つのSNSはアカウントを複数作ったり、共有する範囲を制限することができます。そこで“「エモい」瞬間を許容してくれる範囲、具体的には知人は誰も知らない、もしくは悩んでいるも受け入れていると信用できる友人だけが知るアカウントを作り、発信の場としています。まさに前述の3つ目のキーワード「切り分けられた複数の世界」を作ることができます。

Instagramの中でも、なぜ“ストーリー機能”なのかというと、誰が自分の投稿を見てくれているか、誰が自分に興味を持ってくれているか、と相手のことが分かるからです。
相手のことが分かるということは安心感を生みます。また、相手の情報は「本当にこの人は私のことに興味を持ってくれている」と共感性とリアリティを高めることにも繋がります。

また、情報を受け取る手段としても、この2つのSNSを使っている「エモい」女の子が多いと感じています。彼女たちは自分が共感できる発信者の個人のアカウントを、まるで一つのメディアを購読するようにフォローしています。それは自分のテイストと合うファッション誌を定期購読するのと似ているかもしれません。自分の感覚と合うアカウントをフォローしてチェックするのです。

彼女たちがSNSに集まるのは、そこにしかないから

「エモい」女の子が欲している情報やコンテンツを具体的に考えてみましょう。

それは、「仲良しの彼氏と行くクリスマスイルミネーションのおすすめ」ではなく、「別れそうな彼氏を何とか引き留めるためのデートスポット」です。

「綺麗な恋愛」ではなく「既婚者を好きになってしまったときや、彼氏がいるのに他の人を好きになってしまったときの単純には分からない解決方法」です。

これらはたとえ話ですが、こうしたニッチかつちょっと情けない悩みは、世の中に顕在化していません。深刻なわけじゃない、でも友達にも家族にも相談できない、どんなに自問自答しても自分の気持ちが分からない……そんな彼女たちが求めているものは、同じようなモヤモヤを抱えた女の子たちの中に散り散りに存在しているのだと思います。

“エモい”という言葉が生まれ、感情の揺らぎや複雑性が言語化され、注目されているように、個人の感情にフォーカスした商品や作品が生まれるはずです。またそれを伝播させるためのプロモーションにも“エモさ”が求められることでしょう。

私たちは「エモい」女の子たちと同じ目線に立って、それぞれに持っていた悩みや孤独の受け皿を用意し、メディアや商品などあらゆる形で、彼女たちに“居場所”を創っていきたいと思っています。

この居場所ができれば、これまで企業は接点を持つことができなかった新たな消費者とのコミュニケーション機会を創出することに繋がるのではと考えています。

2018年は、女の子“本音”、女の子の本質的な魅力を捉えることが、ビジネスの新しいチャンスを生み出すかもしれません。

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