今回のE1選手権は最後の韓国戦で7年振りに韓国に完敗を喫して、後味の悪さを残して幕を閉じた。
 今大会は「A代表」のバックアップメンバーを選考するという意味合いがあったのだが、得た収穫は、
「今回呼ばれたメンバーの大半は、本戦には連れて行けないレベルである」
 ということが分かったという皮肉な収穫。
 とりわけ国内組でも期待されていた、清武・杉本・大島という選手たちの相次ぐ怪我で離脱というのも彼らの「もってなさ」というのが哀しい。
 そして、それ以上の問題というのが、
「韓国や北朝鮮あたりにもハリルJAPANの戦術や特色を仔細に分析されている様子で、既に丸裸にされている」
 という危機感である。
 初戦の北朝鮮と最終戦の韓国の試合では、日本の良さが出せなかった。
 出せないということは、出させないように消されていたということである。
 1-4という大差で敗北した韓国戦後、ハリルは完敗を認めつつ、
「今日の韓国には、海外組も入れたフルメンバーで戦っても勝てるかどうか分からない」
 というコメントを残していたのが印象的だった。
 国内組はミス連発の自滅ばかりで、球際でことごとく負けていた選手たちも「海外に行けない組」だからやっぱり使えないひよってる、という落胆もあるだろうが、戦術が封じられて何もできなかったたことに対するショックの方が大きかったのではないだろうか?
 そうでないと劣勢の試合中にベンチに座り込んで、呆然と戦況を見詰めるだけにはならないだろう。
 短期間でアジア勢に丸裸にされてしまうようでは、W杯本戦をこのままで望めばノーガードのままデンプシーロールを受けに行くようなものである。
 しかし、試合後に韓国の監督が言っていたではないか。
「五輪予選で日本に逆転負けをして以降、何度も頭の中でどうすれば良かったのかシュミレーションをしてきた。あの敗戦はキャリアのなかでは傷となったが、こうして財産になった」
 韓国のオッサンも大変だったんだなと思うと同時に、今度はハリルにとって奮起するための良薬になることを願うばかりである。
 こうして切磋琢磨できるのであれば、韓国のことを「永遠のライバル」と呼ぶことを、ほんの少しだけ分かったような気がした。

 敗戦後は決まって「解任」と書かれた旗をこれでもかと振り回すいつものセルジオ越後。
 近いいつかの未来。公園のベンチでW杯決勝戦、日本VSブラジル戦をラジオで聴いているいる老いさらばえた姿のセルジオ越後。
 ラジオからは、日本がブラジルを倒して優勝したという歓喜の雄叫びが聴こえてくる。
 目に涙を滲ませたセルジオは絞り出すようにつぶやいた。
「ヨクヤッタネ。ミンナガンバッタヨ……」
 公園で遊ぶ子供の1人が、ベンチに座るセルジオに近づくと驚いて叫ぶ。
「このおじいちゃん、笑いながら死んでるよ!」
 というような「セルジオあるある?」な妄想話をネットで読んだことがあるが、そんな夢物語が実現したら、公園のベンチではなく解説席で試合終了の笛を聴いたセルジオは矢吹丈のように燃え尽きて灰になってしまうんじゃないかと思わざるをえない。

 とまあ、今年の代表戦もあれこれと振り返ってみても、計13試合繰り広げられた代表戦に一喜一憂しながら終わってしまった。
 W杯出場を勝ち取った以外はパッとしない試合も多く、来年の残り半年がどうなってしまうのだろうという不安しかない。
 ただ、この状況からどんな風に策略を巡らしていくのだろうか、という期待と楽しみを拠り所にして次の3月の代表戦を待つばかりである。

 それではよいお年を。今年もありがとうございました。

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