「男女逆転版・痴人の愛」は12月8日よりこまばアゴラ劇場にて(イラスト:Cato Friend/宣伝美術:冨田中理)

 40歳を機に、同い年の女優・安藤玉恵さんと節目の年に演劇を一緒にやるシリーズ「ペヤンヌマキ×安藤玉恵生誕○周年記念ブス会*」を立ち上げました。これから先、50歳、60歳、70歳、80歳…と何歳までできるかの挑戦です。

 これまで目先のことに追われながら生きて来て、ふと一段落した瞬間にどっと気落ちするということがよくありました。

 人は、やるべきことがないと生きていけない、明日やることがなくなってしまったら朝起きれない、と聞きます。以前この連載でも書きましたが、女性専用フィットネス「カーブス」でも、お婆ちゃんが言ってました。「死ぬ前の日まで、毎朝起きた時に、やることがあるということが大事なの」。

 40歳から新たにいろんなことを始めることにした理由も、それです。いろんなことがやりたい、という思いの裏には、やることがなくなるのが怖いという気持ちが潜んでいるのです。

 子供がいる友人は「この子が成人するまでは死ねない、と産んだ時に覚悟した」と言います。私も何かそういうものが欲しいと思いました。

 目先のことではなく、10年後、20年後と長いスパンでやりたいこと、人生をかけてやるべきこと=「ライフワーク」を作ろうと。
 
 そして、それにはパートナーが必要だと思いました。
 1人では続かないことも、誰かと約束することで、絶対にやるんだという決意につながり、実現できる。

 私の人生が大きく変わった節目というのは、30歳の時に初めての脚本・演出作品である「女のみち」という舞台をやったことだと思っています。自分がやりたいことと自分ができることと自分がやるべきことが一致した瞬間でした。
 それを一緒に企画したのが、同い年でずっと女優を続けてきた安藤玉恵さんでした。 

 安藤さんは、私の演劇人生の命の恩人だと言っていいでしょう。あの時、安藤さんとあの公演をやっていなければ、今はなかったかもしれないのです。そして安藤さんが同い年でよかったなと思うのです。

 年齢を重ねるごとに実感するのが、同い年の人って貴重な存在だということです。当たり前のことですが、自分も相手も同じだけ歳を取っていきます。老いていくのも誰かと一緒だと思えば怖くないといいましょうか。なんだかそういう連帯感みたいなものを勝手に感じます。
 
 同い年で頑張っている人を見ると自分も頑張らなければと思うし、励みになります。特に安藤さんという人は、いつもパワフルで、いい“気”を持っている人です。そんな彼女と10年毎に、好きな演劇をやる。

 このことはこれからの私の人生において、大きな指針になります。
 10年後に集まった時に、お互い進化していたい。身体は退化しているかもしれないけれど、10年分の蓄積をお互いぶつけて更に面白い作品を作りたい。それがお婆ちゃんと呼ばれる歳になってもできたら、素敵だなと思うのです。(後編へつづく)

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ペヤンヌさんと安藤さんの対談「熟女になってから伸びるタイプもいる!」もどうぞ。

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ペヤンヌマキ『女の数だけ武器がある』

ブス、地味、存在感がない、女が怖いetc.……。コンプレックスだらけの自分を救ってくれたのは、アダルトビデオの世界だった。働き始めたエロの現場には、地味な女が好きな男もいれば、貧乳に興奮する男もいて、好みはみなバラバラ。弱点は武器にもなるのだ。生きづらい女の道をポジティブに乗り切れ! 全女性必読のコンプレックス克服記。