昔から、人との会話というものが全然わからなかった。

 何を話したらいいのか全く見当がつかない。いい年になった今ではわからないなりにその場をしのぐ術をいろいろ覚えたのである程度取り繕えるようになったけれど、10代や20代前半の頃は本当に会話が全然できなくて、自然に会話ができる(ように見える)普通の人々に対して敵愾心を募らせていた。

 なんでみんな会話なんていうよくわからないゲームが自然にできるんだろう。あのつまらなさにどうしてみんな耐えられるんだ。そもそも話題というものがわからない。天気の話とかどうでもいいしテレビの話とか全然知らない。世間話って無意味だろ。相手の発言の一つ一つにどういう意図があるのか全く読み取れない。どう応答すれば正解なのか。難易度がベリーハードの早押しクイズ大会だ。なんでみんなそんなに喋りたいことがあるんだろう。僕は人に対して喋りたいことなんてほとんどないんだけど。僕に対して全く興味ない癖に僕に質問してくるのをやめろ。それに渋々答えると「ノリが悪いね」みたいな目で見るのもやめてくれ。

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pha『ひきこもらない』

家を出て街に遊ぶ。
お金と仕事と家族がなくても、人生は続く。
東京のすみっこに猫2匹と住まう京大卒、元ニートの生き方。

世間で普通とされる暮らし方にうまく嵌まれない。
例えば会社に勤めること、家族を持つこと、近所、親戚付き合いをこなすこと。同じ家に何年も住み続けること。メールや郵便を溜めこまずに処理すること。特定のパートナーと何年も関係を続けること。
睡眠薬なしで毎晩同じ時間に眠って毎朝同じ時間に起きること。
だから既存の生き方や暮らし方は参考にならない。誰も知らない新しいやり方を探さないといけない。自分がその時いる場所によって考えることは変わるから、もっといろんな場所に行っていろんなものを見ないといけない。